第六十五話
午後になり今までよりも来場者が多くなったと感じる。それと同時に俺へと向けられる視線も物凄く多くなった。幾ら慣れているとは言ってもこれだけ沢山の人から一斉に見られたり、その場に立ち止まって固まられると少し疲れるな。肉体的にでは無く精神的にね。まあ、こういうのも何度も繰り返していけば慣れると思うのでそれまでの辛抱だ。
「次に行くアトラクションですが、満を持して絶叫系にチャレンジしたいと思います」
「いよいよですね。ジェットコースター、フリーフォール、ウォータースライダー等が定番ですが拓真さんはどれが良いですか?」
「そうですね。最初なのでジェットコースターに乗ってみたいです」
「分かりました。ここから歩いてすぐの所にあるのでそこに行ってみましょう」
「はい。――あっ、その前にトイレに行っても良いですか?」
「大丈夫ですよ。そう言えば男性用のトイレがパンフレットに記載されていませんでしたがどこにあるのでしょうか?」
「えっ…………」
小百合の一言に一気に背筋が寒くなる。いやいや待て待て。小百合が見落としている可能性もあるし、俺も念のため確認しておこう。かなり大規模な遊園地だし男性用トイレの一つや二つはあるだろう。そう楽観的に考えてパンフレットを隅々まで確認していくがどこにもない……。女性用のトイレは結構な数があるんだけど、どこにもない。
「俺も確認してみたのですが無かったです。どうしましょう」
「もしかしたら安全管理の都合上パンフレットには記載されていないだけかもしれないので一度インフォメーションセンターで確認してみませんか?あっ、それまで拓真さんはトレイを我慢出来そうですか?」
「大丈夫です。頑張ればあと一時間くらいは耐えられると思います」
「分かりました。では時間が惜しいのですぐに行きましょう」
小百合の提案でインフォメーションセンターでトイレがどこにあるか聞きに行く事になった。幸いな事に然程遠くない所にあるので、全員が少し早歩きで向かっている。
そうして無事辿り着いたので建物の中に入り受付で聞くことに。――ここでも先程の迷子センターと同様に受付嬢が固まってしまう事態になったが、状況が状況なので復帰を待つ事無く話しかける。
「すみません。男性用トイレがどこにあるのか教えて頂きたいのですが」
「は、はい。男性用トイレをお探しとの事ですが大変申し訳ございません。男性が当園に訪れる事が開業以来無かったのでご用意しておりませんでした」
「あー……そうですか。そうなるとちょっと困った事になりますね。そこらで用を済ませる訳にもいかないし、一度ここを出てトイレがある施設を探して行くとなると俺の方が限界を迎えるし。まいったな」
人目に付かない所で立ちションをするのは絶対に駄目だし、あと取れる方法としては空のペットボトルに出すというのも一つの手だろう。ただその場合人目に付かない場所でひっそりとやらなくてはいけないし後処理も大変だ。というか小便が入ったペットボトルを鞄に仕舞ってこの後も遊ぶと言うのは精神衛生上宜しくない。にっちもさっちもいかないとはこの事かと思わず頭を抱えたくなった時受付嬢さんが声を掛けてくる。
「すぐに上に確認しますので少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です」
「有難うございます。すぐに確認しますのでお待ち下さい」
そう言ってから一度バックヤードへと受付嬢さんが移動する。その後姿を見てから僅か数分で駆け足で戻ってきた。
「お待たせいたしました。上司に確認した所ここから一番近い女性用トイレを一時的に使用不可にして、利用してもらう形になりました。申し訳ありませんがそれでもよろしいでしょうか?」
「問題ありません」
「分かりました。今回はこの様なご不便を強いる形になってしまいましたが、早急に男性用トイレを用意すると上司が言っておりましたのでもしまた来園される機会がありましたらそちらをご利用ください」
「なんだか大事になってしまってすみません」
「いえ、お客様が謝る必要はありません。本来であれば私達が用意しておくべき事ですから。こちらの落ち度なのでお気になさらないで下さい」
「分かりました。それではトイレに案内してもらっても良いですか?」
「はい」
受付嬢さんの案内の元全員で近場のトイレへと移動する。すぐに目的地に着いたがどうやら並んでいる人も居ないようだし、これなら迷惑を掛けなくて済みそうだ。俺のせいで誰かが我慢しなきゃいけない事態になるのは嫌だったのでよかったと思っていたら誰かが使っているかもしれないので中を確認してきますと言って受付嬢さんがトイレへと入っていく。
それから少しして数人の女性と共に出てきた後、俺に声を掛けてくる。
「それではこれから少し間このトレイを使用不可にします。他のお客様が間違って入ってしまわない様に私はここで見ていますのでどうぞご利用下さい」
「有難うございます。では行って来ます」
「あっ、拓真さん待って下さい」
「何かありましたか?」
雪音に声を掛けられて一歩踏み出そうとしていた足を止める。
「男性用トイレと女性用トイレでは色々と勝手が違うので色々と困る事があると思います。なので私もご一緒してもよろしいでしょうか?」
「そう言う事なら雪音だけではなく私達も一緒の方が良いわね。もしかしたら雪音が分からない事も有るかもしれないし、その場合困るでしょう?」
「確かに菫の言う通りね。お願いしてもいいかしら?」
「任せて頂戴」
とんとん拍子に話が進んで、いつの間にか彼女達全員が俺に付いて行くという話になっているがちょっと待って欲しい。確かに雪音の言う通り男性用と女性用では違う所もあるだろうが基本的な作りや機能は同じだろうし、なによりも彼女にトレイに付き添われるとか恥ずかしい。仮にそういうプレイなら分からなくも無いが、普通に小便をするだけなので遠慮したい所だ。
「あの~、皆の気持ちは有難いのですが流石に恥ずかしいので一人で行って来ますね」
「えっ…………」
ぐっ……涙目になって寂しそうな表情を浮かべられると罪悪感が半端ない。彼女達が厚意で言ってくれているのは分かっているんだ。だけど女性用トイレに入るという羞恥心に加えて付き添われるというのは俺の心が死ぬ。だけどこの寂しそうな表情を見せられるとNOとは言えないよな。
「分かりました。一緒に来て貰っても大丈夫ですが、流石に恥ずかしいので個室から少し離れた所で待って居てもらっても良いですか?」
「本当なら最初から最後までお手伝いをしたかったのですが、そう言う事でしたら言われた通りに致します」
「すみません。お願いします」
一応話が纏まったのでトイレに行くとしよう。というか七人で連れ立って行くとか初めてだな。学生時代に男友達と連れションに行ったりしたものだが多くても三人くらいだったからここまで人数が多いとなんというか変な緊張感があるな。ちょっとドキドキしつつも中へ入ると菫から簡単な説明を受ける。トイレ周りの機能が俺が知っているものとはかなり違っていて驚いた。特にビックリしたのがボタン一つで個室内で発生する音――特に排泄音等――を完全に消音出来るというものだ。俺が居た世界でもトイレ用擬音装置等が普及していたが、それはあくまでも流水音などで誤魔化すと言うもの。完全消音出来るこの装置とは雲泥の違いだ。
実を言うと彼女達に小便の音を聞かれるのが一番恥ずかしかったのでこれは本当に有難い。さて、そろそろ我慢の限界が近いしさっさと用を足そう。
「お待たせしました。それじゃあ行きましょうか」
「はい」
手を洗ってから菫さんに声を掛けて外へと出る。案内してくれた受付嬢さんにお礼を言ってから目的地であるジェットコースター乗り場へと歩いて行く。向かっている途中で斜め後ろから千歳と透香が話している声が耳に入ってきたので何とはなしに耳を傾けてみる。
「やはりもっと親密にならないと難しいのでしょうか?」
「そうかもしれません。その辺りは男性と女性で感覚が違うと思うので焦って一気に進みめるのではなく段階を踏んで行った方が確実だと思います」
「では手始めに私達のトレイに付き添ってもらうという事から始めませんか?」
「それなら拓真さんも恥ずかしくはないでしょうし良い案ですね。……ただ、間近で拓真さんに見られてしまったら抑えが効かなくなるかもしれません……」
「うぅ……、言われてみると確かにそうですね。ベッドに行くまで我慢できる理性が残っていればいいのですが、もし無理だった場合はトイレで最低限抑えられる位まで済ませないと厳しそう……」
「そうなったらどうしようもないですし、諦めて拓真さんにお願いしましょう。勿論ベッドに行ってからは目一杯奉仕させてもらいますが」
周りに人が居るのである程度声を押さえて話しているが、その内容は俺の心にクリティカルヒットする。今まで幼女のおしっこを手伝った事はあるが、その時は何にも思わなかった。が、彼女になると話が違ってくる。成人女性のおしっこを間近で見る機会など特殊なお店にでも行かない限り不可能。エロ本やエロゲではそういうシチュエーションが普通にあるが、いざ自分が体験出来るかもしれないとなると興奮が止まらない。まず間違いなくベッドまで我慢できないだろうし、その場でハッスルするだろうな。ただ狭いので出来る事が限られるし、激しく動くことも難しいのでその辺りをどうするかが問題だ。
いざとなった時に困らない様にエロ知識を総動員して考えよう。まさにエロスは原動力なりだな。
とてもでは無いが他人には聞かせられない事を頭の中でこねくり回している内に乗り場に着いたのでファストパスを見せてジェットコースターに乗り込む。
凡そ十分くらいで恐怖の時間は終わり、今は近くのベンチで座っている。
「ちょっと予想以上でした」
「かなりのスピードでしたし、途中からスパイラル大回転に移った後に一気に最高高度まで上がったと思ったら地上近くまで一気に降下するのはやり過ぎだと思います」
「ですよね。余りにも怖すぎて叫び声も出なかったですし、身体がぶわっと浮かび上がる感覚が脳裏に焼き付いて暫く忘れられそうにありません」
「私も同じです。多分今夜の夢に出てくると思います。はぁ~」
話の最後に桜が溜息を吐いたが物凄く気持ちが分かる。絶叫マシーンにも色々と種類があるが今乗ったのは間違いなく最恐だと言える。年齢制限があるのも納得と言うものだ。というか子供が乗ったら泣き叫ぶか、あまりの恐怖に気絶するんじゃないかな?かく言う俺も未だに脚が少し震えているし、もう少し休まないと歩けそうにない。
「しかしこれだけ怖いのに楽しんでいる人もいるんですよね。かなりの強心臓の持ち主か、幾度の修羅場を潜り抜けてきた猛者か。どちらにしても俺には真似出来そうにありません」
「私も怖くて終始無言だったので拓真さんの気持ちは分かります。もっと穏やかな感じであれば楽しめるのでしょうけど、こんなに凄いと流石に……ちょっと」
「最初に選ぶべきでは無かったですね。ある程度軽めのアトラクションで慣らしてから最後に乗るか、事前に情報を集めて避けるべきでした。適当に選んだ俺のミスです。すみません」
「拓真さんは何も悪くありません。私の方でもパンフレットを見るなりしておけば避けられた事ですからお気になさらないで下さい。それに一度恐怖のどん底に落とされてしまえばこの後に乗る絶叫マシーンに対しても気が楽ですから」
「確かに桜の言う通りですね。恐らくこれを超えることは無いでしょうし、そういう意味ではなんでもどんとこい!って感じです」
胸を張ってドヤ顔で言ってしまったがフラグにはならないよな?次に乗ったアトラクションが地獄を彷彿とさせるような阿鼻叫喚と絶望に満ちているとかは多分無いはず。――でも万が一という可能性があるしここは確実にフラグをへし折っておこう。
「次は穏やかでゆっくりと楽しめるのにしましょう。その後に皆でパンフレットを見ながら安全そうな絶叫系アトラクションを探しませんか?」
「賛成です。立て続けに激しいのは少し辛いのでそうしましょう」
そんな感じで話が纏まった所で缶ジュースで喉を潤す。はぁ~、美味い。グレープフルーツ&パッションフルーツのダブルミックスジュースという良く分からない飲み物だが味は悪くない。普通にコンビニに売っていたら買うくらいには美味い。ただ遊園地価格で四百円もするのはどうかと思うが、あんまり売れてなさそうな感じがするので下手をするともう二度とお目に掛れないかもしれないので思わず買ってしまった次第である。そこそこ当たりだったから良かったが、ハズレを引いたら気分がだだ下がりになっていただろうし結果オーライ。
さて、ジュースも飲み終わったし次の目的地に向けて移動しよう。
その後安全安心を第一として乗るものを選んでいった甲斐があってかなり楽しめた。こういうのよ、こういうのという感じで彼女達と他愛も無い話をしつつ歩いていると少し先にマスコットが愛想を振り撒きながら手を振っている姿が目に入る。
「へー、MRだけでなくリアルでもマスコットが居るんですね」
「やはり実際に触れ合えるというとは体験として大きいですし、外せないのかもしれません。それにあのテコテコという擬音が付きそうな歩き方とかとても可愛らしいですし」
「確かに見ているとほっこりとした気持ちになりますね。――折角だから俺も行こうかな。そういえばああいうマスコットと握手とか記念撮影とか出来たりするのでしょうか?」
「問題無いとは思いますが、一応聞いた方が良いと思います」
「分かりました。そうしてみます」
雪音と話し終わった後みんなでマスコットの方へ近づいて行く。しかし近くで見ると着ぐるみの作りが緻密だな。安っぽさが無いし、細かい部分まで装飾がしてあってかなり高そうだ。これは着ている方も結構気を遣うんじゃないかな等と下世話な事を思いつつもマスコット――ミケニャン――に声を掛ける。
「こんにちは。とっても可愛らしいですね」
「………………」
「あの、少しだけ触ったりしてもいいですか?」
「………………」
あれ?何も反応が無いんだけど大丈夫かな。こういうのって普通身振り手振りで教えてくれるはず。なのに微動だにせず立ち尽くしているのは俺の聞き方が悪かったのかもという考えに思い至りもう一度声を掛けようと口を開きかけた所で首がガボッと持ち上がる。
勿論俺の首が取れた訳では無く、目の前のミケニャンの首が持ち上がったのだ。そして中の人が耳まで真っ赤にしながら弱々しい声で言葉を紡ぐ。
「お連れの方がいらっしゃいますし、他の来園者様も居りますがお望みとあれば是非もありません。私の身体でよければお好きな様に触って下さい」
そう言いながら背中に手を回してジィーという音と共に着ぐるみを脱いでしまう。ちょ、ちょっと待って欲しい。先程の首がもげるのでも子供が見たら泣くだろうし、大人の来園者でも驚くこと間違い無しなのにいきなり全てを脱ぎ捨てるとか大問題だろ。というか職務放棄で怒られるんじゃないか?
いや、待て。それよりも中の人が滅茶苦茶美人なんだけど。服装もタンクトップにショートパンツというかなりラフな格好だが着ぐるみを着て動くことを考えれば当然か。しかし薄っすらと汗ばんでいる肌、タンクトップを押し上げる豊満な胸、スラリと伸びた美脚、そして恥ずかしそうにモジモジしつつ上目遣いで俺を見ている表情。ああっ……、俺の理性が音を立てて崩れていく。隣に彼女が居るのは分かってはいるが一度火が着いた欲情は止まる事無く燃え上がる。相手が好きに触っても良いと言っているんだから同意は取れている。後で問題になる事も無いだろうしまずは太ももから……いや待て。チャンスは一度しかないんだからここはおっぱいかお尻を触るのがベスト!
魅惑の桃源郷へと手を伸ばそうとした時、菫から声を掛けられた。
「拓真さんのお好きな様にして構いませんが、私達もいるのをお忘れなく。それと写真を撮るのが目的でだったのでは?」
「あっ、はい。菫の言う通りです」
「拓真さんの端末で撮るので貸してもらっても良いですか?」
「はい、どうぞ」
「それじゃあ横に並んでもらった後、はいチーズで撮りますね」
「お願いします」
先程までの燃え滾る欲求は一瞬で鎮火した。菫からの冷静な言葉が無ければ下種な表情を浮かべてお姉さんの身体を触っていたと思うと、我が事ながら救えない。というか不機嫌になるなり、刺々しい言葉を投げかけられたりするよりも、こういう普通に指摘される方が心にくるな。うぅ……、彼女達には本当に申し訳ない事をした。今後は同じ過ちを犯さない様注意しようと心に強く刻みつつ着ぐるみを脱いだお姉さんの横に立ち、菫に撮影してもらう。
「それじゃあいきますよ。はいチーズ」
「有難うございます。――あっ、そうだ。着ぐるみを着た状態でも一枚撮りたいのですがいいですか?」
「勿論構いませんが、その前に私の端末でも写真を撮ってもらっても大丈夫でしょうか?」
「お安い御用です。菫、申し訳ないけどもう一回お願いします」
「はい。それじゃあいきますよ。はいチーズ」
「わぁ、有難うございます。この写真は家宝として一生大事にします」
「あ、あはは……。喜んでもらえてなによりです」
俺とのツーショットを家宝にするとかお母さんから怒られるんじゃないかな。もし子孫が見つけたら、なんでこんな物を後生大事にしていたのかと不思議がられると思うんだけど。まあ、嬉しそうにしているしそれはそれでいいのかもしれないなと思いつつ着ぐるみを着た状態でも一枚撮影する。
「それじゃあ俺達はこれで失礼します。この後もお仕事頑張って下さい」
「はい。その言葉だけで無限に働けます!」
「適度な休憩を取りつつ、無理のない範囲でお願いします」
「了解であります」
軍隊かよとツッコミを入れたくなる返事を聞きながらその場を後にする。なんというか色んな意味で濃い人だったな。でも美人だったし、ああいうラフな服装を見れたのはラッキーだったぜ。似たような恰好は軍警察のトレーニング施設でも見られるが、それはあくまで運動着であって私服とは違うからな。
――そういえば彼女達の部屋着を見た事が無いがどんな感じなんだろうか?女性の場合はパジャマ派かTシャツにショートパンツ等のラフな格好派に分かられると思うがどちらでも絶対に可愛いのは間違いないだろう。いつかは見られる機会が来ると思うし、その際は目に焼き付けよう。
少し先に訪れるだろう未来に胸を弾ませつつ、遊園地デートを楽しむ。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、気が付けば空が茜色に染まっている。午前中に来園したからもう六時間くらい経っているのか。もう少し待てば夜のパレードも行われるみたいだが、歩き回ってかなり疲れたしそこまでの余裕は無いかな。でも彼女達が見たいかもしれないし確認だけはしておこう。
「この後に夜のパレードがあるみたいですが見て行きますか?」
「見たい気持ちもありますが流石に疲れてしまったので今度来た時にしませんか?」
「分かりました。そうしましょう。じゃあ今日はこれで終わりという事で」
「はい。とっても楽しかったです。次に来る時はお弁当を持ってきてマスコットキャラクターパークで食べるのも良いかもしれませんね」
「おっ、それはいいですね。皆の作るご飯は凄く美味しいので今から楽しみです。――想像したらお腹が空いてきました」
「ふふっ、今日は沢山歩きましたし夜ご飯はスタミナがつく料理にしましょう」
「おぉ、やった。そうとなれば早く帰りましょう」
そんな会話をしつつ遊園地を後にする。色々とあり過ぎて精神的にも肉体的にも疲労困憊だが凄い楽しかった。ただこういう時こそ思わぬ怪我やミスをしがちなので帰るまでが遠足ですの精神で家に着くまで気を抜かずにいよう。
こうして遊園地デートは幕を閉じるのだった。




