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鬼のエンジ  作者: 白紙 真白郎
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 プロローグ

鬼のエンジは魔物の国「ダーバルン」で生まれた。この国は魔物によって統治されている国だが暮らしている魔物たちは様々な種族の者がいる。悪魔や蛇の頭を持った蛇人、犬や猫、牛の頭をもった魔物、土や石でできたゴーレム、主に水辺で生活する魚人など挙げ始めたらキリがないほど様々な者がいる。皆が皆、違った姿形をしているので魔物の国の魔物たちは互いに種族を理由に差別をしたり偏見をもったりすることが少ない。


エンジもその中の「鬼」という種族の出である。鬼たちは見てくれは人間に近い者もいるが彼らはダーバルンの中ではトップクラスの実力を保有する種族である。魔法を使える者は少ないが彼らは皆、怪力の持ち主であり一度暴れだしたら手が付けられないほど好戦的であった。


エンジはそんな鬼のなかでも随一の実力者であった。しかし鬼の中では異端の傾向があり、彼を裏で罵る鬼もいた。その理由は彼の見た目にあった。彼以外の鬼の肌は赤に近い色をしているがエンジの肌の色は青であった。また角についても、彼以外は真っすぐ上に伸びるものであったがエンジの角はぐにゃりと前に突き出たもので眼球は黒く中心が赤みを帯びていた。


その見た目のため、鬼以外の種族はともかく同族からはよく見られなかった。しかし魔物の国ダーバルンの王には気にいられたので彼は王直属の配下となった。またエンジも自身を取り立ててくれた王のため身を粉にして尽くすつもりであった。


このころダーバルン国内では反王政派の活動が活発であり王政は取り締まりを強化していたが国外にも注意を向けることを迫られた。


二度と我ら魔物に矛を向けまい、と考えていた人間たちの中に盛んに魔物を排除しようとする一派が現れたためである。人間の国はこの勢力は日に日に増えていると考え無視できる存在ではなくなると予想していた。


この「魔物は殺し、人間だけの世界をつくる」という思想は魔物にとってみれば危険な思想だがダーバルンの大半の魔物は「人間などたかが知れる」としか考えていない。魔物と人間との間には身体能力の差が大きく、とてもではないが魔物を打ち倒せる人間など数少ないからである。


しかし人間たちはいつまでも数百年前のままではない、知恵を増やし技術を磨き新たな武器を生み出していた。数百年前には存在しなかった火薬を用いた武器を人間たちは持ち始めた。


エンジは国内外の危険を取り除くにはどうすればよいか思案し始めた。

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