表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/29

第17話 お礼が言いたくて

ラノベって書くの難しいです...。

数学のテストはそれなりにできた気がしている。次は英語、その次は理科だ。英語と理科に関してはほとんどノータッチだからたぶんできない。昨日は勘で数学と国語と社会の勉強しかしてないから、仕方ないけどやっぱり点数が低くなるのは嫌だな。


それよりも嫌だったのは休み時間に周りでひそひそと女子たちが集まってること。時々僕のことを見ながら話している。ひそひそと話さないでくれぇ、陰口なら僕のいないところで言ってくれよー!

僕は周りのことを気にせずにまだ得意な英語を教科書を使って確認していた。

付け焼き刃かもしれないけどやらないよりはましだと思う。




今日の試験が終わった。英語は付け焼き刃で勉強したものの、ほとんど何も分からなかった。理科は何も勉強できなかったからほとんど無回答で提出。仕方ないとはいえ悲しかった...。


今朝(けさ)の彼女にお礼言わないとな)


僕は目当ての女子を探す。その女子は教室の一番前の(はじ)にいた。3人で話し合っている。テストがあまりできなかったのか、その彼女はしょんぼりしていた。


陰キャでコミュ障の僕に女子に話しかけるという無茶ぶり、きつすぎる。

でも彼女のおかげでテストを受けることができたから、しっかりとお礼を言わないと...。でも女子たちのグループにいきなり話しかけに行くのはやっぱり怖いな...


僕は話しかけに行く。


「あの...」


黒髪ロングのクール系女子が僕に対応する。


「どうしました?前川様?」


首を傾けて丁寧に聞いてくれる。僕は茶髪のミディアムヘアの子を指しながら言う。


「すいません、そちらの彼女に用事があって、今朝は学校まで一緒に行ってくれてありがとうございました。あなたがいなかったら僕は今日のテスト受けれてなかったです。ほんとうに、ありがとうございます...用事は以上なので失礼します...」


陰キャとコミュ障は隠せなかったけど、丁寧にお礼は言えたと思う。

僕は足早(あしばや)に自分の席に戻ろうとすると...


「ちょっと待ってください。前川様!本当にごめんなさい。結局間に合わなくて...。これでもし前川様の成績が悪くなってたらって思うと、えっと、本当にごめんなさい...。」


茶髪の子が土下座している。

土下座なんかしたら、注目されるからやめて!


「ね、お願い土下座なんてしないで?謝ることなんてないよ!むしろ僕は感謝してる。本当にありがとう!ね、だから顔を上げて?」


僕はしゃがんで、彼女の目を見つめて言う。

彼女は顔を上げて、不思議そうに聞く。


「前川様、どうしたのですか?どこか体調でも悪いのですか?今朝も道に迷ってるって言ってて良く分からないです。それに1週間ぐらい休んでいましたけど、何かあったのですか?なんでそんなに優しいんですか?前川様どうしちゃったんですか?」


クラスメイト達は僕たちに注目している。

そっか、クラスメイト達は僕が記憶喪失になっていることをまだ知らないんだ。


「えっと、それは...。」


僕が言おうとすると、担任が教室に入ってくる。


「帰りのホームルーム始めるから席についてー」


みんな自分の席に座る。僕も一番後ろの一番左、窓側の席に座る。


「えっと、まずは連絡事項ね。明日もテストだから遅刻せずに来るように、特に岸さんよろしくね。」


「はーい、気を付けまーす」


あの子岸さんって名前なんだ。


「前川様も遅れないようにお願いします」


担任の先生なのに僕に丁寧語使うのおかしいと思う。

あと前川様って呼ぶのやめてほしい。

距離があるように感じるからやだな。


今はいいかと思って返事する。


「わかりました」


クラス全員がざわついている。なんか変な事でも言ったかな?


「みんな、静かに!」


そのあと先生から事務連絡とかいろいろあって、最後に


「何か質問ある人いますか?なければこれで帰りのホームルームは終わります。って言おうとしたけどみんな気になるよね」


僕以外のクラス全員がうなずく。もしかして...


先生が僕の方を向いて


「先生も気になっていたんですけど、前川様今までどうなさっていたのですか?1週間も休んで、何も連絡ないし私たち心配してました。何かあったのですか?でも、しゃべりたくなかったら大丈夫です、ね?みんな。」


「はい、前川様が話したくなかったら話さなくていいと思います」

「私は前川様がこのクラスにまた帰ってきてくれるだけでうれしいのです。これ以上何も望みませんわ」

「でも、前川様が口調とか態度が変わったのとかは少し気になるー。めちゃくちゃ優しくて丁寧になっててびっくりしちゃった!」

「それは気になることだけど前川様が言いたくないかもだから、言っちゃだめでしょ!気を付けてよ!」

「はーい、ごめんなさい」


やっぱり僕のことだよね。前までは口調や態度はダメダメだったし女子に対してひどい扱いしてたもんね。今だってこうやって前川様ってクラス全員が呼んでるから、そう呼ばせていたんだろうな。

前川淳司君、ひどいやつだ。


だんだんと教室が静まってきて、先生が切り出す


「前川様良かったら何があったか話してもらえますか?」


みんな黙って僕のことを見る。少し緊張する。

僕は席を立って話し出す。

読んでくれてありがとうございます。

ぜひポイント評価、ブックマーク登録などよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ