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65.……夢じゃない、よね

 恐る恐る、ケツの脇から顔をのぞかせて室内の様子をうかがう。

 弱々しい朝の光を顔の右半分に受けながら、担任教師も、校長も、あっけにとられたような顔でポカンと口を開けて柴崎泰広を見上げていた。西ちゃんも半分腰を浮かせた中途半端な姿勢で完全に動きを止めている。一番奥に座る人物の表情まではさすがに見えなかったけれど、突然の闖入者に注目しているには違いない。

 物も言えない様子で無意味に口を動かしていた担任教師が、ややあって、ようやくかすれた声で問いを発した。


「な……何ですか柴崎さん、突然に……あなた、授業は」


「山内先生に印刷物を取ってくるように頼まれたんです。そうしたら、僕の名前が連呼されていたもので」


 担任教師はドキッとしたような表情を浮かべると、隣に座る校長の顔色を横目で窺った。


「……そ、それにしたって、いきなり入室してくるのは考えものですよ。見てのとおり、保護者の方を交えて大事なお話の最中です。すぐに出てお行きなさい!」


「いえ、それだけではなくて……実は、僕もこの件にはそれなりに関わりがあるので、補足説明が必要かなと思ったんです。突然で失礼とは思ったんですが」


 そう言って慇懃に頭を下げる柴崎泰広の頭頂部を眺めながら、担任教師は忌々しげに肩を竦めた。


「何の補足です? 確かに私はあなたのことを引き合いに出しましたけれど、何か付け加えることがあると言うんですか。それとも……」


 対面に座る西ちゃんに冷たい視線を投げかける。


「あなたの方からも西崎さんに、何か言いたいことでもあると言うのですか?」


 柴崎泰広は困ったように少しだけ笑った。


「西崎さんに言いたいことはいっぱいありますけど、それは別に今この場で言うことではないので」


「笠原先生、彼は?」


 担任教師の向こうから、校長が怪訝そうな問いを発する。


「あ、先ほど話題にしました、うちのクラスの柴崎という生徒です。申し訳ありません校長先生、すぐに引き取らせますので……」 


 担任教師があたふたと頭を下げ、実力行使に移るべくソファから腰を浮かせた、刹那。


「いいじゃありませんか」


 涼やかで凛とした声音が、校長室の淀んだ空気を震わせた。

 校長も担任教師も、はっとしたような表情で声の主に目を向ける。

 向かい合わせて座る西ちゃんは、けげんそうに少しだけ眉根を寄せた。


「その子のお話、私はぜひうかがいたいです」


「で、でも西崎さん、部外者を交えてあまり個人的な話をするというのは……この件は特に、西崎さんのご家庭のご事情にも深く関わっていますので、プライバシーの問題もあるかと……」


「私は別に構いません」


 校長の言葉をやんわり遮ると、その人物は静かに席を立ってこちらを見た。

 

 キレイな人だった。


 色白の顔に、力強い光を宿す大きな瞳。すっきりとまとめ上げられた髪に、意志の強そうな眉。わずかに引き上げられた口角には生命力が溢れ、三〇代でも通りそうな若々しい雰囲気を醸し出している。当然と言えば当然だけれど、その面差しは西ちゃんによく似ていた。

  

「初めまして。私は西崎香奈と申します。宗一の母親です。クラスでは、いつも宗一がお世話になっております」


 良家の奥さま然とした丁寧な自己紹介に、柴崎泰広も慌てて居住まいを正して頭を下げた。


「し、柴崎泰広といいます。こちらこそ……」

 

 奥さまは優雅なほほ笑みを浮かべながら、左手で西ちゃんの隣を示す。

 

「よろしければ、こちらにお座りになったらいかがですか? 立ち話もなんですから」


 そこまでするつもりはなかったのか、柴崎泰広は戸惑ったような表情で西ちゃんを見た。

 西ちゃんは黙ったまま、体を椅子の一番奥にずらして大きく席を空け、柴崎泰広に唇の端で笑いかける。


「……失礼します」


 柴崎泰広は遠慮がちな態度で、黒光りするソファの一番手前に身を沈めた。

 西ちゃんとの間には不自然なほど広いスペースが空いているものの、男と隣り合わせて座るなんていう行動が普通にとれるようになっただけ大きな進歩と言える。その上、いかにも座るのに邪魔、といったさり気ない雰囲気で、ケツポケの携帯を抜いてあたしを膝の上に載せるなんていう機転も効かせてくれた。おかげで様子が見られる。ありがたい。

 担任教師は目の前に座った柴崎泰広をうろんげに眺めやってから、気を取り直したように座席に腰を落ち着け、咳払いをした。


「では、補足とやらをお聞かせ願いましょうか。ただし、手短にお願いしますよ」


 柴崎泰広は一番奥に座る奥さまに向かって小さく頭を下げると、おもむろに口を開いた。


「実は今、西崎さんが滞在しているのは、僕の家なんです」


 担任教師は息をのんで勢いよく顔を上げると、メガネの奥の小さな目を限界まで見開いて校長と顔を見合わせた。一方、奥さまは先ほどと同様に波のない水面のような面持ちで、静かに柴崎泰広を見つめている。


「あ、あなたの家って……柴崎さん、だってあなたの家は」


「西崎さんも話していたとおり、食費や光熱費は入れてもらう約束をしているので、問題ありません」 


「問題ないって……お母様は了承していらっしゃるのですか?」


 柴崎泰広は平然と頷いた。


「二人暮らしには広すぎる家でしたし、西崎さんが寝起きするだけなら全く問題ないそうです。ただ、西崎さんが僕の家に滞在することを、ご両親には承諾していただきたいと言っていました」


「そうでしょう!」


 担任教師はその言葉に目を輝かせて頷いた。


「私もそれが言いたかったのですよ。ご両親の承諾もなしに勝手に他人様の家に寝泊まりするなどと……そんな無法は、学校側としても見過ごす訳にはいきません」


「ですから、この件に関して、学校側がこれ以上関与する必要はないと思うんです」


「はあ?」


 思いがけない返しをされ、担任教師は目を点にして一時停止した。

 柴崎泰広は冷然とその視線を受け止める。


「先ほどの話からすると、学校側が問題視していたのは、西崎さんがご両親の承諾を得ずに家を出ていたことと、不安定な生活状況に陥って西崎さんの健康や安全に危険が及ぶことですよね。それらの問題が解消されれば、学校側が関与する必要はなくなるはずです。僕の家にホームステイするということと、それに関して親御さんの了承が得られれば、それらの問題は全てクリアされます。そして、学校側には、この了承に関与する権限はありません。ですから、学校側にはここでいったん手を引いていただければと思うんです。話し合いの結果については、後ほど必ずお伝えしますので」


「な、な、な、何を偉そうに言っとるんだね君!」


 これまで黙って聞いていたヒゲ校長が、ガマンの限界とばかりに声を張り上げた。


「未成年の分際で大人に指図するとは……柴崎家と西崎家の両家で解決するだと? そんなこと、何の権限もない未成年者の君が勝手に決められるとでも思っているのか! 保護者の方から直接申し出があったならまだしも、なななななんと傲慢ごうまんなっ」


 テーブルに点々と吐き散らされる唾を見て、担任教師は頬を引きつらせて身を引いた。


「僕は母の代理人として話をしています。母の意思を僕が伝えたからといって、それが柴崎家の意志であることに代わりはないですよね」


「そんなこと、信用できるわけがないだろう!」


 校長は口ヒゲ中に唾液の飛沫をつけたまま、イライラと吐き捨てた。


「口頭での約束には何の意味もない。書面に署名捺印してもらうか、お母さんの口から直接聞いた話でなければ納得できる訳がない」


「そうですよ柴崎さん、そんな子どもじみた提案に賛成できる訳がありません。でしたら、今すぐお母様に電話をかけて確かめてはどうですか? お母さんは今どちらに?」


「仕事の関係上、職場での私用電話が厳しく禁じられていると言っていたので、電話はできないと思います」


「だとしたら、口約束だけで信用しろと言うのは無理な話ですよ」


 担任教師は前方に乗り出していた体をソファの背もたれに沈めると、やれやれとでも言いたげにため息をついた。


「あなたは確かに優秀ですし、私はそれを高く評価しているからこそ、その能力を生かしきれないあなたの不遇には同情しています。でもね、いくらあなたが不幸だからといって、西崎さんの進路に口を出す権利が生じるかといったら、それとこれとはまるっきり別の問題なんですよ」


「不幸とか決めつけられる筋合いはないです」


 押し殺したその声に、思わず柴崎泰広を見上げてしまった。

 柴崎泰広の表情自体は先ほどまでとほとんど変わりはなかったけれど、両の拳が固く握りしめられて、かすかに震えているのがわかる。

 担任教師は底光りする目で柴崎泰広を見据えた。


「あなたの人並外れた能力を生かしきれない家庭環境は、不幸以外の何物でもないでしょう。それはあなた自身にとってももちろんのこと、社会全体にとっても不幸です。「普通」のレールから外れてしまった人間を社会全体で支えるシステムがあればいいのですが、残念ながらこの国にはその余力がないですからね。あなたやお母さまを責めているわけではありませんよ。悪いのは、弱者をすくいあげきれないこの国の無力さであって、あなた方は言ってみれば被害者なのです」


「決めつけないでください」


 大人しい柴崎泰広にしては意外なほど激しい口調に、担任教師はもちろん、西ちゃんも目を丸くして柴崎泰広を見たが、柴崎泰広は臆する様子もなく、厳しい表情で教師を見据えながら言葉を続けた。


「弱者をすくいあげるシステムが不十分なのは仰る通りですし、そのために苦しんでいる人たちがいるのも事実でしょう。ましてや、僕は他の人より出遅れている。ようやく社会生活に適応できるギリギリまで浮上して、やっとスタートラインに立てたかどうかというところで、この先も順調に進んでいけるかどうかは未知数です。先生の現状分析は正しい。でも、この先一生その遅れは取り戻せない、だからおまえは不幸なんだと決めつけられるのも、僕は絶対に違うと思います」


「道から外れても大丈夫……確かに、そういう甘いことが言えた時代もあったわね」


 担任教師は肩を竦めて嗤うと、金縁メガネの奥にある小さな目に、どこか攻撃的な光を宿した。


「私の学生時代は景気が良くて、確かにそういう人がたくさんいましたよ。就職は引く手あまたのよりどりみどり、自己実現するとか言って遊びほうけ、多くの人が人生のレールを無視して生きていました。転職する人も多かったし、フリーターなんていうのもはやりましたね。いつか痛い目に遭うと思っていましたけど、数年後、案の定バブルが崩壊して景気はガタ落ち、倒産したりリストラの対象になったりでたちまちのうちに切り捨てられ、スキルアップもままならず、契約社員の不安定な生活を続けている人たちを私はたくさん知っています」


 言葉を切り、目の前に置かれている冷え切った緑茶を一気に飲み干す。


「今は当時に匹敵する不況下です。特殊技能や秀でた才能でもって大成する人も中にはいますが、それこそほんの一握り。たいていの人は、人生の流れに乗れずに食うや食わずの生活をするしかありません。西崎さんのように、法科大学院への進学を親御さんが切望し、本人にもそれに見合う才能が十分にあるなど、本当に一握りの僥倖なのですよ。なぜその素晴らしい人生のレールから降りて泥水をすする必要があるのか、私には理解できません。安全な橋が架かっている立派な道が用意されているのに、わざわざ滑落の危険のある崖を降りて谷を越えようとしているようなものです。親は子の安寧と成功を願うもの、私が親でも、西崎さんの行動には反対をすると思います」

 

「それこそ、一昔前の古臭い論理だと思います」


「何ですって?」


 担任教師は目を見開くと、頬を奇妙に歪めて不快感をあらわにした。


「今の社会状況は、あの頃よりはるかに厳しいです。終身雇用制が崩壊して、能力主義や自己責任の名のもとに正社員も軽々と切り捨てられる時代になった。たとえ就職できたとしても、永遠にスキルアップを続けないといつけ落とされてしまうかわからない。滑落の危険のない安全な道なんて、今はもうほとんど存在しないです」


 担任教師の口の端に、バカにしたような笑みが浮かぶ。


「だからこそ、西崎さんは検察官になるべきだと言っているの。国家公務員は明らかに、その数少ない安全な橋の一つです。それを手に入れるには、金銭的余裕と偏差値的な学習能力と多少のコネが必要なだけ。しかも西崎さんは、それら全てのアドバンテージを手にしているのよ。確実に渡り切れる安全で立派な橋が目の前にあるのに、どうしてわざわざ滑落の危険のある過酷な弱肉強食の世界に身を投じる必要があるの。しかも、せっかく手にしているアドバンテージが何ひとつ役に立たないような世界へ」


「安全な橋の向こう側にあるのは、西崎さんにとって重要な場所ではないんです、たぶん」


 西ちゃんは大きく目を見開き、担任教師はきつく眉根を引き寄せた。

 柴崎泰広はその反応に構う様子もなく、淡々と言葉を拾い上げ続ける。自分の思いを言葉にしてまとめ上げることに夢中になっている、そんな雰囲気だった。


「たぶん、西崎さんの人生にとって一番重要なのは、安定した生活でも華やかな成功でもなく、お菓子作りが好きだという自分の思いを尊重することなんです」


 柴崎泰広は手元に落としていた目線を上げた。ドキッとしたように表情をこわばらせる担任教師を、真っすぐに見据える。


「僕は、西崎さんはすごい人だと思います。この年齢で自分のやりたいことがこんなにはっきり見えていて、どうすれば後悔のない人生になるかがわかっていて、自分の意思で自分の行くべき道をしっかり選び取ることができるんですから。少し羨ましいくらいです。僕も、もっとがんばれば西崎さんみたいになれるんだろうかって、最近はときどき考えたりもします」


 そう言うと、少しだけ目線を落とす。


「僕がこんなどうしようもない状態になってしまったのは、確かに外的要因の影響が大きいと思います。でも、だからといって、自分の力で何も変えられないわけじゃない、頑張れば変えられる部分もあるんじゃないか。最近、そんな風に思えるようになってきたんです。つい最近まで僕は自分のことを、一人ではなにもできない、生きていたってどうしようもない、死んだ方がいい人間だと思っていた。でも、そんなどうしようもない僕でも、ある人のおかげで劇的に変わることができたんです」


 ……え?


 思わず見上げた柴崎泰広の頬には、ほんの少しだけ、柔らかいほほ笑みが浮かんでいるように見えた。


「今では、電車にも乗れるし、学校にも通えるし、仕事をしてお金まで稼いでいるんですよ? ちょっと前なら信じられないことなんです。考えられないくらいの変化なんです。もちろん、まだまだ不十分ですし、変えなきゃならないところはたくさんあります。でも、確かに前に進んでいるんです。こんな僕でも前に足を踏み出せば、少しずつでも進んで行けるんだって、僕はその人に教えてもらったんです……だから」


「だから?」


 気圧されたように繰り返す担任教師を真っすぐに見据えると、柴崎泰広はきっぱりと言い切った。


「不幸だなんて決めつけないでください。僕の人生はこれからも続いていく。この先、僕が変われる可能性は、まだゼロじゃないんです」


 ……夢じゃない、よね。


 膝の上に寝ころんで柴崎泰広の顔を見上げながら、真っすぐ前を見つめているその瞳が、何だかやけに眩しくて。

 どうしようもなく熱いものが胸にこみ上げてきて。

 でも涙腺ないから涙なんか出しようもなくて。


 担任教師は反論の言葉が見つからないのか、忌々しそうに口元を歪めた。


「……だとしたらあなたは、自分の将来的なビジョンをある程度持てているとでもいうの?」


「ときどき考えてはいます。まだはっきりと見えている訳じゃないですけど……」


「それはいったい……」


「いい加減にしてもらおうか!」


 それまで黙って話を聞いていた校長が、ここに来てガマンの限界といわんばかりに怒声を張り上げた。


「柴崎くんの将来設計など、はっきり言って今の話題とはまるっきり関係がない。今は西崎くんの家出、この問題について話し合っているはずだろう。論点をずらさないでもらいたいね」


 イライラと吐き捨てると、対面に座る西ちゃんに鋭い目線を投げかける。


「柴崎くんの話で重要なのは、西崎くんを自宅で預かりたいというこの一点だけだ。許諾の権限を有している保護者の方がこの場に参加していない以上、その話に関しては今この場で是非を問うことはできない。とにかく西崎くんは、今日のところはいったん自宅に帰りなさい。それが、現時点で取りうる最善かつ唯一の道だよ」


「そんなことはないです」


 凛と響きわたる涼やかな声音。その場にいた全員の視線が、一斉にその声の主へと注がれる。

 声の主――奥さまは、皆の刺すような視線をやんわりと受け止めた。


「柴崎さんのお話、たいへん興味深かったです」


 そう言うと、固い表情で自分を見つめている柴崎泰広に、悠然とほほ笑みかける。


「宗一のことも、表面的な同情とか、軽薄な友情とか、そういう薄っぺらい理由で受けいれた訳ではないことも分かりましたし……柴崎家の代表として話し合う資格は十分にあると、私は思いました」


「え? 西崎さん、それは、つまりどういう……」


「柴崎家と西崎家の両家で話し合うという彼の提案、受け入れたいと思います」


 担任教師もヒゲ校長も、あっけにとられたようにポカンと口を開いて機能停止した。


「つきましては、たいへん恐縮なんですが、この場をもう少し話し合いの場としてお借りできませんでしょうか。難しいようでしたら場所を変えますが、この後、二人に授業を受けさせることを考えると、この場をお借りするのが一番合理的な選択かと思いますので」


 そう言って丁寧に頭を下げる香奈の申し出に、教師らは慌てふためきながらも承諾の意を示した。


「わわわわわ分かりました西崎さん、今日は来客の予定は入っておりませんので、お使いいただいても構いません」


「一時的に席を外していただくことも、ご了承いただけますか?」


 戸惑ったように顔を見合わせてから、校長は渋い表情で頷いた。


「……西崎さんがどうしてもと仰るのでしたら、それで構いません。ただ、話し合いの結果、どういう形に落ち着いたかにいついては、学校側にも必ずお知らせください」


「当然です。話し合いがまとまり次第、お知らせいたしますので」


 担任教師とヒゲ校長は不服そうな面持ちで立ち上がると、一礼して退室した。

 校長室の扉が低い音を立てて閉まると、奥さまはあっけにとられたような顔で固まっている柴崎泰広に、艶やかな笑顔でにっこり笑いかけた。

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