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魔物という脅威

 私達が外に出ると、大きな犬みたいな姿の魔物や、オーガ等がアスケラの人々と交戦していた。

 至る所から煙や炎が上がっている。


「マジかよ!? こんなにも魔物が暴れるところなんて、見た事ねぇぞ!?」


 私の横でオクト君が叫ぶように言う。リュドヴィックさんが私達に指示を飛ばす。


「ぼやくのは後回しだ! 各員、散開してアスケラ魔道士団と連携! 但し、『パビルサグ』と遭遇した場合は……この信号弾を空に放て! いいな!?」


 私達は無言で頷き、リュドヴィックさんから信号弾を受け取った。その様子を見ていたアンドレアスさんが口を開く。


「うぬ。なれば、我が諸君らに強化魔法をかけようぞ」


 そう言って、アンドレアスさんが呪文を唱える。

 いつぞやの神官様の時みたいに何言ってるのかわからなかったけれど、身体に力がみなぎるのを感じた。


「アンドレアス殿、感謝致します。よし、皆行くぞ!!」


 言うや否や、リュドヴィックさんが走り出す。私達も後に続き、十字路の中央部でそれぞれ別行動を取った。


 ****


 私は北の方へ向かう。すぐにアスケラの人々と合流し、対峙している魔物達の前で双剣を抜いた。


 私が遭遇したのは、……ケルベロスだ。今は余計な事考えてる場合じゃない!!


 私はどうやら魔法特化で近接戦が苦手と聞いたアスケラの人々に向けて声を張る。


「皆さん! ルクバト騎士団の者です! 私が接近して戦いますので、援護をお願いします!!」


「近接戦!? それはありがたい!」


「わかりました! ルクバト騎士団の方! みんな、援護するわよ!」


 果たして一般市民なのか、魔道士団の人なのか……そこはわからないけど、思ったよりすんなり受け入れてくれた。嬉しい。……結構ケルベロスデカいな……かなり怖いけど頑張らないと!!


 私は気合いを入れ直し、暴れている多分二メートルくらいのケルベロスに向かって行く。


「ええぇぇい!!」


 私は回転しながら、勢いを付けて飛び上がり、首元を狙って切り付ける。

 アンドレアスさんの強化魔法のおかげで、いつもより格段に身体の調子が良い。


 これは……いけるぞ!?


 倍の威力の斬れ味で、すぐにケルベロスの首が落ちた。


 えっ……魔法凄すぎない!?


「おお! 騎士団の兄ちゃんやるなぁ!」


「助かりました! この魔物、どうやら魔法があまり効かないみたいだったから困ってたんです!」


 感謝の言葉が向けられるけど、自分の実力じゃないことくらいはわかる。わかるからこそ、複雑だ……。


 そんな事を考えていたら、近くの屋根の上から気味の悪い声? いや、鳴き声が聴こえて来た。


「ウガウガウガ!」


 鳴き声の方へ顔を向けると、そこには――。


 先程、大会議室で見せてもらった『パビルサグ』がいた。

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