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第2話 知らない天井だ

これから不定期更新ですががんばります

目が覚めるとそこは知らない天井だった。


「知らない天井だ...ってえ?」


冷静に考えよう。上体を起こして部屋を見渡した。明らかに違う、というかここは...


「病院?」


病院?なんで?昨日はただ寝ただけだったのに、ラノベの展開だと普通トラックにひかれて死んじゃって目が覚めたら知らない天井だってなるじゃん。そんなことより


「ここはどこ?私はだれ?状態になってる、病院だしナースコールしてみるか」


ベットの受話器を取ろうとしたとき、バーンという音を出してドアが開いた。すると看護師は目を見開いて、手に持っていたお盆を床に落とした。


「前川様、起きたのですね!体調は大丈夫ですか?痛いところとかありませんか?遠慮せずに言ってくださいね!」


急接近してきた、何も理解が追い付いていない。それでも分かっていることは超美人ってことだな。黒髪ロングで整った顔、アイドルレベルできれいだ。それにしても近すぎないか?キスしそうな近さだぞ。万年ボッチ、女子と話したことがなかった僕は固まってしまった。


「......だいじょうぶでsy...」


噛んでしまった。はずい。なんか看護師の顔赤くなってるんですけど...


「前川様が起きたこと、院長と前川様のお母さまに急いで連絡してきますので少々待ってくださいね!」


そう言うとものすごい勢いで部屋から出ていった。


しばらくして、ドタバタと近づいてくるのを感じてドアが壊れる勢いで開いた。院長っぽい白衣を着たお姉さんがベットの隣に座って、さっきの看護師は隣に立っていた。なんか涙目になってるんですけど


「この日本大学病院の院長をしています深江玲子(ふかえ れいこ)です。お母様も直に到着なさるでしょう。前川様が入院されてから私たちは毎日心配してました。だって1週間も目を覚まさなかったのですよ?死にそうな思いでした...。でも今こうやって前川様が目を覚まして生きていることに私共は感動しています」


院長と看護師は泣き出した。なんで泣いちゃった?とりあえず慰めないと...


「看病してくれてありがとうございました。心配しないでください。僕は今生きているので大丈夫ですよ」


慰めになっているかわからないけど、フォローしないと。


「そんなもったいない言葉...ありがとうございます。そんなに男性に優しくされたことないので優しくしないでください。惚れちゃいます...」


最後の方小声で聞こえなかったな。それにしてもすごい見つめてくる、頬も赤くなってるし、目はとろんと垂れている。二人とも美人なのに陰キャでぼっちの僕には目を合わせることができないよ。


「淳ちゃん!大丈夫?」


スーツを着た女性がいきなり病室に入ってきてそう言った。


「よかった!無事で、本当に...。私もし淳ちゃんがいなくなったらって考えると...うわああーん」


僕の胸に飛び込んできて泣き出した。どうしようもなくてただ固まっていた。黒髪からいいにおいする。ああぼっちの弊害が...なにもできない。


スーツの女性は泣き止むと顔をあげて


「ごめん!淳ちゃんいきなりこんなことして。」


「大丈夫ですよ、落ち着いてくれてよかったです」


「え?なんで敬語...」


いったい何が大丈夫なのかわからないが、大丈夫と言っておいた。起きて知らない天井だし、いきなり美人に囲まれて泣き出すしわからないことだらけなので院長に聞いてみた。


「あの院長、質問なんですけど」


「玲子でいいわよ、何?」


「では玲子さん、この人は誰ですか?」


そうするとまたスーツの女性は泣きだした。


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