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第3話 記憶喪失と診断されました

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「淳ちゃん!なんで!私はあなたのお母さんなのよぉぉー、うわああーん」


スーツの女性は泣きすぎて目元が腫れている。化粧も原型はほとんどなかった。このスーツの女性が言うには僕のお母さんらしい。いや知らんぞ、こんな美人。お母さんなのか?お姉さんにしか見えないよ。


「前川様、この方はお母さまですよ」


玲子さんもそう言ってくる。どうやらお母さんらしい。もしかしてこれってラノベでありがちな...


(転生したのか?都市伝説にも思ってなかったのに!いいやまだ確信するには早い)


新お母さんには申し訳ないが覚えていないものは覚えてない。


「ごめんなさい、こんなにきれいな人知らないです」


「そう」


玲子さんは続けて言った。


「あなたの名前、年齢、家族構成、なんで入院することになったか覚えてる限りでいいの。教えてくれる?」


「僕の名前は前川淳司、年齢は14才、家族構成はお母さんと僕だけ。入院した理由はまったく覚えていません。記憶にあるのは普通にただ寝てた、起きたらここだった、って感じです。ごめんなさい、参考にならなくて」


「いいのよ、話してくれてありがとう」


そう微笑んでくれた。


「お母さま、もしかしたら前川淳司様は記憶喪失の可能性があります。そのほか脳や体に異常がないか調べますので少し待合室の方でお待ちください」


「淳ちゃんが記憶喪失...うそ...」


お母さんは泣き止んで、一気に声のトーンを落とした。


「まだ可能性の段階なので、心配しないでください」


そうして僕の緊急検査が始まった。




検査が終わり再び病室に戻ってきたときにはもう夕方だった。


「お母さま、淳司様、結論から言わせていただきます。淳司様は記憶喪失です。ですが淳司様は自分のことなどはわかるようなので断片的な記憶喪失でしょう。あくまで私の推測ですが、これからお母様と生活していく中で淳司様の記憶も戻っていく可能性があります、ですから今日と明日はここで安静にしてもらって明後日には退院できるでしょう」


玲子さん、僕記憶喪失ではないと思います。転生してきたんです。とは言えるわけなかった。そんなこと言ったらまるで中二病みたいじゃないか?僕中二だけど


「そうなの?淳ちゃん?」


新お母さんはすごい心配そうな目で僕を見つめてくる。


「ごめん、自分のこと以外何も思い出せないんだ」


今でもこんな美人なきれいな人が僕のお母さんだなんて信じられないです。


「謝らないで、淳ちゃんが生きているだけで私は幸せなのよ」


僕は陰キャでぼっちだったし、いじめられてた。そんな嫌な思い出したくない過去を、将来そんなこともあったなぁと思えるぐらい、笑えるぐらいになりたい。だからこうやってこれからは陰キャでぼっちだけど優しく生きようと思う。だって生きてるだけで幸せって言われたんだ。


「今は何も思い出せないけれど、これからお母さんとたくさん思い出作りたいな!」


これは本音だった、自然とお母さんっていう言葉も出た。


「今お母さんって言った??今まで、おいとかお前とかで呼んでたのに、うれしい!またお母さんとよろしくね。たくさんいっぱい思い出作ろうね!」


「よろしくね、お母さん!」


ここで自分にできる最大の笑顔をお母さんにした。あれ3人とも鼻血出てる。





深夜になってトイレに行きたくなった。病院の案内図を見ると


「あれ?女性用のトイレばかりだ。男子トイレはこの病院には一個しかないぞ」


しかも一階のロビーにしかないなんて


「なんでこの病院女子トイレばっかりなんだ?男子トイレ一個しかないのはいくら男子といえど渋滞するだろ」


一階ロビーに向かい、トイレに入る。驚いたことに小便器はなかった。


「まあいいか、大きいほうしたかったし」


トイレも済ませ手を洗いに行くと、鏡には知らないイケメンが映ってた。顔を触ってみる、つねってみる。鏡もおなじ動きしているな。いままで気づかなかったけどそういえば体型もぽっちゃりしてないな。鏡の前でポーズしてみる、やっぱり同じか...




「えええええええええ!!!!!!!僕は誰なんだよおおおおぉぉぉぉ!!!!!!」


深夜に大声出してしまいそのあと、看護師が来てしまった。深夜にごめんなさい。

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