表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/48

告白

 サオリさん宅訪問の日が、三日後の日曜日、昼の十二時と決まった。お父さんの仕事が休みで、サオリさんもペットショップを休めるという。

 その日からオレは夜勤である。


 日曜日の朝。

 畑でトマトの実を収穫した。訪問の際に、手土産として持参するのである。

「ワシもミケに……」

 ノラが自分もお土産をとやってきた。

「オマエも?」

「ああ、オヤツだ」

 畑で捕まえたというトカゲ二匹を見せ、トマトの袋に一緒に入れてくれと言う。

 もちろん即座に断った。


 昼前。

 自転車を押して向かう。

 ノラに道案内をさせ、約束の五分前、サオリさん宅に着いた。神社の近くだと聞いていたが、紅葉狩りのときに見た銀杏の樹が見上げる位置にある。

「来たよー」

 どこやらミケの声がして、それからすぐに門の内からサオリさんの笑顔がのぞいた。

「お待ちしていました、こちらです」

 手招きされて敷地に踏み入る。

 わざわざ出迎えてくれたのだろう、ご両親が玄関の前でそろって待っていた。


 この日は弟さんもいて、五人は昼食をはさんで長いこと談笑した。

 お互いの家族のこと、仕事のこと、畑のこと、倉庫の件……など、なごやかな雰囲気のなか、話題は尽きることがなかった。

 結局、三時近くまでお邪魔する。

 帰りの別れぎわ。

 道路まで見送ってくれたサオリさんを前に、自分でも信じられない言葉が口から飛び出した。

「ボクと、おつき合いしていただけませんか?」

「えっ?」

 サオリさんの表情がかたまった。

 返事はない。

 ふられたのだと思った。

「今日はありがとうございました」

 頭を下げてから、急いで自転車に飛び乗った。

――なんであんなことを?

 心の中に閉じこめていた、サオリさんへの思いが一気にあふれ出したのだろうか。

 自分でもわからない。


 家に帰り着いたところで、サオリさんからメールが届く。

『本当にびっくりしてしまいました。突然のことで返事ができず、申しわけありませんでした。おつき合いのこと、わたしからもお願いします』

――やったあ!

 オレは天にも昇るほどうれしかった。

『ありがとうございます』

 すぐに返事を返す。

「おい、やったぞ!」

 いっときも早く教えたくてノラを探した。

 けれど、どこにもいない。

――あっ!

 やっと気がついた。

 ノラはサオリさんのところである。

 あのとき頭が混乱していて、ノラを置き去りにしてきたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ