9 魔法学園の道のり
勢いで書いたので、誤字脱字があるかもしれませんがご容赦下さい<(_ _)>
さて、町から王都を目指して3日目、
相変わらず荷馬車は狭く俺とヤシロはお互いに向き合う形で隠れていた。
ヤシロが昔の彼女にそっくりなこと最初は動揺したが、
この短期間で彼女がかつて中学時代に付き合っていた少女とは別人と認識できるようになり、
少しは落ち着きを取り戻した。
「あ、のど渇いたでしょ!いま水筒取り出すね!」
「あ……ちょっと……」
急に後ろを向くヤシロ、狭い中で碌に立てもしない状況で、
後ろを向かれるとお尻がこちらを向いて、
とっさに目を逸らす。
顔が赤くなるのが自覚できた。
(最後に女性と付き合ったは2年前だし、そもそもそこまで進んだ仲じゃなかった俺にこれをどうしろと!?)
所詮は3日間しか彼女がいなかったの俺は彼女の無防備さに困り果ててた。
寝るときも傍によるし(多分気温が低いために)、
何かと服か無防備だし(多分奴隷生活でその辺の意識が薄い)、
スキンシップは激しい(これは性分か、面倒見が良いためだろう)。
(でも、その辺は彼女と真逆だからかえってよかった!彼女を思い出さないですむ)
いつまで彼女の面影に振り回されていられない。
ようなくヤシロが荷物から水筒を見つけてこちらに渡す。
また、向き合うような形でいるが、だいぶ慣れた。
(それでも、致し方ないとはいえ、女性と同衾は緊張するよな!)
時間的に夜中、そろそろ寝ないといけないが、
こんな荷馬車に寝るスペースもあるはずもないため座ったまま、
ヤシロとお互いに肩を合わせて同じ毛布をかけて寝ている。
(これは、3日目だけど全然慣れね-!!!)
心で絶叫してると、ヤシロが話しかけてきた。
彼女ともこの3日でだいぶ打ち解けてきたのかな?
狭い荷馬車の中、恋人のように肩を並べる俺たち、
「ねぇ、セイはなんでシンを王にしようとするの?」
「俺の故郷は遠いから普通に帰るは無理だ!だからアイツに王になってもらいその力で帰る方法を得るためだ
「セイはどこから来たの?」
異世界、なんて言えないしなぁ、
とりあえず遠い大陸の外にあるっと説明した。
「そんなところがあるんだ!」
「まあ、あることにはあるかな?」
「私はこの国と前にいた所しか知らないから……」
ヤシロは少し暗い顔をする。
不意に昔の彼女を思い出してしまった。
寂しそうな顔をしていた彼女にどうしたらいいか分からない俺、
話題を変えるためにも話を続ける。
「前にって、どの国にいたんだ?」
「大国エルスーンの隣にあった小国よ!」
「あった?」
「そう、滅んだの……中央大陸東側の端にあったんだけど、小さいながら豊かな平和な国だったの、でも、」
「何があったんだ?」
「2年前に、謎の襲撃を受けたの……正体も人数も分からないけど、とても強い魔法使いだったみたい」
「2年前か……」
「国は焼かれ、国民はバラバラに逃げたわ、貴族や王族の人は皆殺しに、国が滅びるまで時間はかからなかった……」
「その後は?」
「私は貴族ではなかったけど、裕福な家庭だったから国外に逃げようとしたのだけど、途中で父と母が殺されて、私だけで国外にでたけど、当てもないからそのうち……」
「奴隷として、商人なんかに捕まったか……運が悪いな」
「命があっただけ運が良かったと思うべきよ」
殺された家族を思ってか涙を流すヤシロ、
でも、その涙はすぐに消える。
「その後、王都の方で子供たちと出会った!
みんな親に売られ奴隷になった子ばかりで、
とにかく、痩せて酷い目にあってた」
「ヤシロもか?」
「あたしは労働とかじゃなくて、別の方に売られる予定だったから…」
言いにくそうにする彼女を見て、何となく察する。
「それでね、私がいなくなったらこの子たち死んじゃうのかなって思ったら、
気が付いた時には商人を気絶させて、
みんなを連れて脱走していたの!」
どんだけアグレッシブなんだこの子は!?
思いもしない大胆な行動に、
彼女のイメージ像が壊れていく。
「でも、逃げる所なんてなくて、
王都の外まで逃げたけど、途方にくれてたら、
シンが私たちを助けてくれたの」
「なんで、そんなところにアイツはいたんだ?」
後で聞いたら、日課でよく一人で外に散歩に出てたらし、
「それでね、シンが自分がよく行く町にみんなが隠れられそうな場所があるって」
「それであの廃屋にか……」
「うん、いろいろ大変だったけど、
奴隷の頃よりは自由で楽しかった…
みんながいて、シンがいて、自由があって…」
「……」
「ある時、シンに言っちゃたの、
このまま自由でいられたらいいなぁーって、
そしたら、シンは王を目指すって……」
これがアイツの王になりたい理由か……いや、これだけとは限らないか!
話を頭でまとめながら先を聴く、
「もしかしたら、私の一言がシンに余計な重りを背負わせてしまったのかも……」
「だとしても、アイツがそれをどう思うかは自由だ!」
「!?」
「アイツは周りから期待されないで育ったんだろ?出会ったばかりの俺にやたら懐いたのはその辺の事情かな?」
「そうね、シンは珍しくあなたの話をうれしいそうにしてたわ…」
恐らく、魔法による価値観が違う俺と対等な関係になれると思ったのだろう。
魔法が使えない事によるコンプレックスがアイツの卑屈な所に現れている。
「アイツはきっと人に頼られることが嬉しかったんだと思うぜ」
「……」
「だから、ヤシロも気にするな、過ぎたことは変わらない、それともアイツが王に相応しくないと思うのか?」
「いいえ、シンが王様になって欲しい、シンは立派な王になれると今でも信じてるわ!!」
「なら、それを信じ続けるんだなぁ!アイツのためにも」
「セイ!」
「うん?」
「正直あなたのことはまだ分からない……悪人ではなさそうだけど、正義の味方にも思えない……」
「ハハッ!!当たり前だよ!俺は嘘つきだからな!」
「でも、今の言葉に嘘があったとも思えないわ!」
「……」
「だから、ありがとう、セイ……」
なのを、こんな少女との会話に熱くなってるのか……
ハァー、なんか疲れてきたなぁー
「そろそろ寝よう、あと2日もすれば王都だ!」
「ええ、お休みなさい、セイ……」
座りながら肩を寄せるヤシロはすぐに寝てしまった。
3日目とはいえ、よく男の前でこうも無防備に寝れるものだ。
(信頼回復されてるのか?いや、諦めているのか!俺が襲ったらそこまでだと)
無論そんなことをする気はない、ただ、安らかに寝息をたてる彼女の寝顔を見てるのは、悪い気がしなかった。
起こさないように小さな声で、
「おやすみヤシロ……」
俺も目を閉じて眠りにつく……
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