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ポコぽこポン!  作者: いぐあな
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七月前半某日之事_____閑話

お読みいただきありがとうございます。


閑話、書き上がりました。

「なあ、ぽこちゃん。」

「なにー、おにーちゃん。」

「それ、何しとるんや?」


「くわがたとってるー。」

近所の雑木林の入り口辺りの倒木と格闘しているぽこちゃんの勇姿発見。


「へー、こんなところにクワガタおるんかー。」

近所なのに知らんかった。実際のところ、カブト虫なら腐る程いるのは知っていたのだが時期としてはもう少し後。

夏休みはカブト虫の時期であり、クワガタは隠れキャラ的な存在なのだ。


「なんぼか取れたんか?」

「うーん、3匹くらい?」


何が取れたのかすげえ気になるのは 俺が永遠の少年だからだろうか?

「へぇ!ちょっと見せて?」

「あー、食べてもうた。」


「食ったあ!?」

俺のイメージではクワガタは食材では無かったはずなんだが……。

知らないだけでクワガタ料理とかあったとか? 中国じゃタガメとか食うらしいし あるのかも。

でも、もし あったとしてもあんまり食いたくねえなあ。


「あ、またあった。」

「どれ?」

よく見ると幼虫だ。

「そんなんカブト虫も変わらんやん。」

「違うで! カブト虫のは土臭いねん。クワガタはクリーミーやねん。」


カブト虫の幼虫も二〜三匹出て来ていたが、たしかに はらわたが泥の色をしている。

今捕獲されたクワガタの幼虫は腹が黄色っぽいのだ。


「あげへんで。」


いりません。



「お、居ったで? ほれ。」

「あー、これ違う。ゾウムシやー。あんま美味しくない。」

……正直言ってどれも同じに見える訳ですが……。


まあ良いや、こんな事してる場合じゃ無い。もう行こう。

「じゃあなーぽこちゃん、俺もう行くわ。」

「え? どこ行くん?」


「んー? 内緒ー。良いところやー。じゃ、ぽこちゃんまたなー!」

別に良くもなんともない。行き先は単なるホームセンターである。


家庭菜園に植える夏野菜の苗を買ってこようかと思ってるだけだ。

最近、徒歩で行く事が出来る位置にホームセンターがオープンしたのだ。


「ちょっととおいなー!」

真後ろから聞き慣れた声……振り返るとぽこちゃんが着いて来ていた。

「なんや、ぽこちゃん。着いて来てたんか?」

「うん。良いところなんやろー。早よ行こー。」


いや、確かに歩いては来れるが子供にはキツかろう距離だ。

案の定ちょっとヘタってる。

仕方ないので入り口の自販機コーナーでジュースを飲みながら小一時間休憩を取る。

「わ〜、ありがとー。」



胡瓜と茄子、オバケ胡瓜、トマト、スイカ……こんなもんか。


ぽこちゃんを背負ぶってぶらぶら帰る。


大分 日が長くなったなあ。

朝ぽこちゃんに会った辺りで降ろしてとせがまれる。


見ていると樹々を登る蝉の幼虫を獲っている。

「美味しいんか、それ?」

何となく答えは分かってるが、一応聞く。


「脱皮前に動いてるのはクリーミーやで。」

「そうかー。」



お楽しみのおやつを随分悩んでから分ける ような風に言う。

「…………一個だけ上げよか?」



気持ちだけ頂こう。

「要らんから、どうぞお食べ。」


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