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結
明け方、島から岸の街を結ぶ、ひと月ぶりに現れた橋を渡る者があった。橋は完全にはその姿を現しておらず旅人の足元を海水が洗っていたが、やや背を丸めたそれは杖を頼りに頓着するふうもなく歩を進め、やがて岸の街にたどり着くとまだ人気のない表通りをそれて、いずこへかと消えていった。
了
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本来後書きに記すべきことだと存じますが、本文のみですと規定の文字数に足りず投稿できないため、略儀ながらこちらでお礼申し上げます。