第4話 改めて自己紹介
のんびりと見ていただければ幸いです。
翌日、朝起きると同じ天井だった。隣には玲子さん、周りに看護師さんたちがいた。
「「「おはようございます、前川様」」」
「お、おはようございましゅ...」
起きた時に周りを看護師さんたちが囲っていたときは少し怖かった。あと噛んでしまった。何人か顔が赤くなっているような、恥ずかしい。
「前川様、朝ごはんをお持ちしました。もしまずかったりしたら遠慮なく残していいですからね。体調悪くなったらいつでも呼んでくださいね。先ほどお母さまから電話をいただいて妹さんと一緒にお見舞いに来るそうです。」
「ありがとうございます」
そう玲子さんが言うと、全員病室から出ていった。病室の外ではなにやらキャーっていった声が聞こえるが今は気にしないでおこう。目の前には朝ごはんがある。ごく普通の朝ごはんで安心した。もちろんおいしい。残さないでしっかりと食べよう。
玲子さんが言ってたけど、僕には妹がいるんだな。前まで妹なんて確かにいなかったし顔も体型も全く違う前川淳司になってるし本当に転生したのかも。あと少し気になるのは、僕と話している時、女性の目つきというか顔つきがおかしいこと。まるで僕に一目惚れしてるかのような顔をするんだよな。
とりあえず、テレビでもつけようかな。お、ニュースやってる。
「続いてのニュースです。先ほど日本で2000人目の男子が生まれました!おめでとうございます」
え?日本で2000人目の男子が生まれただって?めちゃくちゃ男子少ないじゃん。このニュースを見ていると電車で女性から男子への痴漢によって女性が逮捕される事件も報道されていた。元の世界ではありえないようなニュースばかりで驚いた。
「僕本当に転生したんだな」
そう確信せざるをえなかった。それも男女比と価値観が狂っている世界に。
この世界は同じ地球だけど、男女比と価値観が狂っていると考えるとトイレが少なかったことと、女性の顔つきが変わっていたことに納得した。男性が少ないあまり女性から電車で痴漢が起こるんだろうな。他にも調べないといけないことはあるけど、携帯ないから調べられないな。退院してから調べることにしよう。
朝ごはんも食べ終わり、12時頃お昼時ノックする音が聞こえる。お母さんと中学生ぐらいの子が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん、目が覚めたの?体調は大丈夫?」
明るい笑顔でそう言ってくる。この子が妹かな。名前とか分からないけど、ものすごくかわいいな。ショートカットの黒髪で身長は150㎝くらいだとおもう。
「大丈夫だよ!心配してくれてありがとう」
さっそくだけど家族なのに名前とか覚えてないというか知らないから聞こう。傷つけないようにやさしくお母さんに聞いた。
「お母さん、ごめん。一日経ってもお母さんの名前と妹の名前が分からないんだ。これから二人と仲良くしていきたいから自己紹介したいな!」
できるだけお母さんと妹を傷つけないように聞いた。
「「...尊い...」」
「え?」
小声で何も聞こえなかった。お母さんと妹の目がとろんとしているような...気のせいか
「ごめんね、何でもないよ。お母さんの名前は恵子。前川恵子よ。改めてよろしく淳ちゃん!」
「お母さんからいろいろ聞いたよ。記憶喪失なんだって?すごく心配したし、今までの思い出とかを話せなくなっちゃうのは悲しいよ。でもね、これからこんなこともあったんだよって話してあげたいし、これからたくさん遊びに行ったりして思い出も作りたいって思ってるよ!あ、ごめんね自己紹介しないと。私の名前は前川麻衣。よろしくね、お兄ちゃん!」
「僕の名前は前川淳司、これから迷惑かけるけどよろしくね。お母さん、麻衣」
お母さんと麻衣は顔を赤くして、僕の顔を見てくれなかった。
これからは家族に対しても優しくしていこう。
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