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オクタヴィアンとの対人戦

 修練場で鍛錬すること三時間後。

 だいぶ双剣が馴染んできた私を見て、リュドヴィックさんもとい、スパルタリュドヴィック先生から次なる課題を出された。


「よし、動きはいいな。なら、次は対人戦だ!」


「え? は、はいぃ!?」


 対人戦って……リュドヴィックさんと?


 戦々恐々としていると、隣で鍛錬をしていたオクト君が声をかけてきた。


「おっ、対人戦ですか? なら、リュドヴィック卿、俺とイグナートで手合わせさせてくれません?」


「オクタヴィアン卿……いいのか?」


 眉を少し下げて言うリュドヴィックさんに対して、オクト君は眩しい笑顔で答える。


「勿論ですよ! なんせ、仲間ですからね!」


 うぅ……なんてさわやかなんだ!!


「そうか。なら、頼む。お互い、いい刺激になるだろう」


 私がオクト君のさわやかさにやられている間に、話はまとまったらしい。怖いけど……ここでビビってたら、『男が廃る』ってヤツだよね?


 覚悟を決めた私は、オクト君と共に対人戦用のスペースに行き、そこで木剣を借りる。

 私は当然二本、オクト君は一本を手に取ると、安全柵を開き、中に入った。


「おいおい、そんなに緊張すんなって!」


 笑顔で言われても、怖いもんは怖いんです!


「はは、お手柔らかにお願いします……」


「おう!」


 あ、これ、お手柔らかじゃないフラグだ。

 それぞれ武器を構え、対峙する。

 スペースの外側から、リュドヴィックさんの声が聞こえてきた。


「それじゃ、両名準備はいいな? 開始!」


 私とオクト君が睨み合う。じりじりと距離を取りながら、出方を伺っていると、先に動いたのはオクト君だった。


「行っくぜぇー!!」


 右腕を大きく振りかぶって、私の頭部を狙ってくる。それを、私は左手で構えていた木剣で防ぎ、右手に持ったもう一本でオクト君を突こうとする。

 だが。


「おっと!」


 オクト君が華麗にかわすと、私の右脇腹を狙って木剣を振るう。

 私はかわしきれず、もろに受けてしまった。


「いっだぁ!?」


 あまりの痛さに、思わずその場に座り込んでしまう。

 すると、スパルタリュドヴィック先生から激が飛ぶ。


「なにをしている! 早く立たないか! 戦場だったら死んでいるぞ!」


 うぅ……そう言われましても……。


「イグナート! 『男らしく』なるんだろ? なら、まだ行けるよな!?」


 オクト君にそう言われ、私は頷く。そうだ、なるんだ……! 『男』に!


 気力を振り絞り、立ち上がると私は木剣を構え直す。

 それを、満足げにオクト君が見てくる。


「オクト君、行くよ!」


「おう!」


 私はオクト君目掛けて走り出した――。

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