表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

11 魔法学園の拠点探し

 シンは馬車で王宮の方に行ってしまったため、ヤシロともに王都での拠点を見つけるとことにした。


 ヤシロの腕にあった奴隷の証である鎖と印は魔法で完全に消して、完全に無かったことにした。


 (まあ、これで注意すれば奴隷とは思われないだろう)

 

 とは言え、魔力が少なければまた奴隷にされるかもしれないので用心するにこしたことはない。


 「シン…大丈夫かな?」

 「『偽眼』じゃ城の中まで見るのは無理だ!結界か妨害が働いている!」


 まあ、城の警備がそこまでザルなわけないか、

 とりあえずはシンは無事と信じて王都の探索をする。


 王都だけあって人が多い、中心にある城に近いほど立派な建物や屋敷があるからあそこが貴族たちの住む場所か!

 そして、それより離れた場所に平民よ住居や店が並んでる。

 全体的に西洋風だが日本風なものやアラビア風の建物ある。

 様々な違いもあり異世界ならではの景色なのだろう。


 「表向きは活気があるって豊かな場所だけど……」

 「うん、奴隷とかも多いの」


 王都の外側、恐らくはゴミ捨て場の周りにスラム街が出来ていた。

 豊かな上と違い、下にあるスラム街は貧困そのもので、かなりの貧富差がうかがえる。


 「流石にあそこは無理だな……目立たない場所を探そうか」

 「うん……」


 ヤシロも何か思うところあるのか、そちらを気にしてる。

 しかし、黙って俺の後についてくる。


 


 「ここにしよう!」


 俺が目に付けたのは例の学園からほど近い空き家の建物である。


 「空き家みたいだけど?どうするの?」

 「買う!!」

 「買う!?」

 「その方が早い、アイツの監視に最適だし下手な場所はヤシロが危険な目に合うし、ここが丁度いい!」


 街の中心から少し外れているが、治安も善さそうだし、スラム街からもある程度離れてる。

 あまり目立たないく余計なトラブルの少なさそうな場所だ。

 

 「まあ、立地的に日陰だけどそこは仕方ないか!」

 「あのー、王都の建物ってすごく高いんだよ……っそれに保証人もなしで王都に住まいを持つなんて難しんじゃ?」

 「大丈夫大丈夫!」

 「本当に?」


 何か不安そうなヤシロを横に俺は建物の管理者に会いに行く、

 紹介されたのは小太りのいかにも商人って感じのおっさんだ。


 「ようこそ、わたくしは王都商会のシモンと申します、本日はどの物件をお求めでしょうか?」

 

 俺は先ほどの建物を要求した。


 「あの日陰よりな建物を?場所的にはあまりよい場所とは言えませんが?」

 「構わない、あそこでいいんだ!」


 なるべく威圧的な態度で交渉を進める。

 ちなみに、姿は『偽装』で変えて名前も偽名を使って取引している。

 なので、目の前いるシモンには俺が貴族のような中年男性に見えてるはず、


 「お手持ちに余裕があるなら別の物件をお勧めしますが?」

 

 やっぱり、金持ちにはなるべく高い物件を紹介したがるか!

 しかし、そんな物件はいらない。

 この姿を使ったのには訳がある。


 「いや、あまり目立たない場所で静に過ごしたいんだ」

 「それは、またどうしてでしょう?」


 まあ、怪しいと思ったら人間は追求するものだ。

 俺は同じく『偽装』で姿をを別の女性にしたヤシロを見た。

 彼女は姿こそ違うがかなりの美女に変身している、


 「まあ、察して欲しいのだが!」

 「ああ!了解しました。そういったお客様もいますので、お代のほうは?」

 「一括でこの場で支払う」

 「ありがとうごさいます。すぐに用意をいたします」


 こうして、何の疑いもなくあの建物を手に入れた。


 「ねー!何でこんなに簡単に取引できたの?」

 「ああ、簡単だ!あそこを娼館と勘違いしただけだ!」

 「・・・え、娼館?」


 あ、ヤシロが絶句して固まってる。

 言わないほうが良かったかな?


 「・・・ねぇ、もしかして私・・・娼婦と勘違いされたの?」

 「あー・・・まあ姿を変えてから気にしないでくれ!」

 「そういう問題じゃないんだけど・・・」


 ヤシロが涙目でこっちを睨んでくる。

 まあ、下手に怪しまれるよりは、若い女性を連れた金持ちがいかがわしい目的で建物を買いたいと思われたほうが楽なんだが、

 とりあえず話題を変えないと、


 「それにしても思ったより安くて助かった!」

 「え?金貨1000枚だよ!」

 「いや、王都ならもっとするのかと思ったてたから!!」


 実際にその倍はするかな-、と思っていたのだが、


 「それにして、よくあんな大金持ってたね!セイ!」

 (いや、ほとんど魔法で作った偽物だけど?)


 そう『偽造』により作った金貨で取引をした。

 偽造硬貨はほとんど本物と変わらないので素人では分かるまい、


 「もちろん、まあ、最初渡した金貨の袋は本物だけど後のは全部が魔法でできた偽物だ」

 「セイ?何か言った?」

 「いや、なんでもない」


 ヤシロには言わないでおこう。

 

 さて、拠点も手に入れた。

 後は、最低限のものを買わないと、

 

 「何もないから買い物に行くか?」

 「そうだね、でもそんな大きなものは買えないね」


 2人でしかも近場に店もないので買い物はあまり出来ないと思っているらしい、


 「いや、大丈夫だ!」

 「えっ!!」


 俺は魔法『偽想空間』を発動すると、黒い穴から金貨の詰まった袋やアイリースで買った物などが出てきた。


 「きゃっ!!」

 「あ、悪い脅かせたか」

 「大丈夫…これも魔法?」

 「そうだ、多分大体のものはこの中に入るから、金も一応余裕がありそうだから、遠慮しないでいいぞ?」


 ヤシロにはこれから協力してもらう、そのためあまり普段の生活を苦痛や我慢で体調を崩すのは好ましくない。


 「分かったわ、ありがとう!セイ!」

 「どういたしまして、ヤシロ」


 笑顔で応える彼女に少しばかり心が痛んだ。


 (シンを王にするには様々なもの利用して犠牲にしないといけない………そのためなら俺はヤシロ、君も利用する)


 決して明かさない本性、

 それでも、心の中で謝罪だけする。

 

 (ごめん、ヤシロ、それでも俺は前に進む!) 


 王都を買い物する中、楽しそうなヤシロの顔が心苦しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ