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魔力増量計画

一週間続きを書きたい欲を抑えながら現実世界で頑張ってました。やはりここは桃源郷でした。次話投稿が遅れてしまって申し訳ないです。走り書きになってしまったんでミスがあると思うんですが我慢できないので投稿させていただきます。


本編の内容なんですが次かもうちょっと先に主人公の魔眼が覚醒します。もうすこしお待ちください。

 ついに魔法を使うという夢を叶えたオルル。昨日にあったトラブルに反省しつつも、次に使う魔法に思いを馳せる。前回のように失敗しないように部屋に影響の無い魔法を使いたいのだが、そうなると次に使う魔法の属性も絞られてくる。

 先ず、水の魔法は水を出すまではいいのだが出した水を排除する場所がないので使うことができない。同様に、土魔法も土の排除の仕方がわからないので使えない。火魔法は魔力の供給を止めれば消えてくれそうなので、壁や床を燃やさない限りは部屋に害がないのでいいのだが、オルルが魔力を消費することも目的としている以上、魔法の使用量も多くなってくる。そのため、火魔法をオルルが居る部屋で使い続けると酸素が減っていき、不完全燃焼による一酸化炭素の発生に繋がり、一酸化炭素中毒で死んでしまう可能性があるのでこれもまた鍛錬には向かない。

 残るは、風、闇、光の三属性の魔法のみとなる。水魔法は難なく使用できたので、たまたま適正があったのだろうが、この三属性に適正があるのかがわからない。なので、一度試しに各属性の初級魔法を調べてみることにした。

 入門書に書いてある風魔法の初級魔法は「微風」だ。その名の通り、微弱な風を吹かせるだけのあまり需要の無い魔法なのだが、初心者用のものなので仕方がないのだろう。闇と光の魔法は適正を持っている人が珍しいので記載されている魔法も一つずつしかない。光の初級魔法の名前は「灯り」。光魔法に適性を持っている人が少なく、火魔法に同じ役割を果たす「燈火」があるため、「灯り」を使う人は少ないが使用できるのなら旅人には重宝される優秀な魔法だ。最後に、闇属性の初級魔法は「影」。この魔法は使うと使用者の存在感が薄くなるという、なんとも微妙な効果だが、熟練の闇魔法使いともなると目の前にいるのに認識し難くなるらしい。

 この三つの魔法から選ぶわけだが、光魔法に関してもウィリアムやエリシアに発見されると困るので消去法により、風か闇魔法の二択となる。

 


 二つの魔法に絞ったまではいいが適性がなくては元も子もないので、物は試しにと使ってみることにした。オルルとしては将来的に役立つ見込みのある「影」の魔法を会得したいのだが、双方ともに初級魔法なので最悪、魔力を消費できればいいとも考えていた。

 先ずは一つ目に風魔法の「微風」を使ってみる。詠唱することはできないが、その呪文を頭の中で唱える。


(風よ、我が意思の下、此処に吹け。--微風)


 頭の中でイメージを固め、呪文を黙読すると手の先から風が吹き始める。本に書いてあるほど微弱でもないのだが、それはオルルの魔力制御次第でもあるので置いておくとする。部屋を汚す心配もなく、魔力制御によって魔力の消費量も調整できるので便利そうである。

 次に使う魔法は「影」だ。早速本に記載されてる魔法の特徴を捉え、頭の中で呪文と共にイメージする。


(闇よ、我に安寧を与えよ。ーー影)


 オルルの魔力が消費され魔法が発動した瞬間、オルルの身体を薄い影のようなものが包み込む。自分では存在感が薄くなったのかは分からないが、発動の瞬間に魔法を視認できたので成功したのだろう。この魔法は発動している間、常時魔力を消費するのではなく、使用時に消費した魔力で一定時間効果が持続するようだ。

 とりあえずは。三つの魔法属性に適性があったことに喜ぶオルル。

 これから魔法の訓練に使う魔法を考えるのだがやはり、将来的にも役立つであろう「影」で特訓を行いたいという気持ちが強かったので、それを中心に魔法の訓練をすることに決める。たまに風の魔法も使えば二つの属性になれることもできるだろう。そして、数か月のうちに四つん這いになり、歩き回ることが出来るようになればウィリアムが持っているだろう他の本も盗み読むこともできるとオルルは考えていた。


 



 魔法による訓練を始めてから四カ月、オルルは闇魔法と風魔法を同時に使いこなしていた。

 「影」を自分へと使用しつつ、指先からは風魔法の「微風」を放出している。魔法に慣れる事と魔力の消費を目的とした簡単な鍛錬のはずだったのだが、簡単すぎるが故に、非効率的で退屈な反復作業に痺れを切らしてしまったオルルの暴走による結果がこれであった。もちろんのこと、序盤は闇魔法のみで練習をしていて、十数回も使ってしまえば魔力が枯渇するので気絶するように眠っては起きて魔法を使うといったことを繰り返していた。だが、時間を持て余している赤子がそれをやると日に数度は反復できてしまう。なので、一日に増える魔力の総量もそれ相応のものとなってくる。ここで問題なのが魔力が増えると魔力が枯渇するまでの魔法使用回数も比例して増えてくるのだ。そして、「影」の魔法は一度使うと一定時間効果が持続する。時間がかかる割に魔力消費が少ないので効率が良くないのだ。否、本来の用途を考えればとても効率的なのだが、オルルの訓練には相性が悪いのだろう。

 悩んだオルルが最初に試したのが、一回の魔法に込める魔力を増やすことだった。魔力を大量に込めることで「影」の効果も高まり、訓練も順調に進むかと思われた。しかし、やはり根本的な問題の解決にはなっていなかったのだ。魔力の総量が増えるとどうしても効果時間がネックとなってしまう。そこで次にオルルが試したのが魔法の重ね掛けだった。そこまでしないでも「微風」を使えば解決する問題だったのだが、意地を張ったオルルは止まらない。「影」の重ね掛けは結果的に成功した。その効果も強まり、魔力の消費も増えた。大成功と言ってもいい結果である。ここでまた魔力を消費しきれなくなってきたのなら、一回の魔力消費量を増やし、尚且つ、重ね掛けすればよいのだから。この時、オルルは知らなかったのだが一定時間効果がある魔法は任意のタイミングで効果を切ることが出来る。ただ、魔法初心者であり、師匠もいないオルルはそれに気づくことができなかった。しかし、そのおかげでより効率的に魔力を消費する方法を編み出したので本望だろう。

 それからというもの、細かい工夫により訓練の幅が広がることに喜びを覚えてしまったオルルはギャンブルに嵌ってしまった人のように効率を求め始める。そして、行き着いた先が魔法の同時使用であった。

 数か月の特訓により魔力は夥しいほどに増え魔法の熟練度も高くなってきた。重ね掛けなどを用いても一日の内に魔力を消費し辛くなってきたところで思い浮かんだのが魔法の並行使用だった。初めは闇魔法を使っている間に風魔法を出そうと意識を向けることすらままならなかったオルルだが、風魔法にも慣れるため二カ月間もの間、「微風」のみに集中し、意識せずとも使えるようになるまで練習した。両方の魔法を熟練者さあなあがらに扱えるまでになったオルルは並行使用に見事成功する。水魔法以外は全て、失敗することもなくすんなりと使えたオルルが、数週間の鍛錬の上ようやく結果を出せたのだ、思わず大声を出してしまいウィリアムとエリシアに酷く心配された。

 そんなこんなで魔力増量計画がある程度、安定してきた頃、同時にオルルはハイハイができるようになっていた。

 さて、いざウィリアムの書斎へ出陣である。



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