第19話 放課後1
物語が進むと考えることが多くなって投稿頻度が減ってしまいますね...。
クラス全員の自己紹介も終わって、僕は帰ろうとしたとき後ろから声をかけられる。
「前川君さっきはごめんね?それと今日は一緒に学校に遅刻してごめんね?でもちょっと楽しかったかも、えへへ」
微笑んでいる彼女の名前は岸このみ。僕と一緒に朝学校まで行ってくれた子である。本当にありがたい。
岸さんの隣には帰りのホームルームの前に話し合ってた二人がいた。1人目はさっき僕が困ってるところを助けてくれた相沢麗さん。僕の予想通り彼女は学級委員だった。もう一人は大人しそうな小柄な女の子加藤瑠偉さんだ。寡黙な子なのかな?
「うん、大丈夫だよ!僕も少し楽しかったよ!」
「そう?良かったー!遅刻させちゃって怒られるかとおもって、テスト中もそのことばっかり、ずっと考えてて不安だったの...」
「だからテスト終わった瞬間にこのみは私のところに泣きついてきたもんねー」
「レイちゃん、それは言わないでよぉ」
「このみちゃん...かわいい...」
加藤さんが覗き込むようにして僕に話しかけてくる。
「でも、前川君今までとほんとに別人みたい...。すごくやさしい...」
「ルイの言う通りだね。前川君優しくて、こうやって話せるの嬉しいね」
「前川君とこうやって話せるの私もうれしいな。前まで丁寧語じゃないといけなくて、少し離れてるように感じてたの。ほんとにこれでいい?」
岸さんが僕に確認してくる。もちろん、いいとも!
「うん!その方が僕もうれしい!」
3人に笑顔を見せる。
「「「ぐはっ!」」」
「岸さん大丈夫?それに相沢さんに、加藤さんも」
「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ!」
「そんなかっこいい顔でそんな笑顔見せないでくれ。顔が変になっちゃうから...」
「...むり、鼻血出そう...」
岸さんはあたふたしている。相沢さんは小声でよく聞こえなかったけど...。
加藤さん!鼻血出てるよ、ティッシュ!
「加藤さん、鼻血出てる!はい、これ、ティッシュ!」
僕はカバンの中からティッシュを取り出して、加藤さんに手渡す。
「あ、ああぁ、うわああああああああ!!!!!」
「ルイちゃんしっかりして!」
「ルイ、言葉になってないぞ!しっかりして!」
加藤さんはいきなり叫びだした。鼻血は止まらない。
なんかごめん。僕はあまり優しくしない方がいいのかな...。
しばらくしたら加藤さんも落ち着いた。
「さっきは取り乱してごめんなさい。ティッシュありがとう」
「いいよ、ぜんぶあげるから使って?」
「...これは私へのプレゼントなのか、レイ」
「わかんないけど...プレゼントなんじゃないかな?」
「...家宝にしましゅ...」
僕もそんなプレゼントって気持ちでティッシュあげてないからね!
あと加藤さん、僕からもらったティッシュ家宝にしないで!
「3人ともごめん、僕は家に帰ってから明日の勉強をしないといけないから、早く帰らないと」
明日と明後日の勉強は何にもしてないよ。早く帰って勉強しないと!
「ごめんね、止めちゃって。前川君お話ししてくれてありがとう!でも、試験範囲とか大丈夫なのかな?1週間ぐらい入院してたし、あれでしょ?記憶喪失だから、ぜんぶ覚えてないでしょ?」
岸さんが僕のことを気遣ってくれる。それは本当に助かる!
「ごめん、何も知らない。できれば教えてほしいかな...。」
僕は断られないか少し不安になる。でも3人は
「もちろん、教えてあげるよ!ね、レイちゃんとルイちゃん!」
「そうだね、私もノートとか見せるよ、学校に残って勉強してから帰る予定だったし、明日のテストの教科は全部持ってきてるよ。」
「私も手伝いたいけどこのみちゃんとレイちゃんがいたら、教えることないかも...」
「そんなことないよ!ルイちゃんも一緒に勉強してから帰ろ?」
「うん、わかったー」
加藤さんもしぶしぶ一緒に勉強することになった。でもすこし眠たそう。
快く受けてくれる3人に感謝した。
「3人ともありがとう!でもごめん、このあと家で勉強するつもりだったから。全部、家に教科書あるんだ。それを取ってきてもいい?」
「いいよ、でも、もしよかったら私のを使ってもいいよ...」
「ありがとう!でも、岸さんの成績下がっちゃったら悪いし、取ってくるよ、ありがとう!」
「はうっ!」
後ろに倒れそうになる岸さんを相沢さんが受け止める。
「このみ!気持ちはわかるけど倒れないで!」
明日の分の教科全部家だな...。一回取りに帰るか。
「じゃあ、僕は家から教科書取ってくるからちょっと待っててね、またあとで!」
「うん、でも気を付けてね?帰り道とか分かる?」
岸さんが僕に聞いてくる。
そういえば、急いできたから帰り道とかわかんないや。というよりどうやって帰ろう?
「...分からないです...。」
「じゃあ、職員室に行って親に連絡してもらって、車で迎えに来てもらったら?」
相沢さんにそう勧められる。
「僕のお母さん働いてるし、これだけのために呼ぶの迷惑かかると思う...。」
「じゃあ私の教科書いっしょに使いましょ!」
岸さんが元気に身を乗り出して僕に言ってきた。思わず僕は一歩下がる。
「岸さんのお言葉に甘えます...。本当にありがとう。で、でも、できるだけ迷惑かけないようにするね」
「別に迷惑かけてもいいのにな...」
岸さんは頬を膨らませて僕のことを見る。そんなかわいい顔で僕を見ないでくれ...。
読んでくれてありがとうございます。
ブックマーク登録、ポイント評価よろしくお願いします。




