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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

嘘つきたちは今日も元気です。

作者: 朝比奈 江

エイプリルフールだから、書こうと思ったら1日すぎちゃいました(笑)


ものすごく短い短編が3つ入った作品です。


⚠︎注意⚠︎

2番目の作品にBLの表現があります。苦手な方は避けてください。すみません。

【夕焼けに染まる君】


「私ね、もうすぐ死ぬの」

二人きりの教室で帰り支度をしながら、まるで週末の予定を聞くように僕の恋人は言った。


「...ばか、やめろよ。エイプリルフールだろ」

今日は4月1日。部活終わりで、たまたま学校へ来ていた僕と彼女。あまり、そういう冗談は言わないと思っていたからすこしびっくりする。

「うん、ごめんね」

と、優しく微笑んだ。


夕日に染まったオレンジの教室。

制服のズボンのポケットに入っている携帯が、規則正しい通知音で電話が来ていることを知らせてくれる。

友達からの着信だったため、彼女に一言入れてから電話に出ることにした。


「もしもし?」


オレンジに染まった彼女の口が、少し動いた気がした。でも、何を言ったのかまでは分からなかった。





『エイプリルフールって、嘘をついていいのは午前中だけなんだよ』





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【木漏れ日の彼は嘘を愛する。】



「ねぇ、好きだよ」

人気(ひとけ)のない音楽室に教材を運ぶ雑用を任されていた俺とクラスの委員長。

急に、その委員長から告白された。

「は?いやいや、何言ってんだよ」

委員長は、美形で頭も良くてそれに、真面目に学校に来ない俺にも普通に接してくれる。

だから、断るのがもったいなくらいの人だ。

「だってお前男だろ!」


17年間生きてきて、初めて男に告白されました。


(ユキ)、今日はエイプリルフールだよ」

ニヤッと笑う顔は、音楽室から漏れる木漏れ日に照らされてイケメン度がさらに増していた。


「はぁ...(マコト)それはタチが悪ぃよ...」

「幸はすぐ騙されるからな、騙しがいがある」

悪そうな顔で笑いながら、腕に付けていた時計を見た。

「ほら、もうとっくに12時を過ぎてる。早く戻らないと昼ごはん食べる時間なくなるよ」


真が音楽室の鍵を閉めている時に、ふと教室にいたクラスメイトが言っていた言葉を思い出した。


「そういや、さっきクラスの奴が言ってたんだけどさ、嘘をついていいのって午前中だけらしいぞ」


「.....知ってるよ」

ガチャりと、音楽室の鍵がかかる音が静かな廊下に響いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【散りゆく桜とひみつの教室】



「妊娠したの...」

今日は、エイプリルフール。親友の沙織(サオリ)にちょっとしたイタズラを仕掛けてみた。

「それ...本当なの?」


引っかかってるのか、嘘に気づいてノッてくれているのかは分からないけどちょっとこのままいこうと思う。

「この前、病院で調べてきたの。祐二(ユウジ)にはまだ言えなくて...」

俯いて、お腹を抑えてみる。

チラッと沙織の顔を見てみると、口を抑えて驚きを隠せていない。

どうやら、引っかかってくれたみたい。

この辺でネタばらしかな...


「沙織、実はね」

陽花(ヒナカ)!実は私も、妊娠してるの...」

おお、まだ続けるのね。


「相手は?」

「.....叶井(カナイ)先生」

叶井先生は、顔はいいのに怖くて真面目な鉄仮面教師で知られている。

叶井先生をドッキリに使うとは沙織も結構やるなぁ。


「.....卒業したら結婚しようって言われてるんだけど、そのこと誰にも言えなくて...」

今にも泣きそうな声で言ってきた。


「エイプリルフールの嘘に叶井先生を使うなんて、沙織も結構やるなぁ〜」

どこまで続くのか分からなくなったから、ここでネタばらし!


「沙織...?」

「あ、えぇと、そ、そうでしょ?」

「本当だよー、信じちゃったもん」

締め切られていた教室がなんだか、暑苦しくて私は窓を思いっきり開ける。

「そっか、嘘なんだよね...」

「当たり前でしょ?」


窓の外には、散りかけの桜がたたずんでいる。

その花びらが教室へと入りこんできた。

「エイプリルフールだもんね」

【夕焼けに染まる君】の僕の電話の相手は【木漏れ日の彼は嘘を愛する。】の幸です。時間軸は、【夕焼けに染まる君】の方があとなので喋ってる内容は...

皆さんのご想像にお任せします(笑)

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