第五十九話
五日間一生懸命仕事をして、訪れた休日。いつもなら皆と一緒にお出かけしたり、家で過ごしたりするんだが今日は私用があるということで遊ぶ予定は入れていない。物凄く残念そうにしていたので心が痛むが人生の一大イベントが目前に迫っているので本当に申し訳ないが自分の用事を優先させてもらった形だ。
そこまで大事な用事とは何かというと恋愛成就の願掛けだ。来たるXデーに向けて神頼みをしようと思ってさ。人事を尽くして天命を待つという諺があるが俺としては人事を尽くして、更に神様にも縋ればより万全をきせるのでは?と考えて今神社に向けて歩いている所だ。今回願掛けに行く神社は望月神社という名前で有名では無いけど長い歴史を持つ由緒正しい所らしい。
ただ見つけるまでが結構大変だったんだよな。家から行ける場所をネットで調べてみたけどなかなか見つからなくて検索ワードをあれこれ変えてみた結果大分後ろの方に掲載されているのを発見した時は思わずガッツポーズをしたくらいだ。ただホームページは何年も更新されていないらしくて最新の情報を得ることは出来なかったが、かなり興味深い内容が書かれていた。
『世界は一つではなく幾つもの異なる世界が存在している。それらは極稀に干渉して奇跡を引き起こす。異世界人……私達は時渡りと呼んでいますが彼等・彼女等は直接世界間を移動するのではなく精神体のみが私達が生きている世界の人の中に入り込みます。なので例え家族でも見分けがつかないし、仮にその人が消極的であれば生涯入れ替わりに気付かない可能性も零ではありません。何故その様な事が起きるのか?元の世界の人物は存在し続けるのか?はたまた消滅してしまうのか?入り込んだ人の自我は共存するのか?それとも消えてなくなってしまうのか?等々様々な疑問がありますが残念ながら何一つ分かっている事はありません。ただ一つ言えることは時渡りは実在しているという事です。望月神社に保管されている文献によれば最初に確認されたのは今から四百年前とあります。また一番新しい記録は今から五十年前に女性の時渡りが確認されています。ただこれ以降は発見されておらず出現間隔には大きな開きがある事が予測されます。――今後も私達は時渡りについて調査を続けていきたいと思います』
何も知らない人が読めばただの与太話だし、一笑に付して終わりだろう。だが俺からすれば地獄に垂らされたか細い一本の蜘蛛の糸なのだ。藁にも縋る思いで掴んでしまうのは仕方ないだろう。
今回は願掛けで望月神社に行くが、出来る事なら時渡りについて神主さんから詳しく話を聞ければいいなと思っている。ホームページに掲載されているので秘匿されている事柄ではないのは確かだし、仮に今回話を聞くことが出来なくても何度か通ってお話を聞きたいなと考えている。
――あれこれと頭の中で考えている内に神社に到着したので一度思考を切り上げる。参道から見える敷地はかなり広大で入り口からでは全容を把握することは出来ない程だ。
鳥居を潜り、石畳の参道を歩く。しかし有名では無いとはいえ休日の昼過ぎなのに人っ子一人居ないというのは何故だろう?余程寂れた神社なら分かるが少なくともこの規模で人が居ないというのはちょっと不気味だ。静謐な空気と風が木々を揺らす音だけが耳に届き、まるでこの世界に俺だけしかいないのでは?と錯覚するほど静けさで満ちている。少し薄ら寒いものを感じつつ歩を進めて手水舎で手を漱いだ後拝殿へと進む。お賽銭を入れてから二拝、二拍手、一拝。どうか告白が上手くいきますようにとしつこいくらい神様にお願いしてからその場を立ち去ろうとした時、後ろから視線を感じて思わず振り返る。
果たしてそこに立っていたのは白衣と緋袴を身に纏った巫女だった。
「あっ、こんにちは」
「こんにちは。お参りですか?」
「はい。神様にお願いしたい事があったので来ました」
「そうですか。願い事が成就すると良いですね」
「切実に叶う事を祈っています。もう、本当に心の底から」
「そ、それ程強い想いでお願いしたのなら神様もきっと叶えてくれますよ」
俺のあまりにも切実すぎる言い方に巫女さんが少し頬を引き攣らせながら答えてくれた。彼女には申し訳ないが俺にとっては非常に切実な問題なんだ。余りにも俺が真剣なものだから可哀想に思って願いは叶うと言ってくれたのかもしれないが、なにはともあれ巫女さんのお墨付きを貰えたので大丈夫だろう。
ほっと一安心したところで、巫女さんが話しかけてくる。
「男性の方が当神社を訪れるとは思っていませんでしたので吃驚してしまい、お声も掛けずにジッと見てすみませんでした」
「いえ、お気になさらずに。男が一人で来ていれば驚くのも当然ですから」
「有難うございます。――当神社には願掛けにいらしたとの事ですが、ご覧の通り参拝客も居ない寂れた場所ですのでもっと有名な神社に行かれた方がよかったのでは?」
「あー……。それに関しては家から行ける場所にあったというのと、もう一つ気になる事があって来ました」
「そうなんですね。もし宜しければ気になる事というのを聞かせてもらってもよろしいですか?」
「勿論です。神社のホームページに時渡りについて書いてあったのですが、あれは事実なのでしょうか?俄かには信じがたい内容だったので気になってしまって」
「時渡りですか……。結論から言えば事実です。与太話にしか思えないかもしれませんが確かに存在しています。私達は先祖代々時渡りを保護し、研究と調査をしてきましたが残念ながら判明している事は極僅かなので実在を疑われても仕方ないと思いますが確かに時渡りは存在しています」
「てっきり研究・調査だけをしていると思っていたのですが保護もしていたのですね」
「はい」
「保護した人で男性の方はいるのでしょうか?」
「二百年前までは男性も居たのですが、それ以降は全員女性ばかりです。なぜ男性の時渡りが現れなくなったのかについては原因不明で調査をしようにも手がかりすらない状況で一向に進まず……といった状況ですね」
「成程。一つお聞きしたいのですが時渡りは直接世界間を移動するのではなく精神体のみが私達が生きている世界の人の中に入り込むと書いてありましたが、別の世界の人間が転移してきたという事例はあるのでしょうか?」
「私が知る限りではそういった人はおりません。仮に別世界から転移してきたとしたら様々な問題が生じると思いますし、少なからず騒ぎになるはずです。この世界では男性が圧倒的に少ないのでもし男の方が転移して来たら騒ぎになるどころではなく、国を挙げた騒動に発展するのですぐに分かりますから」
確かに普通に考えたら大騒動になるだろうし、国の機関が保護した上で入念な検査・調査をするだろう。その上で存在を秘匿するのか、または大々的に発表して国益に繋げるのかは情勢によって変わってくるが一つ言えるのは悪いようにはされないという事だ。
――俺の場合は並行世界から来たという事情は秘匿されているが、それ以外はかなり自由にさせてもらっている。お店を経営していたりテレビに出たり、雑誌のモデル紛いの事をしたりと冷静に考えると本当に大丈夫なのだろうか?と心配になるくらい好き勝手やっているんだよな。いつか怒られそうだがその時は素直に従おう。
少し話が逸れてしまったが望月神社には別世界から転移してきた人が居るという記録は無いのか……。もしかしたらと期待していただけに少し落胆してしまったが、気持ちを切り替えて時渡りについてもう少し詳しく話を聞いてみよう。
「そうなんですね。時渡りという存在がいるのでもしかしたらと思ったのですが」
「ご期待に沿えず申し訳ございません」
「いえ、そういう存在が居ないというのが分かっただけでも収穫ですから。……お聞きしたいのですが時渡りは何らかの手段で元の世界に帰ったという事例はあるのですか?」
「記録に残されている限りでは元の世界への帰還を果たしたという人は残念ながらおりません。どうやってこの世界に来たのかが分かれば帰還の方法も判明するかも知れませんが何も手掛かりが無いのでどうする事も出来ず……」
「成程。いきなり知らない世界に来て、更には帰る方法も分からないとなれば自棄になって自殺したり、家に引き篭もって生涯を終える人も居そうですね」
「そう思われるのも当然ですが、今までそう言った方はいらっしゃらないんですよ。心がとても強い上に精神的にも逆境や苦難に負けない堅固さがあるので最初の内は悩んだり苦しんだりしますが、早い時期に切り替えて人生を謳歌していたと記録にはあります」
「元からそういうタイプだったのか、それとも世界を移動する際に変容したという可能性もありますね。どちらにしても最後のその時まで生を謳歌したというのは羨ましいですね」
きっと悔いが残らない最期を迎えたのだろう。俺もそういう人生を送りたいと思うし、最期は笑って死にたいものである。愛する妻や子供に囲まれながら末期を迎えられる人がどれだけいるのだろうか?きっと少数なんだろうな。そういう人を羨ましく思うし、素晴らしいとも思う。
長いようで短い人生をいかに悔いなく楽しめるかは自分自身の考えや行動で変わってくるので俺も毎日をただ無為に過ごすのではなく意味のあるものにしないと駄目だな。
自分の人生観を見直す切っ掛けが出来たのは有難い。
さて、長々と立ち話をして巫女さんを引き留めてしまったがこの辺りでお暇しようかな。
「とても興味深いお話を聞かせて頂き有難うございました」
「私としても眉唾物の話を真剣に聞いて頂けて嬉しかったです。――あっ、そうだ。もし宜しければ蔵に仕舞ってある書物をお読みになりますか?」
「良いんですか?」
「はい。ここまで時渡りに興味を持っていただける人であれば構いませんよ。かなりの量があるので一日では読み切れませんがそれでも大丈夫でしょうか?」
「勿論です」
「分かりました。では蔵に移動して書物を取ってから社務所の方に行きましょう。腰を落ち着けて読んだ方が良いでしょうし」
「すみません。有難うございます」
まさか神社に蔵書されている記録を読めるなんて思っても見なかった。俺としてはとても嬉しいし、何か発見があるかもしれないから時間を許す限り読むつもりだ。勿論神社が閉門する前に帰るつもりだし、家に帰ってから覚えている事を書き記したいので読めるのは大体四時間くらいかな。頭をフル回転させて些細な事でも忘れない様記憶に刻まないと。
気合を入れつつ蔵へと移動して十数冊の書物を箱に詰めて社務所へと移動する。初めて来たが生活感が一切無くとても質素な部屋だな。まあ社務所は神社関係者の仕事場だし当然と言えば当然なんだが。逆にソファや冷蔵庫が置いてあったり、インテリアが飾られていたらどうなんだ?と思ってしまうしこれくらいでいいのだろう。そんな益体の無い考え事をしていると巫女さんが声を掛けてくる。
「それではこちらのお部屋をお使いください」
「有難うございます」
「飲み物をお持ち致しますがコーヒー、紅茶、緑茶どれがよろしいですか?」
「それじゃあ緑茶でお願いします」
「分かりました。ご用意いたしますので少々お待ち下さい」
「すみません。よろしくお願いします」
巫女さんが一度部屋を退出したタイミングで段ボール箱から数冊取り出してテーブルの上に置く。古い方から読むか、新しい方から読むか悩むな。時代順に読んでいくのが一番良いのだろうが、如何せん時間が限られているから取捨選択しなければいけない。そして当然ながらもっとも古い記録が四百年前なので平安時代になる。書かれている文字も変体仮名なので正直全く読めないし、一々現代言葉に変換して読むとなれば途轍もない時間が掛かるし、とんでもない労力が必要だ。という事で一番新しい五十年前の記録から読んで行こうと思う。決して面倒臭いからという訳でないので勘違いしない様に。
テーブルに重ねて置いている書物から目当ての物を取り出して読み始めようとしたタイミングで巫女さんが部屋に戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちら緑茶になります。あとはお茶請けとして羊羹とどら焼きをご用意したのでもし宜しければご賞味ください」
「お茶請けまでご用意して頂き有難うございます。――そういえばまだ自己紹介していませんでしたね。佐藤拓真と申します」
「私は望月詩乃と申します。望月神社で巫女をしております」
「という事は神主――神職の方はもしかしてお母様が勤めていらっしゃるのですか?」
「はい、そうです。何れは私も神職に就くことになりますがまだ見習いという事で巫女をしております」
「そうだったんですね。長い歴史がある神社ですと神職に就くにも経験やそれなりの実績が必要になるのでしょうか?」
「基本的には神職の資格さえあれば問題は無いのですが、望月神社の場合は母から認めてもらわなければ代替わりは出来ない事になっています。場合によっては数十年かけてようやく認められたという人も居りますのでかなり大変ですね」
「それはまた……。日々努力して研鑽を積まなければ認めて貰えないでしょうし道のりは困難を極めると思いますが頑張って下さい」
「有難うございます。佐藤さんからそう言って頂けるとこの先も頑張れそうです」
上品に微笑みながら言葉を紡ぐ姿はまさに大和撫子と言えるだろう。今まで出会った人とはまた違うタイプで独特の魅力がある人だ。白衣と緋袴姿だからスタイルはハッキリとは分からないが胸が大きいのは確かだ。また全体的に華奢でスラリとした感じなので巫女姿が絵になる。更に神に仕えているので恐らく処女だろう。……こんな美人が処女とかもうさ色々と妄想が捗ってしまうわ。神聖な存在に対してお前は何を考えているんだ!不敬にも程があるぞ!と怒られるだろうが男だったら誰でも巫女さんでエロい妄想をした事があるはずだ。だから仕方ないのだよ。
――んんっ。思考がかなり危ない方向へと向かっていたので一度冷静にならねば。というか本人を目の前にしてエロい事を考えるとか人として終わっているだろうが俺よ。
そもそも時渡りに関する書物を読むために社務所に来たわけでこんな下らなことを妄想する為では無い。ふぅーと息を吐き出して気持ちを切り替えてから五十年前の記録を読み始める。
内容は女性の時渡りに関する事だった。かなり長文だったので要所だけ纏めるとこんな感じだ。
『一人暮らしの二十代女性が会社を無断で数日休み上司が様子を見に行ったところまるで別人の様であり、記憶の齟齬も至る所に見られた為すぐに精神科へと連れて行った。診断の結果は精神的な問題は見られず正常。外傷は見られないが何らかの事故で頭を強打して記憶の混濁が起きている可能性もある為精密検査を受ける様にと指示される。検査を受けた結果こちらもどこにも異常はなく正常という診断が下された。医者も何故この様な記憶の齟齬が起きているのか原因不明であり現代医療技術では解明できないとハッキリと伝えられた。その後数週間にわたり上司が女性から話を聞いた所別の世界から来たという事実が判明する。妄想だと一蹴するには余りにも内容が詳しく、実体験を伴っている話だったのと現在の状況が一致している為上司は信じる事にしたらしい。――それから数年経ったあと望月神社に伝わる時渡りについて知ったようで我々に助力を求めてきた。すぐに承諾し、彼女は我々の保護下に置かれ承諾を得た上で研究・調査を始める事になる。……だが彼女の献身的な協力も空しく分かった事は殆ど無かった。だが一つだけ重要な手掛かりを得る事が出来たのは僥倖と言えるだろう。それは時渡りが生きていた世界の文明レベルが我々と同等かそれに近い人という事だ。つまり遠い未来や、逆に遠い過去からこの世界に来るわけではない。その点を踏まえて考えると時渡りの選出基準が存在すると思われる。文明レベルが近しい以外にも何かしらあるはずなので今後はその点を重点的に研究・調査をしていくつもりだ』
これは俺にとってとても有益な情報だ。ただ疑問もいくつかある。これらをクリアに出来れば光明が差しそうな気がするんだが俺の頭ではヒントすら見つからない。お茶を飲みながら溜息を吐いてしまう。
「難しいお顔をしていますが何かありましたか?」
「あっと、これはすみません。ざっと読んだのですが少し疑問があってつい考え込んでしまいました」
「どの様な疑問でしょうか?私に答えられる事でしたら良いのですが」
「一つ目は時渡りが他人に入り込む際に前兆等は一切無いのかです?二つ目は文明レベルが近しい世界から来るという事ですがそれ以外の情報は五十年の間で手に入ったのでしょうか?最後に男女比が傾いた段階で男性が時渡りとして出現した事はあるのかです」
「では順を追ってお答えいたしますね。一つ目は前兆等は一切無くある日突然起こります。朝起きた時、歩いている時、仕事をしている時、食事をしている時など何の関連性も無く唐突にそれは発生します。次に二つ目ですが我々も総力を挙げて研究・調査をしていますが新たな情報は手に入れられていません。最後に三っ目ですが答えはNOです。何故か男女比が傾いてからは男性の時渡りが現れた事はありません」
「……成程。お答えください有難うございます」
「有益な情報を提供出来ずに申し訳ありません。もう少し詳しくお話しできれば良かったのですが分かっている事があまりにも少なくて……」
「いえ、お答えいただいた内容だけでも参考になりましたし少しだけ考えが纏まりました。本当に助かります」
「お力になれたのならなによりです」
まだまだ分からないことだらけだし、そもそも俺の場合は肉体を持ってこの世界に来ているし、それだけでは無くお店も一緒に転移?したのだからあまりにも条件が違い過ぎる。ただそれでも得る物はあったのでこの情報は世界間移動に関する研究をしている機関に提供しよう。頭の良い人達なら何かしらの発見があるかもしれないからな。
さて、後は時間の許す限り読みまくろう。
――なんだかんだであれから五時間程集中して読み耽ってしまった。端末を確認すると二十時に差し掛かろうという所。閉門時間はとっくに過ぎているし、なんなら夕ご飯を食べる時間だ。慌てて向かいに座っている望月さんに声を掛ける。
「気が付かなかったとはいえこんな時間まで居座ってしまい申し訳ありません」
「ふふっ、お気になさらずに。私も改めて書物を読んでいてお声を掛けるタイミングを逃してしまっていたので佐藤さんは悪くはありません」
「そう言って頂けると助かります。とっくに閉門時間も過ぎていますしすぐに片づけてお暇しますね」
「私もお手伝い致します。書物は段ボール箱に入れて部屋の隅に置いておいて下さい」
「蔵に戻さなくても良いんですか?」
「はい。佐藤さんも全部読めた訳では無いでしょうし、またこちらに来た時に一々蔵から持ってくるのは大変だと思うので」
「確かにそうですね。お気遣い有難うございます。それじゃあ読み終わった書物はこの段ボール箱にいれて、未読の書物はこちらに入れますね」
「分かりました。では片付けを始めましょう」
そうして望月さんとテキパキと片付けをした後荷物を纏めて社務所を出る。ここでお別れだと思ったが望月さんが鳥居まで送ってくれると言うのでお言葉に甘えさせてもらう。正直夜の神社は一人だとちょっと怖かったので助かる。
僅かな街灯が参道を照らすなか鳥居まで無事来れたのでここでお別れだ。
「本日は有難うございました。またお世話になると思いますがよろしくお願い致します」
「はい。こちらこそ楽しい時間を有難うございました。今度いらっしゃった時は社務所で仕事をしていますのでお声を掛けて頂ければと思います」
「分かりました。その様にさせて頂きます。ではこれで失礼致します」
「はい。お気をつけてお帰り下さい」
こうして思いがけない出会いと新しい情報を手にした時間は終わりを告げる。今後も定期的に通って書物を読んで行こう。決して美人でおっぱいの大きい大和撫子な巫女に会いたいからではない。
だが、巫女最高!




