8.装備マン、遂に他人から天才と呼ばれる
「今調べてみたけどネットには載ってないね」
「レアスキルなのか?」
「ユニークスキルじゃなくて?そのスキルどうやって手に入れたの?」
「特別攻略報酬だ」
「うーん……」
スキルスクロールでユニークスキルが貰えるなんて話は聞いた事が無いが……特別攻略報酬からだし、そういう事もあるのか?
ネットにも載っていないらしいし、珍しいスキルではあるんだろうが。
ちなみにこの青年名前は五月 零
で、零と呼べと脅迫された。
でも零は話してみたら案外良い奴で、俺をこのギルド内にある冒険者専用病院に運んでくれたのも零らしい。
俺の《革命》についての相談にも乗ってくれているし、スポーツ観戦零とどしたん話聞こか零の2つの人格があるのかもしれない。
「でも平也ってまだ4レベルのEランク冒険者なんだろ?どんな能力か分からないけど、Bランクをワンパンする攻撃力が出てたしヤバいスキルだよこれ。あんまり他人に言わない方がいいかも」
「でもどんなスキルか知りたいし、鑑定所にいって鑑定して貰いたいんだけど……。」
と俺が言うと零が口を大きく開け、驚愕した様な顔でこちらを見てくる。
まるで天才か!?とでも言ってきそうな顔だ。
「天才か!?」
……どうやら当たっていたようだ。
というか今の発言の何処かに、天才の片鱗が見えていたらしい。
俺の才能はやっぱり隠しきれないか……。
「僕は鑑定スキルを持っているんだが、その発想は無かった!今鑑定してもいい!?」
えぇ……普通の発想だろ、鑑定スキル持ってるなら尚更。
もしかしたらコイツはバカなのかもしれない。
まあ鑑定して貰えるんならしてもらおう。
「あぁ、良いぞ」
「じゃあ早速鑑定っと。おっ、ちゃんと見れた!ユニークスキルでは無いっぽい。能力は……相手のレベルが自分よりも高い時に発動するスキルで、所有者がその相手に勝ちたいという気持ちに比例してHP・MP・攻撃力・防御力・魔力・速度がそれぞれ最大50%まで上がる。最大値に到達した時に《全身全霊》を使う事が出来る。って書いてあったよ」
「《全身全霊》か……。零は知ってるか?」
何かを考えながらスマホを弄り始めた零に尋ねる。
「いや、無い。ネットにも全身全霊スキルは載っていない。ちなみに鑑定を使おうとしたけど《全身全霊》は見れなかったよ。スキルに付属したスキルだからか、ユニークスキルなのかは分からないけど」
どうやら全身全霊スキルについても何も情報が無い。
だが、《革命》の効果を見るに恐らくこれが俺の手が青白く光った原因だろう。
俺の気絶した原因がMP不足だった事と、スキル名からなんとなくだが効果が分かった気がする。
さて、家に戻りますか。
俺は立ち上がり、扉に向かって歩きながら零にお礼を言う
「色々とありがとな、零。俺は家に帰る事にするよ」
「うん、またねー…………てちょっと待って!?その格好で外に出るつもり!?しかも怪我だって痛むでしょ!!」
そこで俺は気付いた。
「いててててててて!!零のせいで痛くなったんだが!どうしてくれんだ!!」
「え、僕のせいなの!?」
そんなこんなで数日後、医者らしき人に回復魔法をかけられ続けて無事退院出来た。
久々に自由にあるけるぜひゃっほい!!!
俺はスキップしながら家に帰った。
そこで俺は現実的な事を考える。
金が無いのでダンジョンに潜りたいが、近場にEランクダンジョンは無くDランクだとボスレベルは45ありかなり高い。
ダンジョンのランク分けは、ボスのレベルで決まっている。
Fは1~10、Eは11~30、Dは31~50、Cは51~80、Bは81~120、Aは121~200、Sはそれ以上と言った感じだ。
冒険者ランクもこれを参考にして作られている。
この間戦ったハゲは81~120レベルあったという事だ。
我ながら良く勝てたな。
イヤリングもほぼ機能していなかったので、ステータス差最低80を《革命》と己の肉体で覆したのだ。
……革命って最高でも50%しか増えないよな?
速度は微々たる差ではあるが勝っていたし、俺が勝てたのは要因は他にありそうなもんだが……。
話が脱線したが、そのDランクダンジョンに挑むなら沢山装備を用意しなくちゃな。
俺は今日と明日を使い、大量の付与のイヤリングを作ることを決意した。