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第九十八話

 結婚式から一ヶ月ほど経ち大分生活も落ち着き心にも余裕が出てきた今日この頃。新居での暮らしは最初は戸惑う事も多く結構大変だったが今では快適に生活出来ている。あとは付き合っていた時とは違い一緒に生活するので習慣や物事の進め方などで齟齬が起きるだろうなと思っていたが、それは杞憂に終わった。どちらかが合わせるという事は殆どなくて驚いたくらいだ。普通だったら数年かけて擦り合わせていく作業がほぼゼロというのは奇跡に近いよなと思っていたが、全然違いました。彼女達が毎日俺の食事を作ったり部屋の掃除をしてくれていたのだが全員がそれぞれのやり方で進めるとわけが分からなくなるのでこうしましょうというルールを作ってそれに合わせて進めていたらしい。結果として一緒に暮らすようになってからも問題が起きることなく暮らせているということだ。おそらく先々まで考えてルールを作ったんだろうから本当に良く出来た妻だなと感心してしまう。

 ――変化と言えば早寝早起きするようになったな。昼型生活と夜型生活の人で分かれているのでどうしても顔を合わせる機会が少なくなってしまう。それを少しでも解消するために早起きして雪音や菫、桜や透香と一緒に居る時間を作るようにしている。最初は俺の負担になるからと遠慮していたがこればっかりは譲れませんと少し強引に納得してもらった。夫婦なのに休みの日にしか顔を見られないとか寂しすぎるし、何れ不和を招きかねないので早々に対処させてもらった形だ。

 結果として夫婦仲は良好だし、出勤する前に玄関先でハグしながらキスをして見送りできるので俺としても嬉しい限りだ。決して役得だ~!とか思ってないんだからね。

 あとは……あれがあった。ドラマ『黄昏時に見る夢は真実か』のスピンオフ作品の撮影が今月半ばから始まる。キャストも決定しているがまだ顔合わせはしていないのでどんな人なのか内心ドキドキしている。透香も準主役として出演するし、同じ事務所からも二人ほど出演するのでその点では心強いが本職の人相手に満足に演技が出来るのかと言うと不安もある。発声練習をしたり演技指導を時間が許す限り頑張ってきたし先生からもお墨付きを頂いたが如何せん一年しか期間がなかったのが痛い。

 透香からは気負わずに自然体で演技すれば大丈夫です。もし失敗しても私がフォローしますし、安心して下さいと言って貰えたがなるべく迷惑はかけたくないというのが本音だ。とはいえ今更出来る事もないしジタバタしてもしょうがないので気持ちだけはどっしりと構えていよう。

 開店準備をしつつ考え事をしているとオープン五分前になっていたので急いで気持ちを切り替えてお店を開ける。さて今日も一日頑張りますか。

 二十時を回ってピークまでもう少しと言う時間帯だが客入りは上々でほぼ満席状態だ。俺はいつも通りカクテルを作り、小百合と千歳は接客をしている。普段と何も変わらない光景に見えて少しだけ違う部分もある。それは何かと言うと――。

「すみません。注文したいのですがいいでしょうか?」

「はい。何に致しますか?」

「ホーセズ・ネックをお願いします」

「畏まりました。少々お待ち下さい」

 ホーセズ・ネックはブランデーとジンジャーエール、そしてレモンを使ったカクテルだ。作り方は簡単でグラスに螺旋状に剥いたレモンの皮を入れ、端をグラスの縁にかけた後氷をグラスに詰めてブランデーを注ぐ。その後ジンジャーエールを注ぎ軽くステアすれば完成となる。余談だが名前の由来は長いレモンの皮が馬の首のように見えることからきている。個人的には馬の首と言うよりとぐろを巻いている蛇の方が合っていると思うが、それだとスネーク・ネックになるので語呂が悪すぎるし何よりもそんな名前だと飲みたいとは思わないだろう。

「お待たせ致しました。ホーセズ・ネックになります」

「有難うございます」

 お客様がお礼を言いながら俺の左手をチラチラと見ている。これは結婚してから始まった事なんだけど理由は明確だ。

「あの、やはり結婚指輪が気になりますか?」

「えっと、はい。どうしても目に入ってしまうのでつい見てしまいます。あの、お気を悪くさせてしまい申し訳ありません」

「いえ、お客様が謝られるような事ではありません。それに気になっているのは他のお客様も同じですのでお気になさらないで下さい」

「分かりました。……話は変わりますがご夫婦で同じ仕事をしているというのは凄い羨ましいです」

「そう言って頂けるのは大変嬉しいのですが、家でも顔を合わせて職場でも顔を合わせるというのは良好な関係の場合は良いですが、喧嘩をした時などはお互いに気まずくなりそうですし一長一短だと思いますよ」

「大好きな旦那様と常に一緒に居られるなんて夢のようですし良いこと尽くめではないでしょうか。それに例え喧嘩したとしてもすぐに仲直りすればいいだけですから」

「確かに仰る通りですね。そもそも妻と喧嘩したことが無いので実際どうなるかは分からないですが、すぐに謝って良好な関係に戻すのは大事ですよね」

「はい。そうだと思います。――というか佐藤さんは奥様と一緒に暮らしているんですか⁈」

「おぉ、随分とタイムラグがありましたね。……はい、妻と一緒に暮らしています」

「なんて羨ましい。佐藤さんのような素敵な男性と一つ屋根の下で生活出来るなんて……」

「そこまで大層な事ではありませんよ。食事や家事は妻に任せてしまっていますし、私がしていることなんて休日にお風呂掃除をしたり、買い物に行ったときに荷物を持つくらいですから。妻におんぶにだっこ状態でお恥ずかしい限りです」

「………………理想の旦那様がここにいらした。お風呂掃除をしたり、買い物に行ったときに荷物を持ってくれるなんて男子力が高すぎて私のスカウターが木っ端微塵になっちゃいました。もう完璧すぎて頭が沸騰しちゃいそうだわ」

 スカウターとかドラゴンボール世代なのだろうか?見た目は二十代半ばくらいだけどもしかしたら四十代だったりするのかもな。でも男子力なんて言葉を使っているし、もしかしたら見た目通りの年齢と言う可能性もある。真実は聞くまで分からないが、女性に年齢を尋ねるのは失礼なので絶対に聞かないけど。

「他の夫婦がどうかは分かりませんがこのくらいは普通なのではないでしょうか?お互い仕事をしていますし、ご飯を作ったり家事を分担してするのが当然だと思っていたのですが違うのですか?――そう言いつつも全然出来ていないのでお前は何を言っているんだと怒られそうですが」

「私が知る限りでは男性は家に関する事は何もしないのが普通ですね。基本的には家族が全てやりますし万が一怪我でもしたら大問題ですから」

「あー、結婚しても一緒に暮らすことはしないから私の前提が間違っていましたね。すみません」

「いえ、そんな事はありませんよ。でも旦那様が家の事を手伝ってくれるというのは本当に有難いですし物凄く助かります」

「そう言って頂けて少しホッとしました。普段あまりしないので勝手を間違えていたりして迷惑をかけてしまっているんじゃと不安だったのでよかったです」

 これもあるあるだと思うが普段はしないのに掃除や洗濯をして余計に手間をかけてしまったり、結局奥さんがもう一度やり直す羽目になったりするというのは結構あるのでないだろうか。それであなたは何もしないで下さい!って怒られたり、家事が終わるまで外で時間を潰して下さいとか言われたりね。

 そうならないように分からない事は聞いて、二度手間にならないように気を付けていたがこれは今後も続けるとしよう。些細な事から不和が生じる場合もあるからね。

「はぁ~。佐藤さんも結婚されてしまいましたしこれから私はどうすればいいのでしょうか?」

「香田さんはお綺麗ですしこれから良縁があるかもしれませんのでもう少しだけ頑張ってみるのはどうでしょうか?」

「お気持ちは有難いのですが佐藤さん以上に良い男性なんて存在しませんし、仮に男性と縁があったとしても伝え聞く情報の通りなら幻滅間違い無しなのでちょっと無理そうです」

「てっきり男性とお近づきになれるなんて幸せですという感じになると思っていたのですが、意外です」

「数年前までの私なら佐藤さんが仰る通り飛び上がる程喜んでいたのでしょうが、理想の男性に出会ってしまったので正直縁談があったとしてもそうですかとしか思わないかと」

「それはなんと言うか……申し訳ない事をしてしまいましたね。香田さんの人生をある意味で狂わせてしまったわけですし」

「いえ、寧ろ私は佐藤さんとの出会いに感謝しています。だってお店に来れば佐藤さんと会ってお話しできますし、手作りのお酒も飲めますしね。なので後悔なんて一切ありませんし、時間が巻き戻ったとしても絶対に同じ行動をするはずです」

「そこまで言って頂けると嬉しいですね。これからも香田さんが楽しめる様に精一杯頑張らせて頂きますので宜しくお願い致します」

「こちらこそよろしくお願い致します」

 お互い軽く頭を下げた後ふふっと笑いが漏れてしまう。なんというかバーで話す内容じゃないのと急に畏まってしまったのでなんとなく笑みが零れてしまった。でもお客様からこういう話を聞く機会はあまりないので凄く助かる。今後にも繋がる事だし、なによりもモチベーションが上がるからね。

 良い時間を過ごせたなと思っているとそう言えばと言う感じでお客様が話しかけてきたので耳を傾ける。

「そう言えば佐藤さんが所属している事務所から結婚発表がありましたがファンクラブで今話題沸騰中なんですよ」

「それは私も耳にしました。同じ事務所所属の透香と一般人女性五人と結婚したのでお相手は誰だ⁉みたいな感じで盛り上がっているらしいですね」

「そうなんです。全員芸能人だったり、有名人であればやっぱりそうなるよね~となって終わったのですが、一般人女性ですからもしかしたら私にもワンチャンスあるのでは?と希望を見出す人が多くてスレッドが乱立している状態なんです」

「割とカオスな感じになっているんですね。でも小百合と千歳はこのお店で働いてますし不明なのは残り三人ということですか」

「はい。ですが小百合さんも千歳さんも物凄く良い家柄ですし残りのお三方も似たような家柄だろうと予測しているのですがどうでしょうか?」

「……当たっています。ですが彼女達の為にもこの事はご内密にお願いします」

「勿論です。ファンクラブでも推察するのは問題ないですけど個人情報を暴こうとするのはご法度になっていますのでその辺りは大丈夫かと」

「それならよかったです。芸能活動をしている私や透香ならいいのですが、流石に一般人の情報となると法律に触れますし捕まってしまうので。常識がある方々で本当に安心しました」

 これは冗談抜きで身の安全や日常生活を守る為にも大事だからな。新婚生活が悪意ある人達のせいで台無しにされて、更には危険もつきまとうとなれば看過できないし、あらゆる手段で持って対抗しなければいけなくなってしまう。そういうゴタゴタはなるべく避けたいし平和が一番なのでこれからも気を付けていこうと思う。

「話は変わるのですが正式なファンクラブが設立されましたし佐藤さんのグッズなどは販売しないのでしょうか?」

「そうですね……。その辺りの話はまだ聞いていないので今は何とも言えません。もしかしたら社長が考えているかもしれませんが、私に話が来るのはある程度纏まった段階だと思うのでまだ先ではないでしょうか」

「それは残念です。もしグッズが販売されれば佐藤さんと会えない日も寂しくなくて良いなと思っていたのですが……」

「私は新人ですし事務所に所属してからの仕事はまだ一つもこなしていないので流石に時期尚早かと。あとは知名度や人気が無いと売れませんしね」

「そんな事は無いです。確かに芸能活動を開始してからはまだお仕事をしていませんが、その前に街角で食レポをしたり、雑誌に掲載されたりドラマに出演していたので知名度も人気も佐藤さんが思っているよりもずっとあるんですよ」

「そう言えばそんな事もありましたね。食レポしたのなんて数年前なのによく覚えていましたね。私はすっかり忘れていました」

「ふふふっ~、佐藤さん絡みのことならすべて把握していますので」

 ドヤァ!って顔をしているけどそれってストーカーなのでは?と言う言葉が喉元まで出かかってしまったよ。雪音達なら知っていてもおかしくないけど、お客様が自分自身も忘れていることを覚えているというのはちょっと怖いかも。でも芸能活動をする上ではファンの方に覚えて貰えているのは強みになるので一長一短なのかもしれないな。

「話を戻してグッズですがどういうのが良いのでしょうか?例えばキーホルダー・ブロマイド・タオル・ぬいぐるみ等の小さくて邪魔にならない品の方が値段も抑えられますし沢山の人に買って貰えそうですよね。それと需要があるかは分かりませんが抱き枕カバーなんかもありかもしれません」

「だ、抱き枕カバーですか?」

「はい。あくまでもカバーだけの販売なので枕の部分は買わないといけませんが」

 今はどうか知らないが昔はエロゲの特典で抱き枕カバーが付いてきていたからな。高級素材や特殊な印刷方法を使った一万円以上する高級抱き枕カバーも売られていたなぁ。イラストもかなり際どいのもあれば下着姿という普通な感じのもあったけど個人的にはエロくてなんぼだと思っているので普通のイラストには興味を示さなかったのを覚えている。中途半端なエロさにする意味が分からないし、見たいのはそれじゃあないんだよ!と何度憤った事か。……んんっ。つい熱くなってしまったが差さる人には差さると思うんだよね。そんな期待をしていたが香田さんから返ってきたのは予想外の言葉だった。

「抱き枕カバーは色々な意味で危険ですし、問題が起きると思うので止めた方が良いかと」

「そうなのですか?割と良い案ではないかなと考えていたのですが」

「えっとですね……。そのー……」

 何やら言いずらそうに口を開いては閉じているのを見るにあまりいい内容では無いのだろう。聞かない方が良いのかもしないが物凄く気になる。途中で止められると例え悪い内容でも続きを聞きたくなってしまうものだ。さてどうしようかな?と考えていると近くで作業をしていた小百合が話しかけてきた。

「拓真さん。少しよろしいでしょうか?」

「はい。大丈夫ですよ」

「ではお耳を貸して下さい。――もし拓真さんの抱き枕カバーを販売すれば確実に自慰行為に使われてしまいます。しかも老若男女問わずに」

「ですが肌を晒していたり、下着姿というわけでもないのでそういう使い方はしないのでは?そういう行為をするほど性的な魅力は感じないでしょうし」

「その考えはあまりにも甘すぎます。男性を見たことがない人が殆どなのに芸能人で物凄く格好良い拓真さんがプリントされた品物があれば間違いなく自慰行為をしますよ。ましてやそれが抱き枕カバーという夜のお供にピッタリな商品となれば尚更ですね」

「言われてみれば確かにそうかもしれません。逆の立場になって考えれば金に糸目を付けないで買いますね。そしてプリントが擦り切れてよく分からなくなっても使い続けるでしょうね」

「お客様が色々な意味で危険で問題が起きると言っていた理由がお分かりになりましたでしょうか?」

「はい、確りと理解しました。滅茶苦茶売れるでしょうが俺の精神衛生上の問題と様々なリスクを考慮すると止めた方が良さそうですね」

「私もそう思います。もし売り出すのなら相応の対策をしないといけませんね」

「小百合。教えて頂いて有難うございます」

「いえ、妻として当然のことをしたまでですので。ではお仕事に戻ります」

 ふぃ~、これは香田さんが口ごもるのも納得だわ。だってあなたをオカズにしてオナニーしますよと言っているようなものだからな。俺が居た世界ならセクハラで訴えられる可能性もあったわけだし本当に危ない所だった。

 …………でも美人・美少女しかいない世界なんだし、そういう人達にオカズとして使われるのも悪くないかも?道行くOLさんや女子高生が俺を使ってオナニーしているかもしれないとか興奮するじゃないか。エロ漫画でありそうだけど実際にその立場になってみるとヤバいな。ついゲスな顔になってしまいそうになるが必死で表情筋を動かしていつも通りを装う。

「お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。妻に教えてもらい抱き枕カバーは販売しない方が良いと強く私も感じましたので、多分これから出る事は無いと思います」

「そうですか。安心したような残念なような何とも言えない気持ちですが、佐藤さんのお立場を考えるとそうするのが良さそうですね」

「普通に使えるキーホルダー・ブロマイド・タオル・ぬいぐるみ等でしたら大丈夫なはずですし、そこは多少期待して頂いても良いかなと言う感じでしょうか」

「そういう商品でしたら邪な事をしようとする人は殆どいないでしょうし安全そうです」

「ゼロではないんですね」

「そこはまあ……。旺盛な人や特殊な性癖を持っている人は少なからず居るはずですのでゼロは無理ではないでしょうか」

「ごく少数であれば私も目を瞑るしかないですし、そこはしょうがないと諦めるしかないですね」

「難しい問題ではありますよね。男性が芸能活動をするなんで二世紀以上無かったことですし、何もかもが手探り状態で進めていかないというのは物凄く大変だと思いますし」

「その点については私も事務所の方にご迷惑をかけているので本当にすみませんと謝る事しか出来ないのがもどかしいです」

 女性の芸能人は山ほどいるのでやり方というものが確立されているが、一転男性となると香田さんが言った通り全て手探りで進めていくことになる。些細な事でも関係各所に確認を取る必要があるし、法律上問題がないかもすべてチェックしなければいけないので面倒臭いこと極まりない。それでも社長をはじめ事務所の皆さんは喜んで仕事をしているので感謝しかないよ本当に。

 心の中で土下座しながら祈りを捧げていると、香田さんが話しかけてきたので気持ちを切り替える。

「失礼ながら先程の佐藤さんと小百合さんのやり取りを見てしまったのですが本当に仲睦まじいですね。こう、夫婦ならではの雰囲気が漂っていて羨ましくなってしまいました」

「自分では自覚が無かったので全然気が付きませんでした。付き合う前から一緒に仕事をしていましたしいつも通りにしていたのですが他人から見るとまた違う風に感じるのですね」

「それはもう全然違います。友達でも恋人とも違う空気感といいますかそういうものがあるんです。私も初めての経験なので上手く言葉に出来なくて申し訳ありません」

「いえ、香田さんが謝られるような事ではありませんよ」

「有難うございます。こういう感覚は今まで読んだどの創作物にも描かれていませんでしたし、もしかしたらとても貴重な経験をさせて頂いているのかもしれませんね。……学術的な意味でも後世に残る発見かもしれませんし」

「確かに今の世界情勢を考えるとあながち大げさな話ではないかも……という気になります」

「ですよね」

 男児の出生率は下がる一方だし、結婚する男性も同じく減少傾向にあるので香田さんが今しがた経験したような事はもしかしたら二度と無いかもしれない。いや、その可能性が高いだろう。それを踏まえて俺たち夫婦が及ぼす影響というものはどれほどになるのだろうか?何も変わらないかもしれないし、相手の人生を変えてしまうほどの影響を与えるかもしれない。だが俺が結果を知る事は出来ないし考えても無駄かもしれないがついどうなってしまうのだろうかと思いを馳せてしまう。

 どうなるかは神のみぞ知るのにね。

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