【ローランド・シュナイザー③(Mr.Roland Schneizer)】
男には女が必要になる時がある。
特にその傾向が顕著になるのは、自らの命の継続に不安を感じた時。
戦場で繰り返されるレイプの主な原因は、それ。
レイプされる女性の悲鳴を聞きつけた敵が何所から現れるとも限らない状況にあって、ズボンを脱いで武器を手から離して自ら無防備な姿を晒すなんて普通ではあり得ない。
では何故、戦場と言う危険極まりない状況下にも拘らず、兵士は女性をレイプしたがるのか?
それは地球上の全ての生命体が持っている宿命。
種の保存本能。
命の不安に、自分の種を誰かに受け継いでもらいたいと言う本能が強く出てしまうのは、種をまく側の男にとっては当然の作用なのだ。
では、戦場でレイプされた上に殺される女性が居るのは何故か?
それは、証拠の隠滅。
男の興奮状態は発情すると急激に上がって行き、射精でその頂点を迎える。
頂点を迎えた後は、信じられないほど興奮状態は急激に冷めて冷静さを取り戻す。
つまり仕出かしてしまった過ちを、相手を殺す事で無かった事にしようと言う、自己防衛本能が働いてしまった結果と言う訳。
もちろん、レイプと私とローランドとのSEXとは直接関係は無い。
だが彼もまたグリムリーパーと実際に戦う日が決まり、決して勝てないのではないかという不安を抱えていた。
だから自分でも何がしたいのかも分からないまま、本能的に女性である私を誘ったに違いない。
死ぬ前に、自分の種を誰かに託したい。
私は、そのために彼の本能を満たしてあげた。
では何故、ローランドは私を選んだのか?
アメリカ軍のラマーディ・キャンプには女性の隊員や職員も沢山いるし、夜のバクダッドには金で一夜を過ごしてくれる女たちが沢山いるのに何故?
答えは簡単。
それは私が美人で賢いから。
ローランドの様にハンサムで頭がよく運動神経も体力も持ち合わせた非の付け所の無い男性は、自分に相応しい女性を選んで種を残そうとするか、自分に無い物を持っている女性を選ぶかのどちらか。
幸い私は、美人で賢く、ローランドが持っていない精神面の強さも持ち合わせている。
処女を上げたのは、私を選んだ聡明なローランドへのご褒美と言う訳。
キングサイズのベッドに横たわり、そんな事を考えていた。
隣には不安を拭い去ったローランドが、穏やかな寝息を立てて眠っている。
彼にとってグリムリーパーの存在は、まさに“死神”だったのだろう。
私が、その死神を追っ払い、不安を払拭した。
深く、落ち着いた規則的な呼吸が、今の彼の安心を物語っている。
呼吸をするたびに隆起を繰り返す厚い三角筋で覆われた逞しい胸は、まるでミケランジェロの彫刻のよう。
こんなに逞しい胸を持ちながら、この大きな手で私の小さな胸をもてあそび、この澄ました唇が私の唇を奪ったあと、胸や体のあちこちにキッスを加えた。
彼の胸に手を伸ばし、その先端にある小さな乳首を弄る。
男も、女の様に感じるのだろうか?
唇を着けて、ローランドが私にしたように舐めてみる。
味はしない。
次は吸ってみる。
先っちょが私の時のようにコリコリになって来た。
“感じているの?”
目を離すと、彼の眼と再び出会う。
直ぐに彼の太い腕が私を優しく包み込み、その波にさらわれる様に私の唇は彼の唇に漂着する。
甘―いあまぁ~い唇。
もう一度だけなら、馬鹿になってもいいかな……。
一度だけのつもりが、一度では済まなかったことは確かだが、具体的に何回かと考えるとそれは”覚えきれないほど”と答えるしかない。
基準が曖昧な上に、正確な回数を覚えておく能力が欠落していた。
ローランドを基準とした場合、明確に3回と言う答えは使い終わったスキンの数で分かるが、私を基準にした場合なら優にその4倍以上の回数となる。
男の絶頂と女の絶頂の回数は違ってくるから、満足度を基準とした回数では自ずと違って来る
つまり射精によってのみ絶頂を迎える男性のSEX回数は分かりやすいけれど、女性の場合その回数がSEXの回数には当てはまらないということ。
自分にとって、相手が気にいらなければ5回のSEXでも決して私は1度も絶頂を迎える事は無いだろう
幸いローランドが上手いのか、私との相性がいいのかは分からないが、私は沢山気持ち良くなって……。
いつの間にかシーツに潜り、寝ているローランドを奮い立たせて、再度要求してしまった。
あら、やだ。
もう馬鹿にはならないと決めたのに、これ癖になっちゃいそう。
っていうか、大人になっても男の人って女性のサポートが必要だなんて、なんて甘えん坊さんなの??




