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ポコぽこポン!  作者: いぐあな
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十一月十三日之事_____三十七話目

お読みいただきありがとうございます。



寝ぼけて更新遅れました。ごめんなさい。


がらん!がらん!がらん!


パン!パン!


『羽瀬の郷 龍神池に鎮座在します蛟神みずちがみ 此和歌このわかめの子 威真若いまわか初袴はつばかまの儀の祝いをご報告に上がりました。』


くれ縁からこんな声が聞こえてきた。

「は〜い、ただいま〜!」

と、大急ぎでぽことクズの葉が出て行く。

こう言う取次や雑務は神使の仕事なんだそうだ。


今は神使が2人しかいないので補助で付喪神のたぬき組ときつね組が頑張っているのだが、所詮 繰り上がりの付喪神なのであまり役に立ってないのだそうだ。

狛犬なんかも普通は神使が務め、その延長で取次などをこなしてくれるそうなんだが 人材不足でどうにもならない。


居間に行くと、さっき壺鈴鳴らして挨拶していた 此和歌このわかさんと言う 近所の池の浮島の祠の龍神様が居た。

傍には威真若いまわかという可愛らしい男の子がちょこんと座っている。

「これは主人殿あるじどのご機嫌麗しゅう。」

「ようこそ。稚日わかひは今買い物に出てるのでもうしばらく待ってて下さいね。」


龍神というのは基本的にとても気位が高く、階位その他の格にとても煩い、というか敏感なのだ。

普通なら人間の俺に口なんか利いたりしない。

俺の場合、稚日わかひとすずの婚約者と言う扱いになっているらしいのでそれで相手をしてくれているのだ。

あと、此和歌さんが蛟神という龍神の中では最下位階という事情もあるのだ。

龍神様と言うと尻尾の先まで自己顕示欲たっぷりなたてがみ、精魂 たくましい顎髭あごひげ、かくも立派な角、珠を掴む爪の鋭い手足、こんなイメージだろうが、蛟神にはそれらが全て無い。

要は巨大な蛇の姿なのだ。

でもちゃんと龍神様だから蛇扱いとかめっちゃ怒る。


もう一つ裏事情。此和歌このわかさんの旦那さん、…………人間だって。

うっかり言うと惚気のろけられて大変だから言わない、聞かない、気にしない。


お茶はクズの葉が淹れて出している。

流石にぽこにはまだちょっとお茶汲みは難しい。

その代わり羊羹を人数分切って出すのをしていた。


皿の数に ぽことクズの葉の分もあるのはご愛嬌である。

その内覚えるだろう、と生暖かく見守っている。


「ただ今〜!」「……ただいま。」

稚日わかひとすずが買い物から帰って参りました。

「お帰りー。此和歌このわかさんと威真若いまわかくん来てるよ。」


「あ、いらっしゃいませ、お待たせして申し訳ありません。」

「……こんにちは、いらっしゃいませ。」


「いえ、此方こそお邪魔致しております。」

「わかひるめさま、こんにちは。」


「本日はどうされたのですか?」

「実は初袴のご報告にと参詣させていただきました。我が息にこれまでの無事の祝いとこれからの成長を言祝いで頂ければと思いまして。」

「それは重畳。されば早速。すずも相伴を。」「はい。」


こうして奥の間で七五三の儀式が執り行われています。


七五三は子供の成長を喜ぶ儀式。

農耕民族の式祭典なのでお宮参りと同じく秋の収穫が終わったこの時期のイベントである。


男女共通の数え三つのオムツが取れた頃の 初帯はつおび

男の子の数え五つの 以後は半人前ながらも男扱いをされる初袴はつばかま

女の子が数え七つで 以後形式的に女扱いされ始める 帯替おびかえ


これらは地域によって解釈や祝いの内容がかなり違うが共通するのは子供の成長を祝う点である。

昔は『数え七つは神のうち』と言われ、いつ神に戻ってもおかしくない、とされていた。

その難しい時期を一歩一歩乗り越える度に心から喜び祝う、ある意味とても日本人らしい式典なのだ。


でも、俺はそういうのは関わらない、と決めてるのでわざわざ見に行ったりはしません。

ただ、俺以外の存在が皆行ってるのでちょっとだけ寂しいです。


ズズー。 「ふう。」茶が美味い。


どうやら終わったらしく、こちらに戻って来ました。

「本日は誠にありがとうございました。」「ありがとうございました。」

「いえいえ、こちらこそ無事、神の勤めを果たす事が出来ました。感謝致します。」

「………わたくしも学ばせて頂きました。ありがとうございました。」

ほんわかムードです。

それは何よりなのですが、若干 自分は邪魔なのでは?と思ってしまうのもまた事実でありまして。

その辺りの気持ちを上手く消化すべく、なるべく気配を殺す事に専念します。


「ところで、此度もう一つお願いがありまして…………稚日女尊わかひるめ様並びに主人あるじ様 すずしろ様。 我が息を神使として、ゆくゆくは神として鍛えて欲しいのです。」

みんなこっち見てる………。ひょっとして、決定権者俺?

「分かりました。教育は稚日に一任します。」


早速そのまま置いて行かれた威真若いまわかの泣きそうなのを懸命に堪える姿がなんともいじらしい。

ああ、昔 皇家の御落胤の小僧さんが主役のアニメでこんなの見たなあ。


威真若いまわか………千歳飴食うか?」

「はい、いただきます。」

「頑張って早く神使になろうな。」

「はい、がんばります。」

なんか何言ってもダメな気がしたので頭を撫でた。

まあ、とりあえずこれだけは言っておく。


「今日からうちの子でもあるからな。遠慮とか気兼ねとか言うのは最低限で良いからな。」

「…………はい。」


がんばれ! 男の子!


まぁ、来年くらいに弟か妹が出来てそうだよなあ、とは思ったけど言わない。


七五三の儀式って何から何まで地域色豊か過ぎるので調べるの諦めました。


だもんで、偉そうに書いてるけど適当なでっち上げです。

ごめんなさい。

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