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第14話 明日から期末試験らしい

15時に投稿する予定でしたけど、遅れちゃいました。

テーブルにはもう麻衣とお母さんが座ってた。今日の晩御飯は刺身の盛り合わせみたいだ。


「淳ちゃんが退院した祝いに、出前で刺身を注文してみたの?淳ちゃん、刺身でよかったかな?」


「うん、僕の大好物だよ」


「よかったぁ。淳ちゃんの好きな食べ物分かんなかったから安心したぁ。」


お母さんがほっとしている。刺身なんて本当に久しぶりで、元の世界だったら僕の誕生日に回転寿司に行くぐらいだったから。


僕は誕生日席に座って、みんなで手を合わせた。

「「「いただきます!」」」


「淳ちゃん!退院おめでと!」

「お兄ちゃん、おめでとう!」


「うん、ありがと」


お母さんと麻衣の笑顔に僕も応える。僕は少し気になってたことを聞くことにした。


「今日は日曜日だけど、もしかして明日は学校?」


もう夏休みになってるのかな。夏休みだといいなぁ。


「そうよー。でもね、淳ちゃんは驚くかもしれないけど、明日から期末試験なのよ...。でも淳ちゃん安心して?淳ちゃんがもし良くない成績を取ってきてもそれはしょうがないの。お母さんも怒らないから、気にしないで?」


え...。えええええええ!!!!明日から期末なのぉ?!!そんなの聞いてないよ!のんびりと片付けしてる場合じゃなかった!ご飯食べたら勉強しないと!


「でも、極力いい点とれるように頑張るね。」


「でも淳ちゃん、夜更かしは禁止よ?」


ギクッ!徹夜で勉強しようとしてました、お母さんの勘はするどいなぁ...。


「...わかったよ。」



僕は本当は学校に行きたくない。

またいじめられたりしないかな、裏切られたりしないかな。そういう過去の嫌な思い出が彷彿する。期末試験なんてどうでもいい。それよりもそういうことの方が不安だった。


「お兄ちゃん、どうしたの?なんか暗いよ?」


麻衣が僕の様子に気づく。


「なんでもないよ。大丈夫!さあて、ご飯食べたら勉強しないと!」


僕は無理して明るく取り繕う。空元気なのは丸見えかも。


「そっか、悩みごととかあったらお兄ちゃんなんでも言ってね?」


麻衣も深くは追及しない。お母さんも


「そうよ。何があってもお母さんは淳ちゃんの味方だからね!不安な事とかあったら相談してね?」


「私もお兄ちゃんの味方!」


「ありがとう、お母さん、麻衣」


学校に行くのは怖い。でも今まで行ってた学校じゃない。いじめられて嫌な思いをした学校じゃない。だからきっと大丈夫!お母さんと麻衣もいる。嫌なことがあったらその時考えよう。

僕はそう思い込んだ。


ご飯を食べて自室に戻る。そういえば玲子さんにメールしておこう。


玲子さんへ


入院していた間ありがとうございました!

僕明日から期末試験みたいで、今日から三日間メールできないです。

ごめんなさい。

期末試験終わった後に、またメールします!


前川淳司


メールし終わったし、この携帯は封印だな。

僕は携帯を掃除の時に見つけた金庫の中に封印した。テスト期間触らないようにするためにね。

お風呂までの間ガチ勉強してた。


ーーーー


私たちは今重要な家族会議を始めている、議題はもちろん淳ちゃん。

淳ちゃんに気付かれないように麻衣と小声で話し始める。


「ママ、私明日からお兄ちゃんのことが心配...。」


「それは私もよ...。」


だって


「淳ちゃんが優しすぎるのよ!あまりに天使だわ!こんな天使が女子だらけの教室に入ったら帰ってこられなくなる!まるで一匹の子犬がライオンの群れの中に行くようなものよ!クラス全員乙女になっちゃう!」


つい熱くなっちゃった。淳ちゃん優しいから他の女に()られちゃう!


「ママ、静かに!たしかにその通りだけど、今お兄ちゃん今勉強してるんだから」


淳ちゃん、大声出しちゃってごめん。


「ごめんね、麻衣。でも緊急事態だわ!今までは淳ちゃんが性格が良くなかったから女子は寄ってこなかったけど、明日から多分淳ちゃんにモテ期が来る。淳ちゃん、盗られちゃうよ!」


「そうだね、お兄ちゃんは優しすぎるもんね。クラス淳ちゃん以外女の子しかいないし不安...。」


「とりあえず、様子を見てから必要だったら男性警護隊を雇いましょう!というか明日その申請書、市役所に取ってから帰ってくる!」


「ママ、お願い!」


淳ちゃんは消極的だから、私はいつでも淳ちゃんの男性警護隊を雇えるようにはしておかないと。

この議題も重要だったけど、次の議題に移らないと


「麻衣、これだけは譲れない。私から淳ちゃんとデートさせて!」


「お母さんでもそれは許せないよ!お兄ちゃんとデートするのは私から!」


こればかりはいくら妹と言えども、譲れない!大人げないとか関係ない!淳ちゃんとデートしてたくさんの思い出を作るのは私からなの!


麻衣との激しい口論が始まって結局どちらも折れることはなかった。

だから結局...


「わかったわ、麻衣が譲る気がないのね。だったら正々堂々じゃんけんよ!」


「ママ、恨みっこなしね!」


「せーのっ」


「「最初はグー!じゃんけん、ポイ!」」


私はグー、麻衣はパーを出す。負けた...。くやしい...


「やったあー!お兄ちゃんとデート!デート!デート!楽しみー!」


麻衣が跳んで喜んでいる。

仕方ない、麻衣の後にいっぱい淳ちゃんと遊ぶんだから!

私はお風呂の準備をしに行った。

読んでくれてありがとうございます。

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