【グリムリーパー暗殺作戦②(Grim Reaper Assassination Operation)】
先週の金曜日に始めてSEXをして、馬鹿になりそうだから“一夜限りの事としよう”と思いながら、結局今日で1週間毎晩ローランドとしている。
これって本当に癖になっちゃう。
ところが金曜日の夕方に、やっとメェナードさんが帰って来て、なんだか物凄く後ろめたい気持ちになってしまった。
別にメェナードさんは私の彼氏ではないし、お父さんでもないのに、こういう行為を隠れてしていると言う事に罪の意識を感じてしまう。
その金曜日の夜にはグリムリーパー暗殺作戦の合同会議があり、メェナードさんと一緒に会議室に向かう。
いつもなら気楽に何のために行っていたのかとか聞けるのに、話をすると逆にこちらの状況も聞き出されて、怒られそうな気がして黙って廊下を歩いていた。
もちろん私の事を詮索するようなメェナードさんではないし、聞き出す目的で話を振って来ることも無いのは知っている。
だからこそ、怖い。
会議室に入ると先に来ていたローランドが私に気付いて手を上げたので、私は自分の体で死角を作りメェナードさんから見えないように軽く手を上げて返した。
私が手を上げたのをローランドの隣で見ていたラルフ軍曹が肘でローランドを小突いて揶揄う。
“もー、止してよ。子供みたいなこと! メェナードさんにバレちゃうじゃないの”
メェナードさんはいつも通り、さり気なく席に座る私の椅子を引いてくれる。
「ありがとう……」
いつもは笑顔を向けるのに、何だか今日は目を思いっきり正面に向けたまま言った。
会議では、来週行われる本作戦の概要が説明された。
決行日は決まっていない。
要はグリムリーパーが餌に食いついて来た日が決行日となる。
CIAを中心とした諜報部隊は、今週まで奴等が餌に食いつきやすいように様々な餌を巻いたので自信満々。
彼等が言うには、次の週末にはグリムリーパーの居ない街を我々は自由に歩いている事だろうと声を高らかに言っていた。
「どう?」
会議が終わって宿舎に戻る時、メェナードさんに聞かれた。
私は「順調よ」とだけ答え、いつもなら聞き返すはずの相手の話しには触れずに、そのまま部屋に戻った。
午後22時。
お互いに約束している訳ではないから、行く義務があるわけではない。
でも行かなければ。
今までは何も考えずに部屋のドアを開けていたと言うのに、今日はまるで泥棒の様に音が出ないように静かにドアを開け、足音を忍ばせてビクビクしながらいつもの場所に向かう。
いつもなら平気なのに何かイケナイ事をしているようで、まるで小さな子供が素晴らしい悪戯を思いついた時のようにドキドキと興奮して、隠れ家に着いてローランドと会った瞬間にその体を求めて飛びついていた。
異常なまでに興奮してしまった私は自制が効かなくて、いつもより激しく野生的に求めめ、最初は驚いていたローランドも直ぐに私に合わせる様に激しくしてくれた。
彼基準の1回戦が終わっても休みなく続け、彼の3回目が終わった所で漸く私の興奮状態は解かれた。
私基準だと、何回イッタかさえ分からない。
彼基準の3回と言う数も覚えていた訳ではなく、スキンの数を見たから確認できたに過ぎない。
お互いに汗だくで、息も上がっている。
はあはあと言うお互いの吐く息が、何も無い闇に決して雨を降らすことのない無数の雲を作り出しては直ぐに消えていた。
「どうしたの?何かあった?」
ようやく私の呼吸が納まった頃、ローランドに聞かれた。
「何も無いよ」
「ならいいけれど」
「いよいよ来週が決戦ね。自身は?」
「あるよ。依然グリムリーパーの正体は分からないままだけど、どんな奴でも見つけ次第俺が仕留めてやる」
「もしグリムリーパーの正体が、絶世の美女だったら? それでも迷うことなく直ぐに撃てる?」
「ああ、想定内だ。それに俺の中で本物の美女はサラしか居ない。見せかけだけで俺を惑わせることはできない」
「さすがね」
「全てサラのおかげだ。ありがとう」
ローランドが優しく唇にキッスをしてくれた。
納まりかけた欲情に、また火が付きそう。
でも、話さなければ。
私は勇気を出してローランドに、作戦終了までこの密会を一時中断する事を提案した。
理由はお互いの体調管理と、揉め事の回避。
砂漠の夜は寒いし、ここで密会をしているところを誰かに目撃されれば、折角訓練で掴んだ狙撃班のチームワークが崩れる可能性が有る。
いや狙撃班だけでなく、砲撃班や他の班にも事は及ぶ。
ローランドははじめ私の説明を不思議な顔をして聞いていたが、直ぐに理解して承諾してくれた。
「じゃあ、グリムリーパーの暗殺が完了したら一緒にドイツに行ってくれる?」
「いいよ」
私が未だ16歳だと言う問題は、この場合後回しにして、一緒にドイツに行くことを承諾した。
「この密会は一旦今夜で終わりだと言ったよね」
「ええ」
「今夜の基準は?」
「明け方まで、と言いたいところだけど、午前0時までと言う方がシンデレラみたいで何だかロマンチックじゃない?」
「じゃあ0時まで、あと30分あるね」
「えっ……」
思いがけず、私は再びローランドに押し倒された。
駄目~っ!
0時の鐘の音が鳴り終わっちゃうとシンデレラは普通の女の子になっちゃうのよ!
普通の女の子になっちゃったら、もう0時までの約束なんて覚えていられないわ……。




