僅かな希望
正直ここまでとは思わなかった。
丹精込めて作った世界。私が創造神として独立し、初めて作った世界。ちょっと寝坊して出だしミスったけど、こんなんなる普通??
マナは枯れかけ、魂は汚れ、星々が崩れてる。
正真正銘まさしく死の世界。
本来は命の輝きに満ちた美しい世界が目の前にあるはずなのに…
絶望ってこのことなんだって初めて知った。
神という存在は人々の信仰があってこそ存在できる。管理する世界からの信仰の力が強ければ強いほど強大な力を発揮し、逆に信仰が無いとその存在を保てなくなる。つまりそれは神が死ぬと言う事だ。
神として生まれ、優しい両親の元何不自由なく育ち、ムカつく上司に媚びへつらいながら下積み時代を過ごして…そしてやっと!やっと独立できたのに。もはや新しい世界を創造する力は残っていない。積んだ。
『ははっ…終わった…あっけないな人生って……ヒグッ…やだぁー…まだ死にだぐない…お゛がぁーさーん…』
それから暫く経ってひとしきり泣いたら今度は何かムカついてきた。ちょっと寝坊した位ですーぐ滅びやがって!そりゃあね!他の神はチマチマチマチマ世界が滅びないように、信仰を無くさないようにやれ勇者に神託を渡したり、大地に加護を与えたりしてますよ。えーえー偉いですねー!私が悪ーございしたー!でもね!言わせて貰えるなら私ぁそこそこ神連中の中でも名の知れた存在な訳ですよ!天才って呼ばれてるんですよ!最年少創造神なワケよ!その天才がもう一部のミスも無く計算され尽くした調合で作り上げた世界がこんな脆い?どう考えてもおかしいでしょ?
『ふざけんらよぉ~このボケがぁ~…ヒック』
酒を片手に滅びないようにゆく我が世界を壁に投げつけようとしたその時、自分の手の中の、世界の片隅に淡く光る命の輝きが目に入った。
『んん?…これは…』
それは弱く、吹いてしまえば今にも消えてしまいそうな命の光。
『ニーヴェルンちゃん延命チャンス☆キターーーー(゜∀゜)ーーーー!!』
リアル仕事の関係で更新が不定期です。すみません。、