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閑話 エマside


おじ様達が私を心配して、お父様を説得してくださったお陰で、新しい先生が来てくれたわ。

前の意地悪のお婆さん先生と違って、優しくてとっても美人の先生よ。歳だってお義母様より若くて、まるでお姉様が出来たみたい。


だいたい、あのお婆さんが悪いのよ!!!


何時も小言ばかり!

「椅子に座って机に向かってください」とか、「足をぶらつかせてはなりません」とか、「授業中は眠ってはいけません」とか、「癇癪を起してはいけません」とか、「仮病と偽ってはいけません」とか、「廊下を走ってはいけません」とか、まだまだいっぱい言われたわ!


仕方ないじゃない!

勉強が面白くないんだもの。

楽しい授業をしないお婆さんが悪いのよ!

ぼそぼそ言われったって全然分かんないわ!


おじさま達だって、お婆さんのことを沢山怒っていたし、やっぱり悪いのはあのお婆さんよね。

お義母様は「いい先生よ」なんて言うけど、どこが!?

全然、いい先生ではないわよ!

お父様まで「かの教育者の教えを請いたい令嬢は大勢いる。エマお前は運がいい」なんて言うのよ?

おまけに「先生のいう事をよく聞いて立派な淑女になりなさい」とか言われたわ。

きっとお義母様がお父様に何か言ったに違いないわよ。


お義姉様だって酷いのよ。

私が虐められてるっていうのに全然庇ってくれないし、義姉なら私を助けるのが普通でしょう?

宿題だって代わりにやってくれないし、なら、写させてもらったって罰は当たらないわ!

それもダメだっていうのよ!

何なのよ!


お婆さんに贔屓されていい気になってるんだわ!

授業中だって私の様子を窺ってきて、感じ悪いったらないのよ!


淑女の嗜みだって言って私に刺繍させたり、お茶を入れさせたりして!

挙句に、私に頭を下げさせたのよ?

高貴な方に会った時のため?

何よそれ!?

繕い物は針子の仕事だし、お茶なんかメイドがするものでしょ?

そんなものが出来なくても何も困らないわよ。

私は侯爵令嬢であって、メイドではないのよ?



でも、お婆さん先生の教え方が悪かったってことは、ローズ先生に替わってよくわかった。

ローズ先生の授業は凄く楽しい。

歴史の事を学ぶのに劇場での芝居をよく見に行くようになったし、算数を学ぶために商人を呼び寄せて新しいドレスやアクセサリーを作ったし、国語の授業だって最新の本(娯楽小説)で学んだお陰で世界が広がった気がする。

勉強は授業中だけだって言ってくれて、宿題なんて絶対に出なかったわ。ローズ先生はお婆さん先生と違って、私の事をよく褒めてくれる。褒めて伸ばすのが先生の教育方針なんですって!

素敵な考えだわ。怒ってばかりのお婆さんよりずっといい。先生の教え方が上手いお陰で私の教育課程がドンドン進んでいって、お父様も大喜びだったわ。

やっぱり、あのお婆さん先生の教え方が悪かったのね。

私は元々優秀なんだもの。ちゃんと教えてくれたら出来ないハズなかったのよ。


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