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二度目のカミングアウト

短いですけれどもこれで終わりです。

次回作はノクターンノベルスで、本日発表予定です。

「こんな恋もあってもいいかな?」です。

18才以上の方、よろしくお願いいたします。

「海浜公園駅」をおりて、数分歩くと海浜公園に着いた。


駅からほど近いところに大きな公園がある。俺たちは入園して、ブラブラ歩き始めた。


芝生、小高い丘、海が見えるビューポイント、松林、大きな池、

東屋、軽食が食べれる店舗、カップルがブラブラ過ごすには実にいいところだ。


まあ、お年寄りが散歩してたりするし、ジョギングする男女もいる。


でも、目につくのは、イチャラブカップル。

ベンチに座って、べたべたしている。

くそっ、うらやましいなあっ。

俺なんて、そんなデートはできないよなー。


「私たちも、デートしてるカップルに見えるんだろうね。」


不意に琴音が発言する。

おおっ、そうだ。他人から見ればそうだよな。

それにしても、琴音のやつ、どう見ても可愛い女子高生だ。

ホントにデート気分になっちゃう。

なんか、手を繋ぎたくなっちゃうよ。

ああ、こいつがほんとの女だったらなー。

ちきしょう。


「あのさ、私の秘密聴いてくれる?」

歩きながら、琴音は俺の顔を見上げて、何か企んでいるようないたずらっ子のような

顔で尋ねた。


「えっ、また?

うう、いいけど。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


琴音です。

今は、武と、私の行動範囲の地域にある恋人たちのメッカ「海浜公園」に来て、ブラブラしてます。


そして、ついに2度目のカミングアウトをすることにしました。

「私の秘密聴いてくれる?」というと、

武はかなり動揺した顔になります。

また、何か驚くべきことを知らされるのか?勘弁してくれというような顔でした。


「あ、ベンチが空いてる。一緒に座ろう。

ゆっくりお話しするね。


あのさ、私の胸、膨らんでるでしょ。どう思う?」


「そりゃ、ブラしてるからだろ。ブラになにか詰め物はいってるんだろ?」


「実はそうじゃないんだ。おっぱい、ホントに膨らんでるの。

Bカップのおっぱいなんだ。」


「ええっ、そんなの変だろ。学校に行くときは胸なんかないぞ。というか、琴音は男じゃないか?

一緒に立小便、学校のトイレでしてるじゃないか?

どういうことだ?」


「はは、確かに男性だよ。ちゃんと男のしるしついているし、おしっこもそこから出している。

でもね、中学3年生の後半から、性転換のための治療を始めたんだ。ホルモン治療だよ。

で、体型が少しずつかわってきてる。

顔も体つきも女の子風になってきた。肌はきれいになるし、柔らかくなった。

おっぱいも出てきたんだ。数か月前からね。学校に行くときは、ナベシャツって言って、おっぱいを

抑えるサポーターみたいなタンクトップを着て、押さえてぺったんこにしてた。

黙っていてごめん。」


「ええっ、性転換?まじか?」俺は何度驚いているんだろう?


「女になるのか?じゃあ、学校どうするんだ?このままだと、体の変化が続いて、男子で

登校するの無理じゃねえの?」


「それは、学校と話がついてる。

9月に学校が再開したら、私、女子の制服で学校に行くよ。

LGBTを支援するために、学校が認めてくれたんだ。

全校生徒には学校が説明してくれる。」


「本当か?そこまで手を回してたのか?

クラスメイトに変な目で見られるかも。大丈夫か?」


「うーん、もう割り切った。それに、同じクラスには武がいるから、守ってくれるよね。

頼りにしてるよ。」


「ええーっ、おいおい、俺はそういう役割なのか?」


武は、目を瞑って、頭を抱えた。

私が近くにいたら、彼女はできないかもしれない。

性転換をめざしている美少女風の生徒と一緒にいたら、彼女なんかできないだろう。

自分で、美少女というのはおこがましいけど、けっこう可愛い方だと思う。

まあ、武に彼女ができる可能性は低かったから、いいんじゃないだろうか?


「あ、トイレとか着替えとか体育はどうするんだ?」


「トイレは教師用使う。女子トイレでいいって。着替えも女性職員用のを立ち合いのもとに使えるって。体育は女子といっしょかな?

体育くらいなら、女子から苦情は出ないと学校側は予想してるみたい。」


「性転換って、手術するのか?」


「手術は18才になってからだから、高校3年の夏休みにやっちゃうつもり。それで、大学は早めに推薦をもらっちゃう。だから一生懸命勉強するよ!あ、戸籍は20才にならないと変更できないから、大学にはいってからだね。」


「うわーっ、完全に女になるんだな。戸籍を変えるなら、結婚もできる・・・のか?」


「ふふふ、そういうこと・・・

まあ、結婚できるかわかんないけど・・・」


「本格的だ・・・

それにしても、そのおっぱい、ホンモノなのか?

信じられない!

武は嬉しいような、怪しむような微妙な表情で、私の胸を見る。

ちょっとエッチな目だ。


でも、私は明るい声をだして、武の左腕に腕を絡め、おっぱいを押し付ける。

「本物だよー。柔らかいよー。ふふふ。」


「おいっ、よせっ。」と恥ずかしそうにする武。

でも、腕を振りほどくようなことはしない。


「そっかー。色々大変だなー。まあ、親友だから、フォローせざるを得ないな。

一緒にいると、関係が怪しいと言われちゃうんだろうな。

二人はできてるんじゃないか?なんて。」


「うん、言われちゃうだろうね。

ごめんね。」

私はちょっと悪いことをしたような気分になった。

可哀そうかな?


「よし、もうこうしちゃおう。

琴音、俺の彼女になってくれ。

そうすれば、すっきりだ。

男だとか、親友だとか思おうとするから、困るんであって、

彼女になってもらえば、問題は解決する。

どうだ?」


「ええっ、何言ってるの?

武はノーマルでしょ。私なんか彼女になんかしていいの?」


私は今さらだが、武のことを心配した。

それに、武のことをからかうつもりでいたが、彼氏になってもらおうなんて

思ったことはない。

だって、大体男性を恋愛対象に考えたことがない。


「いや、ずーっと琴音が女の子っぽくなって気になっていた。

もし、ただの女装だったら、こんなこと言わなかったけど、

性転換するんだろ?じゃあ本物の女の子になるんじゃないか?

それなら、琴音のことを好きになれる。

俺と付き合ってくれ。」


「えっ、そんな?

どうして、何で・・・」


私は、知らない間に涙が出てきていた。

男性を恋愛対象と考えていなかったはずなのに。

武のスケベ心をもてあそぶだけだったのに。

好きだって言われてしまった。どうしよう?


しばらく黙ってしまう私。

そんな私の肩を優しく抱く武。


5分たっただろうか?10分たっただろうか?

私はベンチから立ち上がる。


そして、武の手を掴み、

ベンチの裏側の樹木が密集した木陰に武を連れて行った。


「返事はこれっ。」

私は武の目の前で目を瞑り、身長158センチの私より18センチ高い武の顔を見上げた。

キスを待つポーズだ。


「わかった。」

武はそういうと優しく私の唇にキスをした。


私は目をあけて

「これからよろしくね。彼氏君!」

明るく、声をかける。


「ああ。」

私は武と付き合うことを選んだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



武です。

ああ、やっちまった。

男にキスしてしまった。

男を彼女にしてしまった。

もう後戻りできない。

後の祭りだ。


だって、琴音は可愛い。

俺の学校での立ち位置を考えると、このレベルの女の子と付き合える可能性はゼロに近い。

だったら、琴音を彼女にするしかない。

性転換して、戸籍も変えるんだから、いいよな。問題なし。

おっぱいも本物だし。


ああ、これから大変だな。

ニューハーフの彼氏と言われるんだろうな。


でも、いいや。

これで、モヤモヤした気分がすっきりした。

これからは、琴音といっぱいイチャイチャするぞ。

キスしたり、抱きしめたり、それからそれから・・・


まあ、いいや。彼女ができた。

これからの高校生活楽しくなりそうだ。

毎日一緒に通学しよう。

嫌なことがあっても、二人で乗り切ろう。



「琴音、大好きだ。」


「ありがと。私も大好き・・・」


俺たちは抱き合った。ちっちゃい男だと思ってたけど、

女の子としてはちょうどいいサイズだ。

うん、抱き心地いい。

よし、高校生活充実させるぞ。



最後まで読んでいただいた皆様。ありがとうございました。




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