1 異世界に来て
誤字脱字もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
俺は真偽野正義≪まぎのせいぎ≫15歳、高校生になったばかりだ。
趣味はなし、強いて言うならよく本を読むがジャンルもバラバラだし暇つぶしくらいにしか読まない。
彼女と付き合った経験は1度だけそれも3日間だけだ。
親しい友人も・・・特にいない、中学時代のアイツは勝手に付きまとてきただけだし、とにかくいない。
そんな俺がこの異世界エルドラドに来ちまったのは数時間前・・・あのシンって坊ちゃんが起きてからいろいろ話を聞いたが間違いないく異世界だ。
まず、この世界の地図は坊ちゃんが砂に書いてくれたが、中央にでかい大陸が歪な菱形で存在して、その角の四つに島国が存在するものだった。
こんな大陸はうちの世界には存在しねぇ!まあ、いきなりこんなとこに飛ばされたのだから、これくらいでは驚かない。
そして最初驚いたことがこの世界には魔法が存在する。
これには本当に驚いた。
魔法があったことではない、この世界に魔法があったことに驚いた。
何でもあの坊ちゃんの国は魔法大国らしい、そのため高い魔力の人間が貴族、王族となり国を繁栄させたとか。
そして、魔力のない人間は奴隷として働かせているらしい、やだねー!
更に文化はまだ、そこまで発達していない。
いまだ馬車や人の足で旅をするらしいが、魔法のおかげで空を飛ぶ技術はあるらしい、もしかしたら一部の技術は元の世界より進んでいるかもしれない。
まあ、安心したことに異世界だからって戦争中だも野生の獣がやたら凶暴とかはなく、とりあえずの身の安全は稼げた。
砂漠のど真ん中だか不幸中の幸い、情報も手にいれたしよかった。
「さて、そんなわけでお前はどうしよう?」
「どうしようではない、何故私は縛られてるのだ!?」
「だって、お前が悪人かも知れないし、もしも俺が生きるのに厳しい世界なら身包み剥ごうかと」
「悪人は君だー!!」
怒鳴り声を上げる坊ちゃん、よくそんなに声がでるな?
砂漠でのども乾いただろうに、
「まあ、落ち着けってお坊ちゃまあんたの言うことが本当なら俺は天涯孤独の身でこの世界を生きなきゃいけない。」
「ああ、君の服装や持ち物は見たことがない、本当に異世界の住人なのだろうお気の毒に」
「ありがとう、だからお前から金銭を巻き上げても仕方ないよな?」
「いや、それはおかしいだろ!?」
ちっ!だめか。案外ちょろい坊ちゃんだからすんなりいけると思ったが、まあいい。
日陰とはいえ、ここは砂漠のど真ん中、方向も辺りの地理も不明、このままいけば干からびるしかないか。
そう思った俺はコイツを解放することにした。
「分かったよ、ほら、これで自由だ!」
「ふぅ、助かった!しかし、いきなり起きたら縛られて驚いたな!」
普通はパニックを起こしそうな経験だと思うが、この坊ちゃんは頭がゆるいのか?とりあえず仕返しの心配はなさそうだ。
「で、だ。俺はこの世界に来たばかりでお前に道案内をお願いしたい!」
「ああ、急に異世界に来たんだ。何かと不安だろう。私でよければ手を貸そう」
「即答だな、自分で言うのもなんだが縛った相手によくそんな寛容な態度をとれるな?」
「昔、父上に言われてのだ。どんな時でも困った人には手を差し伸べてやりなさいっと!」
「お前みたいな奴は中学時代に一人会ったきりだ、こっちはどうか知らないが今どき珍しいお人好しだな」
「あはははぁ!!こっちでも変わらないよ!よく私は愚かなお人好しと呼ばれるが、ここまではっきり言われるは初めてだ。」
うれしいそうに笑う。正直少し気味悪いが大切な情報源と道案内人だ。
「で、食料と水は大丈夫なのか?餓死や干からびて死ぬのはやだぜ!」
「ああ、大丈夫だ。手持ちの分でも近くある町までは余裕で行ける。実は以外に近くに町がある」
「そいつはよかった!!なら」
「そうだなぁ、集発しよう!」
こうして、俺と坊ちゃんは岩場から町を目指して歩き出した。予備の布を借りて日光を遮るが、やはり砂漠でかなり熱い。
制服も黒地なので熱が籠もる。
「おい、坊ちゃん!魔法で涼しく出来ないのか?」
「坊ちゃんではない、私にはシンと言う名前がある!あとすまないが、それは出来ないのだ」
坊ちゃん改めシンは申し訳なさそうに言う。
何か事情があるのかと思ったが、深く聞かないことにした。
「お前って本当に王子なのか?」
「ああ、本当だぞ!何故そんなことを?」
「いや、何で王子さまがこんな砂漠のど真ん中をほっつき歩いてるのかなっと思ってよ」
「それは、儀式のためだ」
「儀式?」
「そう、王を決めるための儀式だ!」
シンの話によると、現在この国の王は不在で女王が国を仕切ってるらしい。
そのため、今いる王の子達から次の王を選出しようと神剣による儀式を行う。
シンは7人いる王の子のうち4番目の子供で第三王子だから王になる資格はあるのだが、
「私は魔法が使えないのだ」
「それだと、王になれないのか?」
「ああ、神剣に選ばれた魔法に優れた者が王になる決まりだ。魔法も使えない私では無理だろう」
「なら何の為にここに?」
「この砂漠のどこかに、この世界で最初に魔法を広めまた賢者の墓があるらしい、もしかしたら魔法を使うヒントくらいはあるかと思ってな」
「藁にもすがる気持ちで来たら俺と出会ったか、それは残念!しかし、役立たずとは言え仮にも王子だろ!そんな簡単に出歩いていいのかよ?」
「なかなかひどいことを言うな、それなら大丈夫だ。誰も気にしないし気づいた所で邪魔者が消えたと思われる程度だ。」
そうか、と応えて俺は昔の自分とシンを重ねる。
そうだよな、居場所がないのは辛いよな。
安い同情は口にせずに黙々とあるいていると、喉が渇いたので水を貰おうとしたら、
「あれ、なんだ?」
「馬!こんなところに?マズイ、あれは盗賊だ!?」
「今このタイミングでか?」
異世界に来て早速!まだ、水すら飲んでないのに!いつ襲いにきるのか!今でしょ!って現実逃避して場合じゃないか。
砂漠に盗賊かもはやゲームだな、
「逃げるか?」
「無理だ!あの者たちは馬に乗ってる!逃げきれるわけがない!!」
だよな、そうしてる間に5人の粗暴な男たちに囲まれてしまった。
砂や土で汚れたマントを被り腰にはナイフや片手剣と思われる小型の剣を所持してる。
「こんな砂漠の真ん中で迷子かよ!」「チッ、男かよ!!」「まあ、待て結構な面構えだ、上手くいけば高く売れるぜ!」「とりあえず身包み剥ぐぞ!」「お前ら、大人しくしてろよ!!」
こちらに剣を突きつけてリーダーらしきが縄を持って近づいてくる。
「どうする?」
「私の身分を証しても、助かるとは思えない。最悪敵対派閥の人間に売られて殺されるな」
「あいつら魔法は?」
「いや、おそらく使えない。使えばもっとマシな生き方をするはずだ。私が囮になるから君は逃げろ!」
「何で?」
「私の身分なら囮として生け捕りされるが、君は恐らく逃げれば殺される。ならまだ生きる可能性のある私が囮になろう。」
「お前バカか?」
「ああ、よく言われるよ!」
はぁー、中学時代のアイツを思い出す。あの人懐っこい純粋無垢なお人好しの少年を、
名前の割に俺は正義の味方じゃない、俺よりこの王子さまのほうが正義の味方だよ。
魔法を使えなくて大人が5人。
それも武器を持って体も屈強な盗賊か。それでも、アイツの顔がよぎると迷いはなくなる。
「おい、おまえ達わたしは」
「邪魔だ!坊ちゃん!!どけ!」
「なあ、君!?」
自分の身分を喋ろうとするシンを後ろに倒して、俺はリーダーの男に飛びかかる。
男は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑い剣を振り上げる。こんな子供なんて簡単に殺せる。そう思っている顔だ。
「生きて捕らえたかったが仕方ねぇ!てめぇは死ね!!」
刹那、振り下ろした刃が顔に当たる瞬間、俺は男の懐に入っていた。
「なぁ?!!」
いきなり目標が消えたことに驚いた男の腹に全力の拳を叩き込む。
する男の体は軽くて、たったの一撃であり得ないほど吹き飛んだ。
映画のアクションのように20メートルは吹き飛んだ男を眺めながら俺は疑問に感じた。
(なんでこんな力があるんだ?そう言えばシンの奴を担いだ時もやけに軽かったが、もしかしてこの世界に来て俺の身体能力が上がってるのか?)
リーダーの男がやられて他の盗賊が襲ってきた。全員が刃物を片手に俺に迫るが、
「クソガキ!」「死ね!」「オラァ!」「よくも!」
全員が一斉に刃物を振り下ろす。普通なら俺は血まみれになり助からない。しかし、
「ナァ!?」「ウギャアー!!」「何で俺が!!」「イテェ-!!」
全ての刃は俺ではなく盗賊たち自分の仲間に振り下ろしていた。お互いに斬り合い困惑する男たちに俺は奇襲を仕掛ける。
盗賊だって反撃してきたが、あまりに動きが遅く感じられた。
(これは?俺が速いのか!?やっぱり身体能力が上がってる!)
それともこの世界の人間が弱いのか?そんなことを思いながら4人の急所に迷わず拳、裏拳、蹴り、膝蹴りを食らわせて気絶させる。
あまりに呆気ない結末に俺は呆然としながらも、アイツらの縄を奪い、起きないうちに縛り上げた。
「ふぅー、これで一安心」
今さら冷や汗が出てきた。ケンカならまだしも命のやり取りなど初体験だ。
「君はいったい?何者なんだ?」
「別に普通の高校生って言って分からんか、一般人だよ」
「いや、まって!あんな芸当が出来る一般人なんていないぞ!」
「まあ!それはだな。俺は魔法が使えるだよ!」
そう、衝撃的な事実を伝える。が、相手のリアクションはイマイチだ。
「おい、もっと驚いてくれよ!」
「いや、驚いたぞ!」
「そんなに驚いたようには見えないが?」
「まあ、王宮には魔法使いは大勢いるからな」
ああ!なるほど、認識の違いか。俺はコイツとの温度の違いに気づいた。
俺の世界では魔法なんて一般的にはおとぎ話や空想の物だから存在するだけで驚くが、コイツの世界では使える人間が少ないだけで別にあっても不思議じゃないんだよな。
「せっかくの魔法のお披露目も形無しだなー」
「いやいや、凄かったぞ!あんな魔法は見たことない。相手の位置を移動させる魔法か?それとも転移か?」
「そんなスゲーの使えないって、あれは誤認だ!」
「誤認?」
「俺の魔法は嘘つきの魔法『虚偽』だ。幻や誤認により相手を騙す魔法って事だよ。」
「それは、何とも悪役みたいだな」
「そこの盗賊よりはマシなほうだ。」
たく、まあそれだけじゃないけと、そこまで説明するのは面倒くさい。
「それにしても、君は魔力のも高いのだな?」
「魔力?あとその君ってのはやめろ。セイでいい!ギはつけるなよ。セイギって呼ばれんのは嫌いなんだ。」
「?、分かった。セイよ。セイの身体能力の高さは魔力によるものだろう?この世界では魔力が高いほど身体能力などが高いのだ。」
「なるほど、向こうの世界と違う法則があるのかも、まあおかげで楽に盗賊を倒せたからいいか。」
「肉体強化の魔法も使えるとは羨ましい限りだ。」
「うん?肉体強化?」
「そうであろう?でなければ魔力が高くてもあんな身体能力が上がるわけ無い。」
「いや、肉体強化なんて使えないけど?」
「なあ!?まさか、肉体強化も使わないであの身体能力だと、セイはどれだけの魔力を宿しているのだ!!」
さぁー?だか、疑問に思う。
「なあ、魔力って魔法が使えない人にもあるのか?」
「何故そんなことを?まあいい、ああいるぞ、まさに私がそうだ。魔力はあるのだか何故か魔法が使えないがおかげで砂漠を一人で旅できる程の身体能力は持ち合わせてる。」
ああ、だからこんな軽装で砂漠をほっつき歩いてるのか、まあ、身体能力が高くても武器などで斬られれば死ぬらしいかは気をつけなくては、
「さて、コイツから金も必要物なも剥いだし!!いくぞ」
「どちらが盗賊やら・・・」
シンは微妙そうな顔しながら、男たちを縛った状態で馬に乗せる。
別にほっとく死ぬからなどの善意ではなく町で引き渡せば賞金を貰えるからだ。
立場逆転、おまえ達は金に換えるぜ。
「馬も手に入れたしさっさと町に行こうぜ!シン」
「分かった。盗賊たちの仲間もいるかもしれない。先を急ごう!セイ!」
さて、色々なことが分かってきたが、これから先に何が待ち受けてるのか?
また、明日も投稿します。