第七一話
このままじゃずっと無言でいることになるしなんとかしないとと必死に頭を回転させていると、雪音がそっと耳に口を近づけてきて小声でアドバイスをくれた。
「拓真さん。学生の方たちに質問を募ってみてはどうでしょうか?色々と聞きたい事も沢山あると思いますし、そこから話を膨らませていけばスムーズにいくと思います」
「雪音。有難うございます。アドバイス通りにしてみます」
「はい。頑張ってください。ファイトです」
雪音のナイスアシストを得て方針が固まったところで生徒たちへと視線を移す。女子高生達から一心に関心を寄せられているというのは初めての経験なので物凄く緊張するが、心に喝を入れてから喋りだす。
「皆さんも聞いていたと思いますが、理事長の厚意で教師の真似事をすることになりました。短い間ですがよろしくお願いします。――では、最初の授業は俺に関する質問コーナーにしたいと思います。基本的にどんな内容でもOKですが、あまりプライベートに踏み込んだ質問ですと濁した回答になるのでそこはご了承下さい。では、何か聞きたいことがある人はいますか?」
「はい」
「どうぞ」
「えっと、佐藤先生は桜ちゃんとはどういうご関係なのでしょうか?」
「やっぱりそこは気になりますよね。俺と桜は結婚を前提にお付き合いしています。ちなみにこちらにいる静川さんと倉敷さんとも結婚を前提にお付き合いしています」
「男性とお付き合い出来るなんて創作の中だけだと思っていました……。しかも結婚を前提という事は将来夫婦になるという事ですよね」
「その通りです」
「羨ましすぎて頭がおかしくなりそう……」
色々な感情が入り混じった表情を浮かべながら呟く女生徒だが、まあ気持ちは分かる。もし俺が彼女の立場だったら発狂していただろうしな。ただ、妬み嫉みを抱いたりしている感じではないのが救いか。あくまでも羨望や、憧憬といったポジティブな感情だし今の所は問題ないかな。
「はい。佐藤先生はどの様な女性がお好きなのか教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「俺のタイプですか。外見に特にこだわりは無いですね。内面――性格とか価値観とか考え方が合うかどうかを重視します。ただこれだけだと少し味気ないと思うのでもう少し付け加えると外見に関しては美人や美少女だととても嬉しいですね。あとは黒のストッキングを履いているとそれだけで好感度が上がります」
「桜ちゃんがある時を境にずっとストッキングを履いていたのはこういう理由があったんですね。納得です。早速帰りに沢山買ってこないと」
「美人や美少女という条件には私は当て嵌まらないしもう整形するしかないのかな?一応ストッキングを履くことで好感度は上げられるという事だったけど顔面偏差値が低いとどうしようもないし……」
「それだけじゃないわよ。佐藤先生は内面を重視すると言っていたじゃない。小さい頃からある程度の教養は教えられてきたけど、男性に認められるほどではないし……。こんな事ならもっと勉強しておけばよかったわ」
一人目は明るい感じの内容だったが二人目、三人目は内容が重いな。これは男という生き物にバイアスがかかっているからだろう。だがこれは仕方ない。だって今まで生で見たことがなく、授業で教えてもらった内容や、ネットの情報から得た知識しかないのだからそうなってしまうのも当然と言えるだろう。
そしてそういう偏った知識があながち間違っていないというのも問題を大きくしている。俺自身この世界の男性とまだ会った事は無いが、実際に会って話した人から話を聞いたりした限り本当に酷いからな。お前はどこぞの独裁者だよって思うほどだ。
だからこそ俺の場合はという条件がつくがどう考えているかを正確に伝えないといけない。このままだと間違った情報が拡散してしまい、俺が思っていたのとは違う方向へ進んでしまいそうだしね。
「皆さんが少し勘違いをしてるようなので少し訂正させて下さい。まず、このクラスに居る全員がとても可愛いですし、紛れもない美少女です。ですので自信をもって下さい。あとは、先ほど内面を重視すると言いましたが何もかも最高水準でなければいけないという事は一切ありません。分かりやすい例を挙げると他人を思い遣れるとか一般的な社会常識がある、好きなものが似ているというような普通の事こそが大事だと俺は思っています。その点皆さんであれば何も問題は無いと思うので気にされる必要はないです」
ここまで一気に言い切ったので少し息が上がってしまったが言いたい事は全て伝えた。あとは彼女たちがどう思い、どう感じるか次第だな。こればっかりはすぐに結論が出ることではないし、時間をかけて各々で咀嚼して落とし込むしかない。それを見守るのも大人の役目ってね。
「少し重い話をしてしまったので、雰囲気を変えるためにも楽しい話をしましょうか。皆さんは休み時間や放課後は何をして過ごしているんですか?」
「はい。私は部活動をしています。テニスをしているのですが、ダイエットや健康維持に丁度良いですし何より楽しくて毎日充実した日々を過ごしています」
「ほぉ、テニスですが。ちなみに硬式、軟式どちらですか?」
「硬式です」
「成程。テニスと言えばスコートですよね。プリーツがあるタイプと無いタイプがありますが、個人的には断然プリーツあり派ですね。単純に可愛いですし、下にインナーパンツを履いているのが分かっていてもプリーツスカートだと簡単に翻るのでついつい目が行ってしまうものです。……って何熱弁しているんだよ俺…………」
女性しかいない中でなに男目線で気持ち悪いことを嬉々として話しているんだよ。これは百%ドン引きされただろうな。俺が女性の立場だったら一緒の空気を吸いたくないくらい気持ち悪いし、さっさと視界から消えてくれこの変態野郎と内心で思うこと間違いなし。
さらに最悪な事にこの場には彼女がいるという事だ。女子高生の前でスカートの中を覗けるとか最高だよねとか話している彼氏とかどう思われるだろうか?最悪別れ話を切り出される可能性もあるわけで。やっちまった~と冷や汗をかいていると生徒から想像もしていなかった言葉が投げかけられる。
「あの、インナーパンツってなんでしょうか?スカートの下は普通の下着を身に着けているのですがもしかして変でしたか?」
「えっ?」
「えっ?」
ちょっと待ってくれ。テニスに限らずバスケットやバドミントン、陸上競技等々広く普及しているし当たり前だと思っていたのだけど違うのか?というか普通の下着だと見られたらかなり恥ずかしいと思うのだけどそこら辺どうなんだろう。
いや待てよ。そもそもの話インナーパンツの存在を知らない感じだったからこの世界には存在していない可能性もある。でも女性がスポーツをする上で必需品と言っても過言でないものが無いというのはさすがに無理があるのではないだろうか。一体どいう事だ?と頭に疑問符を浮かべていると菫が近づいて耳打ちしてきた。
「拓真さん。おそらくインナーパンツというのは下着の上に履くものだと思いますが、この世界では存在しません。基本的に普段履いている下着のままでその上に何かを着用するという事は無いです」
「えっ、そうなんですか?それだと動いたらパンツが丸見えになっちゃいますよ?」
「同性しかいませんし、別に下着を見られたところで自分も相手も何も感じませんので問題ありません」
「あー、そういう事ですか。理解しました」
言われてみれば確かにそうだなと頷くしかない。俺に置き換えてみると野郎のトランクスが見えた所で何とも思わんし、それと同じか。……一部興奮する特殊性癖持ちがいるかもしれないがごく少数だと思うのでその界隈の人たちが一旦除外する。
んんっ。少し話が逸れたが冷静に考えるとスポーツを見る=パンツ見放題という図式になるわけか。となると俺がとるべき行動は一つ。
「話を中断してしまってすみませんでした。少し俺の常識と齟齬があったので驚いてしまいましたがもう大丈夫です。それと普通の下着で運動するのは全く変ではないので安心してください。寧ろその話を聞いてスポーツ観戦に興味を持てたので有難うございます」
「こちらこそいろいろと教えて頂き有難うございました」
「他に質問がある人はいますか?」
「はい。男性に接する上で気を付けた方が良いポイントなどがあれば教えて欲しいです」
「これは簡単であり、難しい質問ですね。一般的な話をするのであれば一気に距離を縮めようとしない、一方的に話すのでは無く会話のキャッチボールをする、パーソナルスペースを守って必要以上に近づかない、あとは空気を読むといったところでしょうか」
「成程。ご教授頂き有難うございます。一般的な話という事でしたが佐藤先生の場合はどうなのか教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「勿論構いませんよ。俺の場合は基本的に気を付ける事は無いですね。肩がぶつかるくらい至近距離に居ても大丈夫ですし、話をすること自体好きなのでどんどん話しかけてきてほしいですし、俺からも話しかけます。あとはそうですね……流石に悪口を言われたり、暴力を振るわれたら怒りますがそういう事以外なら大抵は許容しちゃいますね」
接客業をしているからか大抵の事では怒らなくなったんだよな。特にバーだとお酒を飲みに来る場所だから泥酔して暴れたり、暴言を吐く人も稀にいるしそういう人達を相手にしているうちにちょっとした悟りを開いた感じだろうか。とはいえ仕事中にそういう質の悪い人に出会うのと、プライベートで出会うのではまた違うんだけどさ。少し昔の出来事を思い出していると、横にいる彼女たちが真剣な表情で何やら話し合っているのが目に入る。
「拓真さんに暴力を振るったり、暴言を吐いた時点でありとあらゆる手段を使って人生を終わらせてあげます。何があろうと絶対に」
「軍警察の総力を挙げて逮捕して、刑務所に終身刑で送り込んでやります。というか拓真さんの近くにそんな危険な人がいれば事前に排除しますけどね」
「私はまだ学生なので出来る事は少ないですが、お母様にお願いして久慈宮財閥の力を借りて悪漢をやっつけます」
何やら剣呑な雰囲気で、危ない話をしているのでここら辺で一旦落ち着かせよう。このままだとどんどん危険な方向へ進んでしまいそうだしな。
「三人とも。さっきの話はあくまでも仮定の話であってそうそう起こるものでもないし、あまり白熱しすぎないようにして下さいね」
「「「分かりました」」」
よし、これで大丈夫だろう。あとはまたしても話が中断してしまったし、横道に逸れてしまったので軌道修正しないと。
「すみません、お待たせしました。さっきも言ったように俺に関しては一般的な男性とはかなり違うので積極的に話しかけてきたり、行動してもらってOKです。というよりも俺も皆さんと仲良くなりたいのでお互いに気兼ねしないでいきましょう」
「はい。これからよろしくお願いいたします。――あの、早速で申し訳ないのですが少しご相談したい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「勿論です」
「実は学園祭の出し物で私たちのクラスは喫茶店をやる事になったのですが、普通の喫茶店だとほかのクラスと被ってしまうのでお客様の目を引く要素がないかとずっと悩んでいるんです。佐藤先生、何かいい案は無いでしょうか?」
「学園祭で喫茶店は定番中の定番ですし、ライバルも多いので確かに特徴が無いと誰も来ないなんてことになりかねませんよね。んー、そうですね……。パッと思いつくのはなにかしらのコンセプトを持たせる事でしょうか。例えばコスプレ喫茶やファンシーなグッズを沢山置いたファンシー喫茶、あとは動物をモチーフにした動物喫茶なんて言うのもありだと思います」
「成程。コンセプトを決めてそれに合わせて店内を飾ったり、店員の服装を変えるというのは珍しいですし、目立ちそうです」
「俺もそう思います。あとは基本に立ち返って和風喫茶なんて言うのもありだと思います。店員さんは全員着物を着て、店内も江戸時代の茶屋をイメージすると雰囲気もありますしかなり良い感じになりそうですね」
ここまで本格的な和風喫茶は中々無いのではないのだろうか。俺が居た世界でも殆ど見たことがないし、それが学園祭ともなれば尚更だろう。物珍しさからお客様も興味を持つだろうし、着物もレンタルすれば簡単に人数分揃える事が出来る。あとは内装に関してだがこれは舞台美術用小道具・大道具をレンタルしている会社にお願いすれば良いしな。こう考えると殆どレンタルで済ませられるしかなり楽だし良いんじゃないだろうか。
とはいえ、最終的には生徒が決める事だしな。俺が出した案を採用してくれたら嬉しいけど、全く別の良案が生まれてそちらにするというのでも構わない。さてどうなるかな?と様子を窺っていると、桜が話しかけてきた。
「そういえば拓真さんは着物がお好きでしたよね?」
「好きです。着物に限らず和服全般が好きですね。独特の魅力がありますし、何よりも日本の伝統的な服装ですから」
「前にお母様達と顔合わせをした時も凄い喜んでいましたし、ずっと見ていましたものね」
「ぐっ……。それはお義母さん達があまりにも魅力的だったからつい見惚れてしまったんです」
「ふふっ、分かっていますよ。――私としては拓真さんに喜んでもらえるのが一番大事なので和風喫茶に一票入れたいと思います」
「私も一票入れます」
「私も賛成です」
「私も同じく賛成です」
クラスに居る生徒達から口々に賛成の声が上がる。最終的にクラス委員長らしき人が採決を取った結果全会一致で可決という事になった。
「自分で提案しておいてなんですが、まさか全員から賛成を得られると思っていなかったので凄く嬉しいです。有難う御座います。……ただ一つ不安な点がありまして、着物や大道具・小道具をレンタルすると思うのですが予算は大丈夫なのでしょうか?そこそこな金額になるはずですし、もし予算的に無理そうなら別のコンセプト喫茶にするのもありです」
「各クラスごとに割り振られている学園祭準備予算は確か十万円だったので全員分の着物と道具をレンタルするとなると確実に足りませんね……」
安価でレンタルしている会社にお願いしても十万円じゃ絶対に足が出るな。高校生だと自前で着物を持っている人なんて殆どいないだろうし、道具にしたって一から作るのは期間的にもかなり厳しいだろう。提案したのは俺なんだし何とかしたいところだが、そっち方面にコネがないんだよなぁ。お酒を扱うのであればいくらでも手助け出来るんだけどそうじゃないしな。うんうん唸っていると理事長――甲崎さんがポンッと手を叩きながら生徒たちに話しかける。
「佐藤さんの案には私も賛成ですし、予算の関係で却下されるのは非常に心苦しいです。なので今回は特例としてクラス予算を無制限にします。幾ら掛かっても構わないので最高の喫茶店を作り上げて下さい」
「「「やった~!!」」」
甲崎さんの太っ腹な発言にクラス中が一斉に湧き上がる。予算無制限というという事は好きなだけ拘って良いわけだし、やりたい事を全て詰め込めるんだからそりゃあ大歓声も上がるわな。でも一つ心配なことがあるのでこっそりと甲崎さんに聞いてみることにした。
「甲崎さん。このクラスだけ予算無制限にしたのが他の生徒にバレたら問題になりませんか?それに予算って事前に計算して決めていると思いますし、突発的に変更しても大丈夫なのでしょうか?」
「それは問題ありません。もし他の生徒に知られてしまっても事情が分かれば納得するでしょうから。予算に関してもプールしているお金を少し回せばいいだけですし大丈夫です。最悪私の自腹で何とかしますし」
「流石に甲崎さんだけに自腹を切らせるわけにはいかないので、その場合は俺も半分くらいは出します」
「お気遣い頂き有難うございます。ですがそこまでして頂いては私の面子も立ちませんしお気持ちだけ頂きますね」
「――分かりました」
甲崎さんには結構負担を掛けてしまう事になってしまったので本当に申し訳ない。今度お礼も兼ねてお店に来た時にサービスしよう。当分は学園祭絡みで忙しいだろうからお店に来るのは当分先になるだろうがその頃には特別非常勤講師になるかどうか決めているだろうし、返答しよう。
色々と先の事について考えを巡らせ居ているとピーンポーンパーンポーンとチャイムが鳴り授業をの終了を知らせてくる。確か今は六限目だったからこの後はHRをして終わりか。
「時間になりましたのでこれで俺の授業……と言っていいのか分かりませんが終わりたいと思います。皆さんお疲れさまでした。えっと、この後ですがHRだと思うので桜川先生にバトンタッチしますね」
「佐藤先生有難うございました。それではいつもより早いですがこれからHRを始めたいと思います。まずは――」
そこから十分ほど桜川さんの話が続き、帰りの挨拶をして終わりとなった。さてと、俺もやる事は全て終わったし帰るとするか。
「桜。俺達は帰ろうと思うのだけどこの後何か用事とかありますか?」
「私は部活などはしていませんし、このまま拓真さん達と一緒に帰ります」
「分かりました。それでは甲崎さん、桜川さん。本日はお時間を頂き有難うございました。色々と予定外の事もあったと思いますが、大変充実した時間を過ごせました」
「こちらこそ有難うございました。私達だけでなく生徒にとっても非常に貴重な体験が出来たので本来なら相応の謝礼をする所ですが、この場では感謝の言葉だけで失礼させて頂きます」
甲崎さんと挨拶をしたと、桜川さん、そして授業を担当していた教師の人にもしっかりと挨拶をした後教室を出る。が、絶妙にタイミングが悪かったのか他のクラスから帰宅する生徒たちがゾロゾロと教室から出てきてしまった。そしてお決まりの俺を凝視してまるで石像のように固まるという現象が発生する。今はまだ少ない人数だからいいが、もう少ししたら一斉に帰宅する生徒や部活に行く生徒で廊下は一杯になるだろうし、そうなると大騒ぎになること間違いなし。そうなる前にさっさと学院から出るべきだなと判断し歩き出そうとした所で生徒たちが再起動したようで興奮した様子で口々に話している。しかも廊下を塞ぐような形で密集してしまったので前に進めなくなってしまった。さて、どうしたもんかな?桜に職員用通用口まで案内してもらうのが最善だろうか。
「桜。悪いけど職員――」
「佐藤さん。私が通用口までご案内しますので着いて来て下さい」
「甲崎さん、すみません。お願いします」
甲崎さんが先頭に立ち騒ぎになる前に無事通用口まで来ることが出来た。ちなみに桜とは途中で分かれている。学生用の昇降口は離れたところにあるので仕方なし。
「それではこれで失礼致します」
「はい。佐藤さん達もお気をつけてお帰り下さい」
挨拶をした後少し駆け足で校門へと向かう。スーツ姿の男女が三人も揃っているとかなり目立つし、ちらほらと昇降口から出てきている生徒もいるのでゆったりとはしていられない。
校門前で桜と合流した後は近くの駅まで移動することになる。学院を出たし一応はこれで一息付けそうかな。しかし打ち合わせをするだけだったのにいつの間にか学院見学をすることになり、気が付けば教師の真似事をしていたという他人に言っても『妄想乙w ラノベの読みすぎで現実とフィクションの区別もつかなくなったか……。哀れな子羊め』という返事が返ってくるだろう。
だが事実は小説よりも奇なりという言葉もある通り、想像を超えた出来事が起こる場合もあるってことを今日身をもって知ることになった。……今でこれなら学園祭当日はどんな風になってしまうのだろうと背筋に冷たいものを感じつつ彼女達と帰路に就くのだった。




