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ネクスト・ウォー・ジェネレーション  作者: ザウルス
入学編
8/12

捜索

異次元(いせかい)から、忌々しい怪物共(マテリアル)が地球へと渡りくる時に発生する空間の扉、タイタンズ・ゲート。


グランドフォース本部から、マテリアルが出現したと電話があり、確認の為に、全速力で向かっていった。


既に2人の怪我人が出ておるらしく、衛生兵を連れている。


本来ならば、ゲートから発生する特殊な電波を観測所の特別な機械が捕まえるはずだ。


しかし、特殊な磁場が発生する場所、特に森などでは観測することができない。方位磁針の針がぐるぐると回り使えないのと同じ原理である。


マテリアル殲滅部隊、純潔なる姫騎士達。凛音が所属する部隊だ。


今まさに、リーダーらしき人物が部下に指示していた。


リーダー「救急車両の到着は?」


部下A「はい、10分で着くとのことです!」


リーダー「わかった! 衛生兵は負傷した民間人(どうめいしゃ)の応急処置を!」


衛生兵達「了解!」


怪我人と聞いて、ある程度の救命具を所持していたが、思った以上に傷が深い。


特に、金髪よ少女が危険だ。息はしているが出血がひどく、内臓をやられているようだ。


衛生兵は止血剤を打ち、浅い傷は消毒した後縫い、包帯を巻いた。


リーダー「凛音、あなたは通報者の安全確保を。私はマテリアルを」


凛音「は!」


互いにジェネレーションを解放し、空を飛んで二手に分かれた。


通報者には、待機するように指示されていたそうだが、着いた時には誰もいなかった。


声紋を分析したところ、16〜20歳までの男性に当てはまるとのこと。


もしかしたら、マテリアルに追われている可能性がある。


凛音「コード0210(まるふたひとまる)」


モード、暗視(ナイトビジョン)を発動しました。


凛音の顔を覆い尽くすように、ゴーグルが出現し、目元が緑色にひかっている。


耳元にある、倍率ダイヤルを調整し、なるべく視界を広げる。


凛音「コード0211(まるふたひとひと)」


モード、赤外線(サーモグラフィー)を発動しました。


生命体は必ず熱を放つ。ダイヤルを調整すれば、対象物だけを写すことができる。


普段はマテリアルに使うことが多いが、災害救助などを行う際には瓦礫や家に閉じ込められた人を助けるのに使うこともある。


熱源を探すが、ゴーグルにはそれらしき物は映らない。例え、水の中や木の裏に隠れていても必ずうつる。


既に10分間以上探してはいるが反応がない。



凛音「まさか……」


最悪の事態が脳裏に浮かぶ。


凛音は直様、無線モードへと切り替えた。


凛音「こちら、凛音」


リーダー「どうした、通報者を見つけたのか?」


凛音「いいえ、10分以上、辺りを捜索していますが反応がありません。フェイズ5(ファイブ)の可能性があります」


フェイズ。


マテリアルの様々な行動パターンを分析し、どの様な行動を行う確率が高いか計算され割り出されたもの。


五段階ある内のフェイズ5は特に注意しなければならない。


マテリアルは餌を求めて、地球にやってくると言われている。この世界の動物同様、彼らにも肉食か草食にわかれている。


肉食タイプはそこにいる生物を全てくらいつくし、生態系を破壊してしまうため殺す必要がある。草食タイプも同様、木々を食い尽くし、砂漠化を防ぐために殺す。


そんな奴ら、特に肉食タイプが人間の味を覚えたらどうやることだろうか。


人の味を覚えたり動物は人を襲うと同様、人間をくらいつくすのだ。


痛快な思いだが、ここまで探した以上、フェイズ5の可能性が高い。


リーダー「……わかった。直ちに救援を要求する。コード0321(まるさんふたまる)の発動の許可をする」


凛音「了解しました。コード0321」


モード、武装神姫を発動しました。暗視モードと赤外線モードを解除します。


凛音の顔からゴーグルがきえ、ジェネレーションが変形し、巫女服を思わせる黒い武装へと進化した。


手には、薙刀を思わせる棒状の装置にレーザーの刃が出現していた。


これこそ、凛音が漆黒の舞姫と言われた理由である。


凛音の武装は月の光によって漆器のごとく、輝いていた。


凛音が落ち着いた様子で辺りを捜索すると、刹那ーー


キェェエエエエ!


耳をつん裂くような音が森に響く。この独特な鳴き声はマテリアルに違いない。


凛音「私が必ず、仇を討ってみせる。」


足で地面蹴るよに加速し、声の方向へ向かっていった。



*******************


凛音「なんだ、これは……」


凛音は目の前の光景に驚きを隠せなかった。


果てしなく木々が生い茂る森の中に、突然と現れた大きなクレーター。


地面はスプーンで救われたかのように、綺麗な円を描いていた。


クレーターの真ん中、最深部に凛音は着陸した。


凛音「幅40メートル、深さは20メートルといったところか。爆弾の可能性は……ないか」


適当な量の土を手で拾い、調べてみた。


鼻で嗅いだところ火薬の匂いはなく、唯の土だった。


辺りに金属破片がないか調べたが見当たらない。


凛音「マテリアルの仕業なのか……」


そもそも、爆弾ではこんな綺麗な円は描けない。


更に、これ程の規模となると、高性能爆薬が何トンも必要だ。それが、爆発すれば爆音と衝撃波で誰でも気づくはずだ。


となると、残った可能性はマテリアルによる仕業だ。


森ごと人間を食した………あり得る話だ。


地球にいる生物の中には、海水や砂ごと獲物を飲み込んで捕食する生物もいる。その場合は、エラから余分な物を吐き出したりする。特に海中生物に多く見られる。


幸いな事にクレーターはまだ新しい。近くにいる可能性がある。


再び、空を飛び追跡を開始しようとした時に凛音は発見した。


靴は泥まみれになり、制服は地で染まりボロボロになっている少年。凛音が通う学園の生徒であった。


直様、着陸し無線モードを展開した。


リーダー「凛音か。今度はどうした?」


凛音「通報者と思われる人物を発見! しかし、重傷で意識がありません!」


リーダー「いま、そちらに衛生兵を向かわした。それまで、待機せよ」


凛音「は!」


通信を遮断し、凛音はジェネレーションを解除し、応急処置を行った。


息もあり、心臓も元気に動いている。


制服には大きな穴が空いていて、穴が後ろまで貫通し、血だらけにもかかわらず、傷口は見当たらなかった。


声をかけ、安否を確かめるが返事がない


凛音「いま直ぐ、衛生兵が来るから少し我慢してくれ。」


凛音が念のためにと思い、下半身にも異常がないかと調べようとした時、爪にに硬い鉱石のような物が当たった。


よく見ると、一方のポケットだけ妙に膨らんでいた。


何だろうと思い、少年には悪いが取り出した。


凛音「こ、これは!」


出てきたのは赤く光るダイヤモンド。しかも、かなりの大きさだ。


凛音はそのダイヤモンドが何なのかを一発で見抜いていた。それ故、驚きを隠せなかった。


これは、明らかにマテリアルの心臓だ。相変わらず血生臭と炎を思わせるかのような赤。

これまで、何度回収してきたことか。


これは今まで、見てきた中でかなりの大きさだ。しかも、原型をとどめていた。


真っ二つに切断したり粉々にする事がやっとなのに、傷一つも付いていない。


一体、誰がこんな極芸をやって見せたのか。そして、何故それをこの少年が持っていたのか。


マテリアルを生身で倒す事なんてまずできない。死体から抜き取った。いや、それはありえない。


奴らは心臓を破壊されない限り永久に生き続ける厄介な存在なのだ。


詳しく問いただしたいところだが、少年は相変わらず目を覚まさない。


取り敢えず今は、衛生兵が来るまで少年を守る事にした。















































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