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第七五話

 色々と話しているうちにいい時間になったので、全員で買い物に行った後美味しいお昼ご飯をご馳走になった。雪音達も何度か中華料理を作ってくれたことがあるが、お義母さん達の作った料理は一段上の美味しさで、箸が止まらずいつも以上に食べてしまったよ。お腹がパンパンで今日の夕飯はもしかしたら入らないかもしれないと思いながらお茶を飲む。

 ふぅ~、やはり食後は熱い緑茶に限るな。いい感じに口の中をさっぱりさせてくれるし、なによりも気持ちが落ち着くのが良い。このままマッタリするのもいいかもな~なんて考えていると恵子さんが話しかけてきたので居住まいを正す。

「拓真さんには以前並行世界について軍警察や国が研究しているとお話したのですが、覚えていますか?」

「はい、覚えています。――ただ手掛かりがあまりにも少なすぎて遅々として進んでいないという事でしたよね?」

「仰る通りです。ただ、最近になって新しい発見がありまして研究が前に進んでいるんです」

「そうなんですか?」

「はい。有名ではないので知らないと思いますが、望月神社という長い歴史がある神社に時渡りという転生者に関する書物があるという事が判明しました。すぐに我々の方で関係者から話を聞き、書物を解読したところ並行世界からこの世界に幾度も人が来ている事実が分かったのです。厳密には拓真さんの状況とは違いますが、似ている部分もあるので近い内に何かしらの成果をお見せすることが出来るのではと思っています」

「あの、実は望月神社に半年くらい前に行きました」

「えっ、そうなのですか⁉」

「はい。時渡りに関する情報を知りたくてお話を伺うために行ったんですが、古い文献は読めなくて比較的新しい物だけを読んだのであまり有益な情報は得られませんでしたが」

「まさか拓真さんも望月神社に行っていたとは思いませんでした」

「俺も恵子さん達が調べに行っていたとは想像もしていませんでした。でも成果があったみたいで何よりです」

 俺には理解できない事でも本職の人には分かる事も沢山あるし、何より近い内に何かしらの成果を見せてくれる可能性があるというのが大きい。今まではほんの些細な手がかりすらなかった状況を鑑みるとあまりにも大きすぎる進展だよな。こういう感じで少しづつでも進んでいけば何十年、何百年後には並行世界に行く手段が確立されているかもしれない。勿論その時には俺は生きてはいないが、もし同じような状況に置かれている人がいたらきっと助けになるだろうしそれで十分だ。

「改めて俺のためにここまで尽力して下さり有難うございます」

「私達にとっても益になる事ですし、何よりも愛する息子の為に全力を尽くすのは当然ですから拓真さんはドンと構えていていいんですよ」

「そう言ってもらえてとても嬉しいですが流石に何もしていないのに踏ん反り返っているのは申し訳ないですし、そういう自分を許せないので今まで通りでいさせて下さい」

「そういう事なら分かりました」

 沢山の人が日夜汗水垂らして研究しているのに、王様気分でいられるわけがない。俺に出来る事はほぼ無いだろうが、少しでも助けになるように頑張らないといけない。――近い内に研究者の皆さんに挨拶に行った方がいいかな?でも研究内容は国家機密だし簡単に部外者が行けるような所でもないし、恵子さんを含めた関係者の人達に相談するか。

 ……相談で思い出したが、保留している案件があったな。ちょうどこの場にはお義母さん達や彼女達が揃っているし、どうするべきか話をしてみるのもありだ。どうせ一人で悩んでいても答えが出るわけでもないし丁度良いかもな。

「あの、皆さんに相談したい事があるのですがよろしいでしょうか?」

「私達でよければ聞かせて下さい」

「実は桜が通っている学院の理事長から特別非常勤講師にならないかとお誘いを受けていまして。ですが俺にはバーテンダーとしての仕事もありますし、誰かに教えるほど頭も良くないので正直どうしたらいいのか分からなくて……」

「拓真さんにお聞きしたいのですが、勤務日数や、時間、お給料等の待遇についてはどうなっているのでしょうか?」

「その辺りはまだ聞いていません。理事長からは勤務日数や時間はこちらに合わせると聞いているのですがその他の待遇については応相談と言った所だと思います」

「それだと条件が不透明なので決めづらいですよね。男性を雇用するとなると色々と難しいのは分かりますが」

 透香が難しい表情を浮かべながら言うが、そこまで大変なのだろうか?週五日フルタイムで働くなら条件や待遇、その他諸々で条件が厳しくなるのは分かるが今回の場合はかなり緩いはずだ。だけど透香を見ているともしかしたらそうでない可能性が高いのかも。そこら辺を聞いてみるか。

「もしかして男性を雇用するには特別な条件が必要になったりするんですか?」

「確か男性を雇用するにあたっての法律があったような。んー……なんだったかしら?」

「男性雇用に関する法律ですね。第八条までありますが、全てを満たしていないと法律違反で即逮捕、裁判を経ずに終身刑となります。また雇用した会社又は組織は違反が判明した時点で解体処分が下され半年以内に消滅します」

「おぉ、小百合は法律方面も詳しいんですね」

「お母様が国家元首なので自然と覚えてしまいました」

「いや、それでもさらっと言えるのは凄いです。――しかし違反した際の処分が相当重いですね。リスクとリターンを考えると男性を雇用しようなんて思わないのでは?というか理事長もここまでのリスクを背負ってまで俺を雇おうとするメリットってあるのでしょうか?」

 リスクリターン、メリット・デメリットを考えると正直男性を雇用する意味がほぼ無いのではと思うんだけど。お金が有り余っていて道楽で自分の会社に雇い入れるとかならまだ理解できるが、そういうパターンを除外して考えると……俺には理由が思いつかないな。

 考えても分からないものにいつまでも悩んでいても仕方ないし、ここら辺で切り上げるかと思考を打ち切ろうとした所で小百合から答えが齎される。

「確かに拓真さんの仰る通り男性を雇用するリスクはそれなりに高いですが、それを上回るメリットがあるんですよ。一番は社会的価値の上昇です。文字通り会社や組織の価値がうなぎ登りに上がりますし、それに伴い国や様々な機関から優遇を受けられます。勿論日本王国だけの話では収まらずに、世界的に有名になり関係を持とうと動き出すでしょう。それらに比べると雇用リスクなどあって無いようなものなんですよ」

「――ちょっと俺の考えていた規模と違いすぎて小百合の話に驚きましたが、そこまで規模の大きな話になるんですね」

「はい。なので桜さんが通っている学院の理事長も安易に拓真さんをお誘いしたわけではなく、多面的に検討した上でお話を持ち掛けたのだと思います」

「なるほどね」

 となると甲崎さんの方では受け入れる準備は出来ているという事だな。まあ、動き出すのは正式に契約を結んでからになるだろうが、そうなるとあまり待たせるべきではないだろう。

 ここで一度問題点を洗い出してみよう。まず、生活リズムが変わってしまう事に関しては一月もあれば慣れるだろうし、睡眠時間も早寝を心がければ問題ないだろう。二つ目は授業内容だが俺の好きにしていいと甲崎さんから言われているし、なんなら雑談だけでもOKらしいのでこれも特に問題は無し。

 三つ目だが、いきなり男性教師という異物が学院に現れた場合受け入れられるのだろうか?という問題だ。実質女子高だし、男性を見た事も会ったことも無いという生徒が殆どだろうから最悪拒絶される可能性もある。一応桜のクラスの生徒や、学園祭で話した生徒は好意的だったけどみんながみんなそうとは限らない。もしかしたら先生の中にも受け入れられないという人もいるかもしれない。

 そうなると確立した環境を破壊するようなものだし、それを俺は望んでいないのでせっかくの話だが辞退した方が良いだろう。……一応今気になっているのはここら辺だろうか。待遇やその他については相当無理な条件でない限り飲むつもりなので今回は除外するとして、やはり受け入れられるかが問題だ。

「桜に聞きたいのですが、もし俺が学院の教師になったら先生や生徒に受け入れられると思いますか?」

「皆さん大歓迎すると思いますよ。少なくとも私のクラスメイトや、担任の先生は狂喜乱舞しますね。他の先生や生徒ですが、男性と接するのが初めてなので最初はぎこちなかったり、距離を置かれるかもしれませんね。ですが何度か拓真さんとお会いして話をすればすぐに仲良くなれると思うので大丈夫です」

「俺もすぐに良好な関係を築けるとは思っていないので、ゆっくりでも仲良くなれたらそれでOKです。あとは、俺のコミュニケーション能力次第か。バーテンダーをしているので大人相手だと自信があるのですが、十代の若い子が相手となると……」

「あら?私も十七歳の女子高生ですが毎日拓真さんと楽しくお喋りしていますよ」

「桜は彼女だからさ。恋人という関係が前提にあるから気兼ねなく接したり話したりできるけど、生徒と教師という立場だとそうはいかないしね。難しい所です」

「ふふっ、彼女・恋人。とても素敵な響きです。拓真さんから言ってもらえてもう幸せすぎて死んじゃいそうです」

 蕩けた表情で嬉しそうにそう言ってもらえて俺も嬉しいが、周りから私にも言って下さい!という圧力をかけられているのでちょっと複雑だったりする。しかも雪音達だけだったら彼女だし良いんだけど、何故かお義母さん達からも圧をかけられているのが解せない。将来的には義理の母親になるのだから家族として言葉をかけて欲しいという事だろうか?

 でもいつか見た濁ったハートマークを目に浮かべている光景を思い出すとどうにも違う気がしてならないんだよな。ここは安全策を取って逃げるのが正解だな。

「あの~、あれですね。コミュニケーションに関しては実際に接してみないと分からない所もありますし当たって砕けろの精神でいったほうがいいのかもしれませんね」

「確かに思い悩んでいても分からない事ですし、精神衛生上その方が良さそうです」

「それにもし何かあっても桜が学院に居るので、助けてもらう事も出来るし」

「私としては何もなくても頼って欲しいです。拓真さんのお力になれるのは願ったりなので」

「有難うございます。頼りにさせてもらいます」

 もし桜が違う学院や学園に通っていたら誰も頼れる相手がいない中で頑張らなくてはいけなくなる。それを思うと恋人であり、学生という立場は本当に有難いし助かる。

 でもそう考えていたのはどうやら俺だけみたいで、少し難しい顔をしながら菫が話しかけてくる。

「私も拓真さんの護衛として一緒に居たいのですが、流石に授業中まで付きっきりは無理ですし……。いっその事年齢を誤魔化して学院に通おうかしら」

「菫の提案、あながち間違っていないかもしれないわね。高校時代の制服はまだ持っているし、見た目を少し変えればいけそうな気がするわ」

「私もそうだけど雪音も四季鳴館学院の卒業生じゃないでしょ。他校の制服で通うのはマズいわよね」

「そこは理事長にお願いして制服を用意してもらえばいいんじゃないの?」

「ナイスアイデア。となると必要な数は私、雪音は確定として小百合さん達はどうしますか?」

「お願いします」

「制服を着るのは高校時代以来なので今からちょっとドキドキしてしまいますね」

「四季鳴館学院の制服は可愛いですし、一度来てみたいと思っていたのでラッキーです」

「それじゃあ、桜さんを除く全員分なので五着用意してもらいましょう」

 なんかトントン拍子で話が進んでいるが、本当に問題無いのだろうか?いきなり見知らぬ人がクラスにやってきたら驚くだろうし、週二、三日しか登校してこないとなればいつかはバレると思うのだが。ちなみに桜以外全員二十代だけど制服を着て学院に居ても違和感は多分無いだろうな。そこはかとない色香や大人の雰囲気は隠しようがないが、大人っぽい人なんだろうなぁくらいで終わるだろうし。

 …………ついつい流されそうになってしまったが己の心に喝を入れて、和気藹々と話している雪音達に声を掛ける。

「話しているところすみません。菫と雪音の提案はとても嬉しいですが、実際に五人が学院に通うとなると色々と問題も起こると思うので今回は気持ちだけ受け取らせてもらいます」

「そうですか。残念ですが仕方ありませんね。でも制服だけは何とか手に入れたいですね」

「その心は?」

「拓真さんに見て欲しいからです。――以前私の高校時代の制服をお見せした時にすごく喜んでいたので違う学校の制服も見て欲しいなぁと」

「あの時ですか。……自分でもビックリするくらい興奮したのを今でも覚えています。ハッスルし過ぎて雪音には相当負担を掛けてしまい本当にすみませんでした」

「いえいえ。私もいつもとは違うシチュエーションに興奮しましたし、とっても気持ちよかったですからお気になさらずに」

「凄い乱れっぷりでしたもんね。今思い出してもグッときますし、男心が疼いてしまいます」

「ふふっ、それじゃあ今夜にでもまた味わってみますか?」

「ぜひお願いしま――」

 意気揚々とお願いしますと言いかけた所で、この場にはお義母さん達がいる事を思い出した。彼女達だけならこのくらいの猥談ならば許容範囲だろうが、義母が居る前で話す内容ではないよな。と思った所で時すでに遅し。時間を戻すことはできないし、発言を撤回することもできない。終わりました……。

「ふむふむ。拓真さんは制服がお好きなのですね」

「問題は学生服が好きなのか、他の制服も好きなのかですね」

「確かに重要な点ですね。受付嬢、客室乗務員、カフェの店員、販売員、看護師、医師などなど一口に制服と言っても多種多様ですし、どれが好きでどれが嫌いを知ることが先決かしら」

「もし嫌いなタイプを選んでしまったら目も当てられませんものね。あとはどうやって入手するかが問題です。そういった服を扱うお店で関係者以外が買えるのか、また値段がどのくらいかも調べないと」

「こうして洗い出してみると色々とやる事が多いですが頑張りましょう。――という事で拓真さんにお聞きしたいのですが、どういった制服がお好みでしょうか?」

「ちょ、ちょっと待ってもらってもいいですか?」

「はい。構いませんよ」

 あれ~?雪音との猥談で引かれたとばかり思っていたが、全然そうじゃなかったよ。というか制服談議で盛り上がっていたし、俺に見せる気満々という感じで話していたしな。お義母さん達の年齢を聞いた事は無いが雪音達の年齢から考えると四十代なのは間違いない。俺が居た世界の感覚だとその年齢でコスプレをするのはキツ過ぎる……という人が大半だろう。だがこの世界では七十代、八十代でも見た目・肉体共に二十代前半だからな。それもこれもナノマシン技術が凄まじい速度で発展しているからに他ならない。正直今でもこの世界の女性は人間ではなくエルフなんじゃないだろうか?と疑問に思うよ。

 というわけでお義母さん達のコスプレは大いに結構だし、絶対に似合うので見たいという欲求はある。が彼女が居る前で素直に性癖を伝えていいのだろうかという躊躇いもあるわけで……。

 どうしたもんかとチラリと千歳たちへ視線を送ると頷きで返してきた。これは問題ないという事かな。であれば恥ずかしいが伝えるか。

「えー、嫌いな制服は特にありません。ただ、強いて言うならパンツスタイルはあまり好きではないですね。個人的に魅力をあまり感じないので」

「ふむふむ。他にはこういう格好が好きなどはありますか?」

「物凄く個人的な好みになりますが黒ストッキングを履いて、スリットが入ったタイトミニスカートを合わせて、トップスはブラウスもしくはノースリーブシャツを着ている服装がグッときます」

「OLが着るような服装ですね。それならすぐに用意出来そうですしバリエーションも沢山作れそうね」

「あくまで先ほど挙げたのは一例なので絶対にその恰好じゃないと駄目というわけではないので」

「分かりました。では他に好きな服装を聞かせて下さい」

 その後一時間ほどかけて俺の好みや性癖を暴露することになった。滅茶苦茶恥ずかしかったし、途中で言い淀む場面もあったが何とか切り抜けたぜ。あと、何故か俺よりも彼女の方が俺の好みや性癖に詳しかったのは謎だ。というか俺も知らないような事も知っていたのは不思議だが気にしたら負けだろう。

 という感じで横道に逸れに逸れた話は終わったが、俺が教師になるか否かはまだ伝えていなかったな。

 一段落ついてタイミング的に丁度良いし、どうするか言おう。

「少し話が戻るのですが、教師になるかどうか決めたのでお伝えします。皆と話して色々な意見を聞いた上で自分なりに考えた結果お話を受けようと思います」

「分かりました。私達もお手伝いしますし、困った事や問題が起きたらすぐに言って下さい」

「はい。その時はよろしくお願いします」

「拓真さんを雇用するとなれば軍警察や国も動くことになりますし、これから忙しくなりそうです。雪音も医療体制の構築なんかで大変になるんじゃない?」

「そうね。万が一は絶対に許されないから何重にも対策をして、各医療機関と連携を取らなければいけないわね。お母様にも手伝ってもらう事になると思いますがよろしくお願いします」

「分かったわ。連携を密にとって万全の体制を構築しましょう。幸いにも日本王国女王と軍警察長官が味方に居るから余程の問題が起きない限り大丈夫よ」

「国内はどうとでもなるのだけど、男性教師誕生の話題はどれだけ情報規制したとしても海外に漏れるだろうし、その対応をどうするか今から考えないといけないわね」

「権力者や政財界に名を馳せる大物の娘が強引に学院に転入してくる可能性は非常に高いし、なんとしても水際で止めないと大変な事になりそうだわ」

 外国が絡んでくると国と国の話になるし、俺の出番はなさそうだ。というか国内であっても出来る事は無いんだけどね。恵子さんと美咲さんに任せっきりになってしまい心苦しいがお願いするしかない。

 ――あとは甲崎さんに明日にでも連絡してお話を受ける事を伝えておこう。先延ばしにする意味も無いしな。さてと、これから忙しくなりそうだし英気を養う為にも今日は目一杯楽しもう。

 その後は他愛無い話で盛り上がったり、雪音の小さい頃の写真を見ながら思い出話を聞いたり、将来どういう家庭を作りたいかで女性陣が白熱した議論をしていたりと充実した時間を過ごした。そして夜にはご飯をご馳走になり、お風呂もどうぞと言われたが体力的にも精神的にも風呂に入ったらそのまま寝てしまいそうだったので遠慮したんだが物凄い残念そうな表情を浮かべていたのは何故だろうか?

 ……そこを深く詮索すると大変な事になりそうな予感がするので止めておこう。さて、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので気が付けば深夜に近い時間になっていた。

「もう夜も遅いですし、この辺りで失礼します。今日は楽しい時間を過ごせましたし、沢山お話が出来て楽しかったです」

「こちらこそ楽しかったです。また遊びに来てくださいね」

「はい。その時はよろしくお願いします」

「それじゃあ玄関までお見送りしますね。あっ、忘れ物などは無いですか?」

「はい、大丈夫です」

 全員で玄関まで行き、外へ出ると雪音のお母さんが手を振りながら見送ってくれた。

 こうして充実した一日が終わったけど、心地良い疲れだけが残っているのはそれだけ楽しかったからだろう。さて、明日からも頑張りますか。

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