第10話 淳ちゃんが記憶喪失と診断されました
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「淳ちゃん!なんで!私はあなたのお母さんなのよぉぉー、うわああーん」
淳ちゃんが私のことを忘れてしまったみたい。悲しくて仕方なかった。今までつらかったのに、また悲しい思いをさせるの?なんで...神様ひどいよ...
「前川様、この方はお母さまですよ」
院長もフォローしてくれる。淳ちゃんは驚いた顔をしている。
「ごめんなさい、こんなにきれいな人知らないです」
私は悲しかった、淳ちゃんほんとに私のこと覚えてないのね。でもいまこんなにきれいな人って私のこと言った?気のせいかも、幻聴だったかも...。私ついに頭もおかしくなったのね。
院長が真剣な眼差しで告げる。
「お母さま、もしかしたら前川淳司様は記憶喪失の可能性があります。そのほか脳や体に異常がないか調べますので少し待合室の方でお待ちください」
「淳ちゃんが記憶喪失...うそ...」
記憶喪失と言われたとき、頭の中が真っ白になって、淳ちゃんとの思い出が無くなって、もう泣くことができなくなった。
夕方になって院長からしっかりと伝えられた。記憶喪失であると。
淳ちゃんの中から私は消えてしまったのね、と自覚したくなかったけど、一番つらいのは淳ちゃんだからって思ってもう泣かない!でも心配なの。だから
「そうなの?淳ちゃん?」
と本人にもう一回聞いてみる。
「ごめん、自分のこと以外何も思い出せないんだ」
淳ちゃんが謝ってくる。一番つらいのは淳ちゃんなのに...。
「謝らないで、淳ちゃんが生きているだけで私は幸せなのよ」
そう、慰めた。
淳ちゃんは意を決して私と目を合わせた。
「今は何も思い出せないけれど、これからお母さんとたくさん思い出作りたいな!」
淳ちゃんが不安そうに私のことを見ている。
なんてかわいいの
ていうか、
「今お母さんって言った??今まで、おいとかお前とかで呼んでたのに、うれしい!またお母さんとよろしくね。たくさんいっぱい思い出作ろうね!」
淳ちゃんがまた私のことを呼んでくれた。ママって小さい時は呼んでくれてたけど、お母さんって久しぶりに私のことを言ってくれた。今は1週間前の淳ちゃんとは違う、何も知らない淳ちゃん。でも、お母さんって呼んでくれる淳ちゃんがとてもうれしくて、自然と笑顔がこぼれる。
私は嫌な母親だ。今の淳ちゃんが優しくて、頑張って慰めようとしてくれてうれしいの。
淳ちゃんが記憶喪失になってよかったかもって思っちゃった。
最低な母親、お母さん失格だ。
淳ちゃんもつらいのにね。でも今の淳ちゃんがめちゃくちゃかわいいの。天使みたいに優しいの。夢みたいなの。私は淳ちゃんが反抗期になってからも精一杯育ててきたし、愛していた。今はその何倍も好き、私好みの性格の淳ちゃんになってくれた。顔はめっちゃイケメンなのにそんな不安そうな顔しないで...。かわいくて抱きしめちゃいそう...。
淳ちゃんは言った、これからたくさん思い出作りたいと。私もいっぱい淳ちゃんとデートしたいし、麻衣と一緒に旅行にも行きたい。母親とデートはおかしいって?そんなの関係ない!
だって私はこんなに淳ちゃんを愛しているから。
淳ちゃんが不慣れな笑顔で
「よろしくね、お母さん!」
なんや、この天使...。可愛すぎるやろ...
私は鼻血を出してしまった。
今の笑顔反則だよ...
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