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呪われし王家
大変な気合の入れようでした。
義妹のエマ然り、王家主催の夜会然り。
でも、それは仕方のない事でしょう。
先代から続いて王妃殿下は他国の王女殿下。
今代の国王陛下は、国内の貴族との連携を求めていらっしゃいますもの。
貴族同士の微妙なパワーバランスの問題もありますけど、王家の影響力が年々薄れている事も危惧しているのでしょう。
王太子殿下も血筋の点はいいのですが、国内に後見人がない状態は政治的にも立場的にも困った事でしょうしね。
国王陛下も恐らく、考えた末の夜会となったのでしょう。
これ以上、王家の求心力が落ちてはどうしようもありませんもの。
夜会は無事、終了し、数日後に王太子の婚約者が発表されました。
…王家の呪いでしょうか?
何故、一番選んではいけない相手を選ぶのでしょう?
確かにエマは夜会で一番目立っていたのは事実です。
けれど、エマ以上に美しい令嬢は何名かいましたし、公爵家の令嬢方も参加していました。
それが、なぜ……
やはり、皆様が落ち着いたドレス姿だったのがいけなかったのでしょうか?
エマに王太子妃など務まるのでしょうか?
不安でなりません。




