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プロローグ

 新しく書き始めました。アクセス数やブックマーク次第で続けるか切りのいい所で終わらせるか決めたいと思っています。

 出来ればご意見ご感想お願いします。


 高校の入学式を終えてある生徒が帰宅していた。


 普通、他の生徒が新しい環境に慣れるためにも友人や知人ともに寄り道をする中、その生徒は誰とも話さないで一目散に学校から家まで帰路についた。


 彼に友達も知人もいなく、別に新しい学校生活にも興味なかった。

 ただ今までと同じ、最低限の付き合いで自分の好きなよう生きる。

 何も変わらない、これからも、この先も、そう思っていた。




 今日、高校生になった俺は一人で家に帰ってた。

 家で待ってる人もいないが学校で同級生に交じる気が起きなかったからだ。

 周りから冷めた目をしているとよく言われる。

 実際、俺は冷めた人間なのだ。彼女がいなくなってからは、


 一人の他校の女子生徒が視界に移り、つい目で追ってしまった。こちらを見られ目を背ける。


 「彼女じゃ…ないよな・・・」


 2年前にいなくなった彼女を思いため息を吐く、告白して両想いになったはずだったのに彼女は突然失踪した。

 分からない何があったのか?

 

 (いま視界に映った女子生徒も悪くはなかったが、彼女には敵わないな。)


 不意に彼女を思い出す。

 艶のある全く癖のないきれいな黒髪、髪と対象的に雪のように白くキメの細かい肌、睫は長く顔もガラス細工のように繊細で目は大きく鼻は可愛いらしく、唇は薄い桜色のぷっくりとしいる。

 日本人形のように大人しく清楚な美人、それでいて明るい陽光のような笑顔は生命の輝きすら感じさせた。まさに芸術のような少女だった。

 

 思えば様々な要因はあったが、あれがきっけかで俺はこの世界に飽きてしまった。いや、世界のほうが俺を見捨てたのかもしれない、そんなことを考えていたら、


 目の前が急に暗くなる!


 「!?」


 いきなり部屋の電気が消えたかのように暗くなった。これが部屋なら停電やブレーカーが落ちたと思うだろう。

 しかし、ここは道の真ん中、晴れの入学式に相応しい晴天だったのにいきなり暗闇包まれたのだ。

 驚き声を上げる暇もなく突然の浮遊感に襲われた。


 意識はそこで途切れた。




 俺は昔の夢を見ていた。

 ろくでもない両親は俺を放置してギャンブルや詐欺まがいなことばかり、周りには助けくれる人も友達もいなかった。

 そんな生活が嫌になり、小学生高学年の時に家出をした。


 行く当てもなく彷徨うっていると、人目のない橋下でダンボールの家を見つけた。

 いや、家と呼べるほど立派じゃなかったが、疲れた俺はそこで休みことにした。

 疲れたのだろ、俺は寝てしまった。


 そして、目を覚ますと不思議な格好の男がいた。

 ホームレスだろうか?この家の住人なら怒られるかもと不安そうな俺に男は優しくしてくれた。

 いつでも来て良いと、俺は男の好意に甘えてしばらくそこにいた。


 それから、その人のこと「親父」と呼ぶほど信頼した。

 色々なこと教えてくれて、遊んでくれて、楽しかった。

 でも、あの人もある日、突然消えてしまった。警察に保護されて家に戻された。

 一ヶ月の短い家出、それでも俺がもう一度頑張ろうと思えた。

 懐かしいがここで夢から覚める。




 目を覚ますとそこは一面砂漠の世界が広がっていた。


 360度見渡す限りが砂漠、降り注ぐ燦燦とした太陽光が夢でも幻でもないと本能に訴える。

 照りつける太陽も熱を持った砂の感触も、全て本物だ。


 直ぐ近くに人が倒れていた。それは自分と同い年くらいの背丈もほとんど変わらない少年だった。

 気を失っているらしく、たまにうめき声が聞こえる。

 顔をマントで隠しているためよく見えないが格好は旅人のような服装に布でできた袋、日差しよけのマントで顔を覆い町中であったら不審者かと思うだろう。


 「はぁー、よくわかんねけどー!大丈夫か?」


 混乱している余裕もなく倒れている人間に呼びかける。仕方ないと思いマントを外して顔を見て絶句する。


 白く長い髪に中性的な雰囲気で、細いながらもよく鍛え抜かれた体は長いこと旅をしてきたからだろうか。

 だが、少年が絶句したのはそんなことではない、彼の顔そして容姿が自分とてもよく似ていたのだ。

 それこそ髪の色を除けば全て同じと言ってもいい。

 

 (俺も髪の一部を白くしようとヘアカラー買って来たけど、一応失敗してときようの黒も)


 現実逃避ぎみにそんな場違いな考えをして、混乱している俺にさらなる混乱が、彼に触れた瞬間に体が浮くような感覚がした。

 そして、起きていたはずなのに目を覚ました。


 ーーそこは自分がいたーー


 俺は直ぐにこの現象の答えにたどり着く。

 そう、自分とよく似た少年と体が入れ替わったのた。


 (なんだこれ!?何でこんなことが起きるだよ!!)


 髪の白い少年の体は自分の体と変わらず問題なく動かせる。

 唯一気になるのは服装だ。マントで隠れて分からなかったが金属類などかなり高価そうな物を身に付けている。

 俺の本当の体は入れ替わったためか気絶している。

 

 (この体の坊ちゃんは相当な金持ちなのか?)


 とりあえず、自分の本当の体に触れた。

 しかし戻らない。

 焦っていると一つ思い当たり試してみる。先ほどは手の甲にあるアザに触れてその瞬間に光ったような気がした。

 予想はあたり体は元に戻った。少年はまだ起きない。周囲を見渡すが誰もいない


 「とりあえず、場所を移動しよ、ここは暑すぎる。」


 何故か少年はとても軽く、簡単に背負うことができた。

 慣れない砂漠での移動に降り注ぐ熱い陽光、やっとのことで近くの大きな岩場に行き日陰で少年が起きるのを待った。


 「あれ、私はどうして?」

 「目が覚めたか?」

 「?きみは誰だ?」

 「ああ、言葉は通じるみたいだな。でもここは日本なわけないしな。」

 「何を言ってる?君はどこの人間なのだ。ん!私に少し似ている気がするが?」

 「まあ、似てのは他人の空似なのかどうか分からないが、とりあえず自己紹介だ。日本の平凡な高校生、真偽野正義≪まぎのせいぎ≫だ。」


 俺は警戒しながら言う。

 

 もし、ここが地球のどこかならまだ何とか許容できる。


 しかし先の体験といい、急にここに飛ばされたことといい、最悪の考えが過ぎる。


 「ニホン?よく分からないが、私はエルスーン王国の第三王子シン・ギ・エルスーンだ」

「それは、地球のどの辺だ?」

 「うん?チキュウ?どこって、この世界エルドラドの中心にある大国だぞ?知らない訳なかろう!」

 

 はー、イヤ予感はいつも当たる。


 どうやら俺は異世界に来てしまったようだ。


 俺によく似た少年、少年のよく似た俺、入れ替われる2つ身体に心。


 この世界で俺は何をすればいい、何をするために俺は来たんだ?

 趣味で書いています。ご評価いただければ幸いです。

 

 これからもよろしくお願いします。

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