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第七九話

 季節外れの真夏日到来に毎日クーラーのスイッチを押す日々だ。日中暑いのは仕方ないとして夜には心地良いくらいまで気温が下がれば快適に過ごせるんだけど、二十五度を下回る事は無く寝苦しい夜を過ごさなければいけない。クーラーはもはや必需品だが、北海道などは普及率が六割くらいしかないと以前ニュースで見た事がある。近年の異常な暑さに対して扇風機で凌ぐのは戦場の最前線に竹槍で突撃するのと同じくらい無謀じゃないかと思うんだが、実際のところどうなんだろうか?

 勝手なイメージだが昔は避暑地として夏の間は北海道で過ごすという人達もかなり多かったけど、今は本州と同じくらいの気温だし大差ないのかもしれない。

 正直夏が好きか嫌いかと問われれば嫌いだ。暑いし、汗をかくし、とにかく不快指数が高くて過ごしにくいので無くなればいいのにと何度思った事か。夏のメリットは女性が薄着になるのと水着姿を見れるくらいだろうか。どちらも過酷な夏を過ごせるほどの魅力はないのでやっぱり夏はいらない季節じゃないだろうか。

 つらつらと恨み言を吐き捨ててしまったが今日はそんな真夏日を吹き飛ばすイベントが用意されている。二週間ほど前にお店に来店された山田さんと話した際に決めた事なのだが、プールに行くのだ。各々のスケジュール調整をした結果少し時間がかかってしまったが無事当日を迎えられた。

 参加者は俺、雪音達、お義母さん達、幼女三人組とお母さん達、特別警護対象保護課の面々、四季鳴館学院の理事長こと甲崎さんと桜川さんとなっている。まさか誘った人全員が参加してくれるとは思わなかったのでかなり驚いた。多忙な中来てくれて本当にありがとうございますと感謝の念でいっぱいだ。

 ――さて、今回行くプールは市内にある中規模のレジャー施設で貸し切りで利用する場合は最低でも一月前に予約をしなければけない上に、貸し切り料金は数十万円と結構高額だ。しかもこれは施設にあるプール一つを借りる場合となる。今回は男である俺が居るのでレジャー施設丸ごと貸し切るという大富豪みたいな真似をしている。ちなみに料金の方は閑散期なので多少お安くなって六千万円なり。……一般人ならどうあがいても手が出せないし、俺も値段を聞いた時は諦めるしかないと思ったがある条件を呑めば無料で貸し出してくれるという話だったので聞いてみたところ随分とあっさりとしたものだった。

 その条件とは男性が当施設を利用して楽しい時間を過ごしました!と宣伝してもいいか?という内容で拍子抜けしてしまったが返事は勿論OKだ。宣伝材料になるだけで六千万が浮くんだから断るはずがない。そんな感じで話が纏まって諸々の準備をしている間に今日になったというわけだ。待ち合わせ場所はレジャー施設前なので今から向かえば丁度良い時間に到着するだろう。さて、楽しいイベントの始まりだ。

「おはようございます。えーと、まだ来ていない人はいますか?」

「確認するので少し待っていてください。…………はい、全員集合しています」

「分かりました。それじゃあ行きましょうか」

「はい」

 雪音が参加者の確認を素早く終えて報告してくれたが、俺が最後だったか。十分前には到着したんだが皆来るのが早いなと思いつつ施設の入り口を抜け中へと入っていく。

「そう言えば男性用の更衣室ってどこにあるんでしょうか?さっき館内案内図を見た時に載っていなかったんですが」

「あっ、すっかり失念していました。男性対応している施設ではないので更衣室やシャワー室、トイレ等は女性用しかないんです」

「あー……それは困りましたね。着替えはどこか適当な所でするとして、トイレは我慢するしかないですね」

「拓真さんさえよろしければの話になりますが、貸し切りで私達しかいませんし女性用を使用するというのはどうでしょうか?」

「確かに他の人はいないですし使えるならそうしたいですが、皆は嫌じゃないですか?男が近くで着替えたり、シャワーを浴びているのは恥ずかしかったりするでしょうし」

「私は全然恥ずかしくありませんよ。それに防犯の面からみても一緒の方が安全ですし」

 雪音の言葉に他の面々も深く頷く。本人たちが俺が一緒でも問題ないと言っているのだからお言葉に甘えさせてもらうか。それに男一・女三十人以上というバランスなんだから間違いが起こるという事も無いしな。多分大丈夫だろう。

「それじゃあ俺もご一緒させてもらいますね」

「はい、よろしくお願いします。では更衣室に行きましょうか」

 全員連れだって更衣室に行き着替え始める。そう、ここまでは何の問題も無かったんだ。服を脱ぎ水着に着替えるだけという五分もあれば終わる簡単な事のはずだったのに……。Tシャツを脱ぎ上半身裸になった所でなぜかすっぽんぽんの幼女三人組が来るわ、下着姿の透香と千歳がロッカーの使い方が分かるか聞きに来るわで場が一瞬でカオス状態に陥ってしまった。

「お父さんまだきがえてなかったの?」

「今着替えている最中だよ。美穂、凛、友香は裸だけど早く水着を着た方が良いよ」

「それは分かっているけどお父さんと会うのが久しぶりだったから離れたくなくてきちゃったの」

「そうか。それは嬉しいけど裸のままだったらお母さんに怒られるかもしれないし、早く戻った方が良いんじゃないかな。その方がこの後遊ぶ時間が少しだけ長くなるしさ」

「うん!お父さんがそういうならそうするね。じゃあまたあとでね~」

 裸のまま手を振りながら戻っていく姿を見送る。まだまだ子供なので凹凸も無く、真っ平らな所謂子供体型なので全く興味関心が湧かない。ペドフィリアであれば歓喜のあまり咽び泣き、神に感謝を捧げるのだろうな。正直女性らしさの欠片もない体型のどこに魅力を感じるのか理解できないが、俺には分からない素晴らしさがきっとあるのだろう。多分……。

 さて、問題が一つ解決したがまだ残っているのでそちらの対応もしなければいけないな。

「あ~、透香と千歳には悪いんだけどロッカーの使い方は分かるから大丈夫です」

「そうでしたか。余計なお世話だったみたいですみません」

「たまたま俺が居た世界と同じ形だったので問題なかったですが、全然違う感じだったらどうしようもなかったので心配して来てくれて有難うございます」

「もぅ、拓真さんは相変わらずお優しいですね。――もし何か分からない事や困った事があれば遠慮なく声を掛けて下さいね」

「はい。そうさせてもらいます」

「……ちなみに私の今日の下着はどうでしょうか?」

「とても似合っています。透香の雰囲気にマッチしていますし、セクシーで良い感じです」

「あの、拓真さん。私の方はどうでしょうか?」

「千歳の今日の下着は可愛い系なんですね。レースがふんだんにあしらわれていてとても可愛いですし、千歳の魅力を更にアップさせていると思います」

「有難うございます。この下着をつけてきてよかったです」

「こちらこそ良いものを見させていただき有難うございます。そろそろお互い着替えましょうか」

「そうですね。ではこれで失礼します」

 いきなり始まった下着品評会も無事閉幕し途中だった着替えを再開する。透香も千歳もエロかったな。下着姿だけじゃなく裸も何度も見ているのにエロいという気持ちは一切無くならないのは我ながら凄いと思う。こういうのはいつかは見慣れて何も感じなくなるんだろうなと童貞の頃は考えていたが全然違った。たかが布切れになに興奮しているんだよ?と冷めた事を言う男がいるかもしれないが、ブラジャーとパンツには計り知れない魅力と興奮を掻き立てる魔性が秘められているのだ。

 だが着用者によってそれらは増減するし、場合によっては激しい精神的ダメージを負う羽目になる諸刃の剣といえるだろう。それだけは注意しなければいけない。なにせ俺も一回だけ酷い目にあったからな。ふと脳裏に過ったあの時の光景に思わず吐きそうになったが必死に我慢する。最悪だと心中で溢しながらなんとか水着に着替えてプールサイドへと向かう。

 まだ女性陣は着替えているみたいで誰もいなかったので、プールに足を入れながらまったりと待つこと暫し。ゾロゾロと更衣室から人が出てきたのでそちらの方に目を向けてみる。

「拓真さん。お待たせしました」

「皆さん着替え終わったようですね。プールに入る前に軽く準備運動でもしましょうか」

「はい、分かりました。――あの、なんで目線を逸らしているのでしょうか?」

「あまりジロジロと見るのも失礼かなと思いまして。それと皆の水着姿がとても魅力的で直視出来ないというのもあります」

「存分に見てもらって構いませんよ。皆さんも拓真さんに見られて不快に思う事は無いでしょうし」

 菫の言葉にその場にいる女性たちがうんうんと頷いているので見ても大丈夫なのだろう。そういう事なら見過ぎないように注意しながら眺めてみるか。

 幼女三人組を除く大人たち全員がビキニを着用している。パレオを腰に巻き付けていたり、ワンピースタイプやタンキニタイプの水着を着用していないのは個人の好みか、はたまた男受けが悪いからか。どちらにせよ俺としては女性用水着=ビキニなので嬉しい限りだ。

 そしてヒモで結ぶタイプが八割を占めていて、残り二割はホルターネックという攻めた構成なのもグッドだな。みんなスタイル抜群でおっぱいも大きくて、一瞬スイカ畑に来てしまったのかと思ってしまったくらいだ。そんな巨乳の軍勢だがおそらく女性の中で一番おっぱいが小さいのが千歳じゃないだろうか?それでもCカップはあるし、日本人女性の平均カップサイズなんだから他の人達がデカすぎるだけだろう。一般的には巨乳は形が悪かったり、垂れていたりする場合が多いがこの世界の女性は違う。どれだけ大きくても綺麗なお椀型で、一切垂れることなく形を保っている。ソースは俺の彼女達なので信頼性には欠けるが概ね間違ってはいないはずだ。そんな至高のおっぱいが右を見ても、左を見てもあるんだから最高すぎる。俺のムスコもそそり立とうと元気になるのも仕方ない。

 ここまでが大人の水着についてだったが、幼女――もう小学一年生だし少女と呼んだ方が良いか。少女達はどうかというとこちらもある意味で凄い事になっている。今では見る事は無くなり創作の中でも少なくなってきたスクール水着を着用しているのだ。しかも旧型のスク水だ。最近では漫画やアニメでも新型のスク水で描かれる事が多いが、断じてそれは違うと声を大にして言いたい!新型スクール水着なんてただのワンピースタイプじゃないか。それのどこに魅力を感じろというのだろうか。そもそも旧型スクール水着は非常に理に適った作りで、着用者の事を考えて設計されている。それなのに淘汰されてクソみたいな新型に淘汰されてしまうのは絶対に間違っているし、俺は死ぬまで認めない。

 それと旧スクの良い所は胸元に名札を張り付けている点だ。少女達も例に漏れず胸元の名札には『一ねん二くみ』と書かれている。漢字ではなく平仮名で書いているというのが非常にポイントが高い。まさか創作物の中だけだと思っていたスクール水着姿の少女をこの目で見られるとは。俺、もう死んでもいい。

 ――脳内で長すぎる感想を思い浮かべていたが、そろそろ現実へ帰還してないと不審がられてしまう。一度コホンと咳払いしてから話を切り出す。

「そういえばプールに入る前の準備運動ってなにをすればいいんでしょうか?」

「軽いジョギングや動的ストレッチをするのが一般的ですが、今回は人数も多いですしラジオ体操にしましょうか」

「ラジオ体操ですか。小学生以来なのでちょっとうろ覚えですがなんとかなりそう……かな」

「周りの人の動きを真似すれば大丈夫ですよ。もし間違えてしまっても誰も気にしませんし気楽にいきましょう」

「分かりました」

 菫のアドバイスのもと全員でラジオ体操を始める。さてここで問題です。水着で体操をすればどうなるでしょうか?…………答えは滅茶苦茶エロい光景になるでした。

 上下に飛べばおっぱいがブルンブルンと弾ける様に揺れるし、前屈をすれば深い谷間と形の良いお尻がこんにちは、後屈をすれば美脚が目を奪い、上に目線を向ければ水着が股間に食い込んでスジが丸見えというどこを見ても性欲を刺激する場面ばかり。

 心頭滅却しようが、般若心経を唱えようが煩悩は消えるどころかさらに大きく燃え上がる始末。ここまでくれば解消する手段は一つでオナニーしてスッキリするしかない。更衣室でするのは臭いが残るから駄目だし、トイレも女性用しかないので精神的に厳しい。となるとシャワー室が妥当かな。取り合えずラジオ体操が終わったら急いで向かおう。

「はい、これで終わりです。お疲れ様でした」

「菫。悪いんだけど少しの間この場を離れますね」

「もしかして体調が悪いんですか?もしそうなら雪音に診てもらいましょう」

「いえ、そういうわけじゃなくて……。その、凄く言いづらいのですが男性の生理現象が起きまして一度発散させないとどうにもならないんです」

「そういうことでしたか。一人では色々と大変でしょうし私がお手伝いいたしますね」

「気持ちは嬉しいですが、同僚や上司と一緒に居た方がいいのではないですか?」

「拓真さんが最優先です。彼女達は思い思い好きに遊ぶでしょうし大丈夫ですよ。あまり時間もかけられませんし行きましょうか」

「あの、お二人のお話が偶然耳に入ってしまったのですが私もご一緒してもよろしいでしょうか」

「私は歓迎ですが拓真さんはどうでしょうか?」

「それじゃあ小百合の厚意に甘えさせてもらおうかな。二人ともよろしくお願いします」

「「お任せください」」

 適当にオナニーして終わらせようと思っていたが、あれよあれよという間に菫と小百合がお手伝いしてくれることになった。時間的に本番は無理だけどパイズリやフェラチオ、頑張れば素股くらいは出来るかもしれないな。二人掛かりで攻められたら一瞬で果てるだろうが、一回出しただけで収まる感じじゃないし二、三回はするだろうから確実に満足できるはずだ。さて、張り切って頑張りますか。

 ――あっ……、あぁ……、搾り取られた。菫と小百合の巧みな連携と超絶技巧で性欲&精液を根こそぎ奪い取られてしまったよ。それでも干からびる程ではないのでその辺は上手く調整してくれたんだろう。反面菫と小百合はツヤツヤしているけどな。表情も色っぽいし、見る人が見れば何かあったのは一目瞭然だろうけど、秘め事を暴こうとする野暮な人はいないから大丈夫なはず。多分ね。

 さて、重大な問題も無事解決できたし目一杯遊びますか。まずは定番の流れるプールから行ってみよう。

「おぉ~、プカプカ浮かんでいるだけでも結構楽しいですね」

「水がそこそこの速さで流れているので泳ぐのとはまた違った楽しさがあります」

「ですよね。こうして流れに身を任せているとリラックスできて嫌な事や悩み事が消えていくようです」

「贅沢な時間を過ごし方ってこういう事を言うのかもしれません」

「確かに」

 透香と話しながらゆったりとした時間を過ごす。子供にとってはただ浮かんでいるだけというのは退屈だろうけど、大人にとっては精神疲労と肉体疲労を癒す最高のアトラクションといえるだろう。

「あっ、すみません。方向転換しようとしたのですがぶつかっちゃいました」

「俺の方こそすみません。怪我は無いですか?」

「はい、大丈夫です。拓真さんの方は大丈夫ですか?」

「大丈夫です。流れるプールって周りに注意を払わないとこうしてぶつかっちゃうんですね」

「私も初めて知りました。今は人が少ないから大分マシだと思いますが混雑していたらずっと気を付けなきゃいけなくなりそうです」

「なんか気疲れしそうでちょっと嫌ですね。あっ、そうだ。ぶつからないように腕を組んでみるのはどうでしょうか?勿論透香が良ければですが」

「嫌なはずありません。それでは失礼します」

「おぉっふ……」

 無意識のうちに変な声が出てしまうくらい腕に当たる感触が凄い。普通に腕を組んでいるだけなのにいつもと全然違う。お互い水着なので肌と肌が直接触れ合うことになるのだが、そのせいで透香のモチフワ巨乳がダイレクトに感じられる。しかも姿勢を保つために小まめに動くためグニグニと押し付けられたり、胸の先っぽが腕に擦れたりと色々と味わえるのが最高だ。真面目な話事前にスッキリしていなかったら理性を失っていたのは間違いない。というか水中だと何しているのか他の人からは見えないからヤっていただろうな。プールに入る前の俺の選択は正解だったわけだ。

「こうして拓真さんにピッタリ寄り添っていると落ち着きます」

「俺での腕でよければいつでも貸しますよ」

「もぅ、ずるいです。そんな事を言われてしまったら毎日のようにおねだりしてしまいますよ?」

「透香だったら大歓迎です。なんたって愛しい彼女ですから」

「幸せ過ぎてどうにかなっちゃいそうです。それと子宮が疼いてしまって……どうしましょう」

 頬を染めながら上目遣いで聞いてくるとか反則ではないだろうか。もし透香と一戦交えるとなれば、雪音や菫たちが黙っていないだろうし、私もしたいですという流れになるのは間違いない。そうなると遊ぶどころの話ではなくなってしまうし、ただSEXしに来ただけになる。それは避けたいのだけど透香をこのままにしておくのは余りにも可哀想だ。我慢を強いられるのは本当に辛いからな。となれば本番じゃない行為をしてスッキリさせてあげるのがベストだな。

「この状況だとSEXするのは難しいので手でもいいですか?」

「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、お願い致します」

「全然迷惑なんかじゃないですよ。俺がそうしたいからしているだけなので」

「有難うございます」

 結局三十分ほどかけて透香を満足させてあげた。途中でお義母さん達や、特別警護対象保護課の人達とすれ違ったりしたが何とかバレずに済んだ。かなり怪しい場面もあったが、手でしていることが幸いした。――最初に俺が発散して、次に透香という流れなのでもしかしたら雪音、千歳、桜にもするのだろうか?フラグを立てた覚えは無いが、なんとなく嫌な感じがするし警戒はしておこう。そんな風に考えながら流れるプールを後にする。

 次はこれまた定番のウォータースライダーで遊ぶか。全長や高低差の違いで何種類かあるが、最初は一番短くて緩いのからいくか。階段を上り一番上まで行くと美穂が緊張した面持ちで立ち尽くしていたので思わず声を掛ける。

「美穂。どうしたの?」

「あっ、お父さん。凛ちゃん、友香ちゃんと話してこれに乗ることにしたんだけど、いざとなると怖くなっちゃって」

「凛と友香はいないみたいだけどどうしたの?」

「二人は先に行っちゃった……」

「そっか。それじゃあ俺と一緒に滑ってみるのはどうかな?一人だと怖くても二人一緒なら大丈夫だと思うし」

「お父さんと一緒!それだと全然怖くなさそう」

「よし。そうと決まれば早速遊んでみようか。俺が美穂を後ろから抱える形で滑るから俺の足の間に座る感じでお願い」

「わかった!よいしょっ。こんな感じでいい?」

「うん。大丈夫だよ。もし怖くなったら俺の腕をしっかり掴んでね。多少はマシになるはずだから」

「そうする。――えへへ。お父さんから抱きしめられているとすごい安心する」

「それはよかった。よし、準備も出来たし出発~」

 時間にして数分で滑り終えてしまったが中々に楽しかった。スピード感やスリルは殆ど味わえなかったが一発目としては十分だ。美穂も滑り始めは少し怖がっていたがすぐに楽しそうにはしゃぎ声を上げていたし上々といったところか。

 小さい子を抱えながらだったので怪我をしないようにとか、間違って手を離したりしないように等々色々と気を付けなきゃいけないのでちょっとだけ大変だった。だがこれもいい経験だし、勉強になったのでよしとしよう。

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