石田さゆり
「世界が終わるまで残り8分になっちゃったね」
突然のことだった。放課後の校門前で背後から確かにそう言われた、振り返るとこの学校の制服を着た女子が1人立っていた。
「君は?」
当然の疑問だった、僕は彼女を知らないのだから。
「そっか、そうだね…。最善の策をとらなきゃ……。はじめまして!私の名前は石田さゆり!君の…君の…」
「僕の?」
「…友達になりたいな!そうだ!せっかく喋ったんだし、お近づきのしるしにこれ貰ってよ!」
そういうと、彼女はスカートのポケットから懐中時計を取り出して僕に押し付けた
「何がなんだか分からないけど、いきなりこんな高価そうなものもらえないよ!石田さんは押し売りのセールスマンか何かなの!?」
そう言って、時計を彼女に返そうとすると
「ううん。これはあなたが持っておくべきもの、私じゃダメだった…」
「ダメだった?」
一瞬、彼女は顔を曇らせたがすぐに笑顔でこういった
「それ、私じゃ直せないから!だから君にあげるよ!いらなかったら売ってもいいよ、それなりの値段にはなると思うし!何より君が持つことが最善の策なんだから!」
彼女はいったい何がしたいのだろう?何が言いたいのだろう?
「石田さん君はいったいーーー」
ゴーーン、ゴーーン、ゴーーン
16時のチャイムが鳴った