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夏休みに学校に行く

武です。


親友の琴音との関係が変になっちまった。

高校になって、2カ月たったら、女のカッコで俺の家に遊びに来るようになった。


もともと可愛い男だったから、女装が似合う。似合い過ぎる。

というか女の子にしか見えない。

しかも、すごく可愛い女の子になっちゃっている。


おかげで、毎日ドキドキしている。


長い髪の毛がさらさらしていい匂いがするだけで、ちょっと戸惑うのに、

おっぱいがふくらんでいたり、ミニスカから、足が伸びてたりして、

すごく女を感じてしまう。

同じ部屋にいると、時々抱きしめたくなっちまう。


でも、中身は男なんだよな。

困ったな。


変な事をしたら、ホモになっちまう。


俺は、同性愛者じゃないんだ。


どんなに可愛いといっても、男に変なことはできない。


それに、琴音も別に男性が好きで女装してるわけじゃないって言ってた。

可愛いかっこしたくて女装してるって話だった。


そうだ、好きな女の子を作って、告白して、彼女をつくろう!

いや、そりゃ無理だ。当てがない。


今通っている高校には

琴音の女装姿より可愛い女の子ってほとんどいないと思うし、

いても、とても口説ける気がしない。

俺、モテないもん。


とにかく、ドキドキしているうちに、夏休みに入った。


そしたら、琴音から提案があった。


「あのね、ちょっと武にお願いがあるんだ。

私、この間、うちの高校のOGであるお姉ちゃんから高校時代の制服借りたんだ。

制服着て学校に行ってみたいんだけど、つきあってくれない?

女子生徒として、学校内で過ごしたくなっちゃった。

夏休み中なら、目立たないでしょ?

補修とかない日を選んでいきたいんだ。

ね、お願い。」


「ええっ?

学校行くの?

制服着て行くのか?

うーん…

まあ、クラスのみんながいない日時を選んで行くなら・・・、まっ、いいかな?

でも、もし会っちまったらどうするんだ。

誰?って訊かれるぞ。」


「そしたら、9月から編入する転校生って言うから。」


「ええっ?

じゃあ、俺との関係はどう説明するんだ?」


「うーん、親同士が友だちとか、ありがちな理由でいいじゃない。」


「よく考えてるな・・・そうか・・・

ううっ、わかった。

付き合うよ。」


俺は、琴音のおねだりに弱い。

クラスメイトに会いたくないけど、行くことにするか。



当日、学校に行くために、最寄りの駅で、琴音と待ち合わせた。


琴音がやってきた。

うちの学校の制服で、上が白いブラウスに白いベスト、リボンをつけてる。

そしてチェック柄の可愛いプリーツスカート・・・

ええっ?!スカートが短いっ!

うちのクラスで一番短いギャル系の菅原すがわら木坂きさかと同じくらいの短さだ。


「うわっ、お姉さんの制服ってそんなにスカート短かったんだ。すげーな。」


「お姉ちゃん、ギャル系だったからね。」


「大丈夫か?パンツ見えそうにならないか?」


「そんなに短くはないよ。駅の階段やエスカレーターでも全然大丈夫。

ちゃんと計算された長さなんだ。

お姉ちゃんが言ってた。

この間、お姉ちゃんと外出して、試してみたし、大丈夫。

保険として、スパッツも履いてるから、万一風とかでめくれても平気だよ。」


「なら、いいか、ふーっ。

でも、心配しちゃうよ。

全くの知らない女の子なら喜んじゃう長さだけど、

知り合いだと、不安になるな。」


「ふふふ、スカートの中身は恋人にしか見せないよ。」


「何言ってるんだ。よくわかんないぞ。」


俺は、俺の部屋にミニスカートで来て、スカートの中を覗いてもいいよと言ったことを

思い出した。

まるで、俺が恋人みたいじゃないか!

そんなこと言われると、動揺する。

俺ってからかわれてるのか?


電車に乗って、学校に向かう。

ううっ、これは憧れていた男女交際通学。

制服同士のフレッシュカップルだ。

見た目だけだけど。

本当は男同志。

喜んでいいのか?


でも、琴音は全然女の子っぽい声だし、周りの人は高校生制服カップルとしか

思えないだろう。


学校につくと、俺たちは教室に向かう。


幸いにして、教室で勉強してるやつとかいなかった。

部活連中はグラウンドや体育館、武道場だ。


「うわーっ、この教室にこのかっこで来るなんて、新鮮。

天気もいいし。来てよかった。」


琴音はいつもの自分の席についてご機嫌だ。


「ねえねえ、写真撮って。」

琴音はコンパクトデジカメを出してきた。

スマホで十分なのに、写真が好きなんだな。


俺は、いろいろな角度から撮ってやる。

笑顔が溢れていて可愛い。


「武も一緒に撮ろうよ。ちっちゃい三脚もあるから、ちゃんと二人で撮れるよ。

自撮りだと、教室の景色写んないからね。」


「えーっ、俺も写るの?」


俺は、不満そうに言ったが、実は嬉しかった。

可愛い女の子と並んで写真撮るのはいい。

ついに彼女ができたみたいな気分だ。


教室のいろんなところで一緒に写真を撮る。


「ふーっ、満足。ちょっと暑くなったから、ベスト脱いじゃおう。」


琴音は着ていたベストを脱いで、ブラウスだけになる。


俺は、そのとき目を丸くする。

背中越しに水色のブラが透けていた。


(ブラが透けてる!ベストを着なくても、うちの学校の夏用のブラウスは透けないような

生地になってるはずだ。それに、普通の女子生徒は念には念をいれて、タンクトップとか着て、ブラが透けないようにしているのに、変態だ。)


「おいっ、下着が透けてるぞ。」俺は指摘してしまう。


「ふふふ、やっぱり気づくよね。このブラウス、学校指定のものじゃないんだ。

お姉ちゃんが彼氏とデートするとき用に使ってたんだって。

ドキドキさせるためにね。

透けてると男の子、嬉しいでしょ?

あ、お姉ちゃんは彼氏の部屋とか、カラオケに行って、二人きりになったときに、

ベストを脱いで、見せたみたい。」


「お、俺は彼氏じゃないぞ。」

俺は、真っ赤になってしまう。

でも、ブラが透けてるって、すごくエッチだ。

何となく見てしまう。

こいつ、男なんだけどな。


まあ、しばらくして、琴音はベストを再び着用する。

「サービス時間終わりね。これで外は歩けないもん。」


「当たり前だ。」


俺たちは、学校を出て、電車に乗った。


「まだ、夕方まで時間あるから、海浜公園に行かない?」


「えっ?別にいいけど。」


そう、俺たちの家がある駅と学校がある駅の中間地点には、海沿いにある公園「海浜公園」があり、

けっこうカップルや家族連れが集まる。

俺も、幼い頃にはよく行ったけど、最近は行ってない。

彼女が出来たら行こうかな?なんて思ったけど、

まさか、女装した男と一緒に行くとは思わなかった。


俺たちは趣味の話をしつつ、電車の中をすごす。

本物の女の子と違って、話題に困らないのがいい。

談笑しているうちに、目的の駅に到着した。

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