はっぱ ひらひら!
あきのきせつ。
お昼のこうえんで、さとるくんはお母さんときていました。
ぴゅうっと風がふくたびに、茶色いはっぱがおどります。それはまるで、いきもののようでした。
「あ、はっぱだ! つかまえてみせるぞ!」
さとるくんは、はっぱをおいかけます。
ぴゅうっ。
ひらひら。
さとるくんは、ブランコのほうへとおいかけます。
ぴゅうっ。
ひらひら。
さとるくんは、ジャングルジムのほうへとおいかけます。
ぴゅうっ。
ひらひら。
さとるくんは、シーソーのほうへとおいかけます。
ぴゅうっ。
ひらひら。
「なかなかつかまらない。ううん。ぜったいに、つかまえるぞお」
その時です。
ぴゅううううううううう。
とてもつよいかぜが、こうえんをふきぬけました。
そこで、はっぱが消えてしまいます。
「あれれ? あのはっぱ、どこいったんだろう?」
「さとるくん」
近くにあるいてきた、さとるくんのお母さんが、さとるくんこえをかけます。
「あ! お母さん! ねえ、お母さん、はっぱ、どこかにいっちゃった」
「きっと、風になったのよ。お昼にしましょう」
「うん!」
さとるくんは、お母さんと手をつなぎ、家に帰りました。
こうえんで、はっぱがおどっていることに気づかずに。
ぴゅうっ。
ひらひら。
ぴゅうっ。
ひらひら。