第13話 帰宅してお片付け
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「淳ちゃん、家についたよ!」
病院からだいたい車で15分くらいで家に帰ってきた。
家は普通の一軒家だ。でもこの間まで住んでたアパートと比べるときれいだし豪華だ。
「淳ちゃんは覚えてる?私たちの家」
「ごめんね、覚えてない」
「気にしなくていいのよ、これから時間をかけて思い出していきましょ!」
覚えていないというか、知らないんだよな。でもお母さんの気遣いを僕は裏切らないようにしないと!
お母さんが鍵を開けて、お母さんと麻衣が先に家に入る。
「「ただいまー」」
僕も後から続けて
「...ただいま」
この家に来たのは初めてだけど、ただいまって言った。
「「おかえり!淳ちゃん(お兄ちゃん)!」」
お母さんと麻衣が同時に言ってくれた。
今までは帰ってきても誰もいなくておかえりって言ってくれる人がいなかった。でも今こうやって迎えてくれる家族がいる、それだけで嬉しかった。
麻衣に僕の部屋の場所を教えてもらった。二階に僕の部屋と麻衣の部屋とお母さんの寝室がある。僕の部屋は「クソババアとゴミは入室禁止」って書いてある張り紙がドアに貼ってあった。きっとお母さんと麻衣のことだと思う。
僕はこの張り紙を破り捨てた。
ムカつくからビリビリにして破いた。
僕もいじめられてた時、クラスメイトにクソ淳司は教室に入ってくんなって言われてすごく悲しかったから、思わず紙を破ってしまった。
その光景を見た麻衣は
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
「麻衣、今まで暴言とか僕に吐かれてなかった?つらい思いしなかった?」
「ううん、大丈夫だよ。でもお兄ちゃんと最近はあんまり話さなかったなってぐらいだよ。その張り紙も普通のことだったし気にしてないよ。」
麻衣は無理したような笑顔を見せる。
お母さんも麻衣も一人の人間だ。こんなクソババアとゴミって書かれていて気にしないなんて絶対嘘だ!
「麻衣、これからはいっぱい話そう?今までつらかったし悲しかったと思う。でも麻衣のこと大事にするから!優しくするから!だから...えっと...。」
こういう時になんで優しく慰めることができないんだ!
麻衣をフォローできないなんて、やっぱり僕は所詮コミュ障なんだな。
そんな僕に麻衣は優しく抱きつく。
「お兄ちゃん、ありがとう...。麻衣はお兄ちゃんがいてくれるだけで幸せなの。お兄ちゃんが世界で一番好きなの。今慰めてもらって私はすんごくうれしいよ!ほんとにありがとう。だから気にしないでね。」
麻衣は泣いている。この時麻衣を大事にしたいって強く思った。
麻衣とは別れて自室に入る。部屋の中には大量の漫画、ゲーム機とかが散らかってた。正直すごく汚かったからまずは掃除をすることにした。お母さんも麻衣もこの部屋にずっと入れてもらったことはないんだろう。ゴミとかも散らかっているし。食べ終わったカップ麺とかもあるよ...。
そうして部屋がきれいになるまで片付けて、部屋がきれいさっぱり!
片付けをした後は気持ちいいな
ゴミ袋2つにパンパンの量のゴミがある部屋でよくいままで生活できていたなぁと感心した。
片付けが終わったのは赤い夕陽も見えるころ、だいたい5時くらいだった。片付けに5時間ぐらいかかっちゃったよ。片付けで疲れたから勉強机につく。
「あぁーつかれたー。少し休憩しよっと」
そう言えば、今まで全然落ち着いてなかったから考えてなかったけど、僕の本当のお母さん大丈夫かな?心配してるだろうな...。元の世界へ帰れるか分かんないけど、お母さんに会いたいな。今の家族も好きだけどね。帰り方とか分かんないし、お母さんにはごめんだけど、ちょっと出かけてくるね。そう心の中で思った。実際にお母さんには伝わらないかもしれないけど、それでもよかった。元の世界のお母さんに伝わってるような気がしたから。
「淳ちゃん!晩御飯できたよー!リビングにおいでー!」
お母さんが呼んでくれる。みんなで食べるご飯なんて久しぶりだなー。
「今行くー」
急いで階段を下りる。今日の晩御飯はなにかな?
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