第23話 くじ引き
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「じゃあ、次の議題ね。今日のお疲れ様会の席決めよ!」
今日のお疲れ様会は近くのファミレスでやる。40人でいきなり行くのはお店に迷惑だし、とりあえず貸し切りで2時間予約したらしい。さすがレイちゃんである。そうじゃないと前川君に迷惑かけちゃうしね。
「席の決め方を説明するわ。方法はくじ引きよ。私の自作だから念入りにチェックしていいよ。もちろん私だけに分かるような仕掛けはないよ、安心してほしい。くじにはそれぞれアルファベットのAからOまでの文字が書いてあるわ。それぞれ同じアルファベット同士、4人ずつ一組でテーブルに座ってもらう。じゃあ、前川君にどこに座ってもらうか。公平にするために、今から最初に引くくじが前川君がいるテーブルね。これで私はこのくじに仕掛けはできなくなったわね、もともとしてないけど。くじを引く順番は出席番号順ね。でも引いたらすぐに見ないように!あと交換は絶対になしね!これでどうかしら?みんなに平等にあるチャンス、無駄にしたくはないよね。でもこれだけは約束ね。これは完全に運だから、もし自分が前川君と同じアルファベットのくじを引かなくても、お疲れ様会を一緒に楽しみましょう!あと引いてしまった人を絶対に恨まない!これは前川君に楽しんでもらうためにやるんだから、恨んだりしない!このくじ引きをお疲れ様会に引きずらないでね?」
レイちゃんがルールを説明してくれた。テスト中だっていうのに、くじを作ってくれてありがとう!しっかりと運、実力とかイカサマとか関係ない。こんなくじを作ってくれて反論する人はいなかった、むしろ
「さすが、レイちゃん!ありがとう!」
「レイー、テスト中なのに、お疲れ様会を企画してくれてありがとうね!」
「レイちゃん、大好きー!」
「レイちゃん、かっこいい!すき!」
私と同じようにみんなレイちゃんに感謝している。このクラスはみんないい子ばっかり。
でも、世の中は苦である。今からこんな仲間たちと戦うなんて...
「みんなありがとう、じゃあお疲れ様会まであんまり時間ないから、もう前川君の席のくじを引いちゃうね」
レイちゃんがくじの中に手を突っ込んで、くじをガサガサとしている。
「前川君の席は!」
みんなレイちゃんが出したくじに注目する。
「E!Eだよ!前川君のテーブルはE!」
「前川君のテーブルはEね。私の全ての運を使ってでも引く!」
「39票のくじのうち3票が当たり。それ以外は興味ないわ!13分の1、私にとっては余裕ね!」
「レイちゃんには感謝してるけど、それとこれは話が違うからね、全力でEを取らせてもらうわ」
「神様、仏様どうか今だけ力を貸してください...!」
みんなEのくじを狙う。もちろん私もEのくじを全力で狙う。
このくじ引きにおいてE以外に価値は無くなった。
「じゃあ、出席番号順に取りに来てー。あと一つ補足ね、もし誰かくじを見てしまったり、交換してると分かった瞬間このくじをやり直します。」
みんな取りに行っている。あと二時間もしないうちに、打ち上げ始まっちゃうから着替えもしないといけないし、不正はみんなやらないように注意していた。
そして私の番、くじを引く。どうか神様お願い!
自分の席に戻ってみんな引き終わるのを待つ。
「みんな引き終わったわね。最後にEをゲットした人は素直にみんなおめでとうって言ってあげてね?恨みは無しよ!待たせたわね、じゃあせーのっ」
私はくじを開く。くじには
「Fだった...」
かなしい、あと一つずれてればって思ったけどしょうがない。クラスのみんなほとんどは悲しんでいるけど、クラスで二人めちゃめちゃ喜んでいる人がいた。
「...っ!やったーーー!!!Eだああ!!!」
「え?香奈もなの?わたしもよ!」
「やったよおおー!麻耶ちゃん!私泣きそうぅー!」
2人はすごく喜んでいた。うらやましいなぁ...
ちょっと悔しいけど仕方ない。
でもあと一人は誰なんだろう?
「それで、あと一人は誰ー?」
みんな探すけど手をあげたりしない。するとレイちゃんが
「自分でも驚きを隠せないんだけど...どうやら私みたい...」
レイちゃんは自分が引いてしまってびっくりしてるみたい、レイちゃんおめでとう。
でも、このくじによってお疲れ様会であんなことが起こるなんて私は思いもしなかった...
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