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第三十二話

 千歳さんの衝撃的な秘密を知り、更には従業員として雇う事が決まった日から一週間と少し。本日午後から雪音さん、菫さん、小百合さん、千歳さんが俺の部屋に集まって話し合いの場が持たれる。そういう大事な日だからこそ俺もいつもより早起きをして掃除に勤しんでいる訳だ。といっても普段から雪音さん達が掃除をしてくれているのでそこまでやることは無いのだが。パパッと掃除機を掛けて、トイレを掃除して終わりって感じで三十分くらいで終わってしまう内容だ。

 暢気に鼻歌を歌いながら熟していきようやく全部終わったので時計を確認すると予定の時間まであと三十分ほどある。微妙な時間が出来てしまったがどうしようか?――一応寝室のベッドメイキングでもしておこうかな。別に何があるわけでも無いし、そもそも四人も家にいる状況でエッチな雰囲気になるはずも無いからさ。だから期待はしていないけど、万が一間違いが起こる可能性も無きにしも非ずじゃない?その時になってぐちゃぐちゃなベッドだったら確実にひかれるし気持ちも萎えてしまうだろうから、一応ね。

 誰にともなく言い訳をしてから、シーツを変えたり枕カバーを変えたり消臭スプレーを掛けたりと入念に作業をしていく。そうして満足いく状態にした所で再び時計を見ると予定時刻の十分前だった。そろそろ来る頃だなと今の方へ移動した所でピンポーンとインターホンの音が響く。

「はーい、今行きます」

 少し早足で玄関の方へ向かい、扉を開けると美しい女性が四人立っていた。地上に女神が降臨したのかと勘違いしてしまいそうな程整った容姿とスタイルを持ち合わせた彼女達は言わずもがな。今日のお客様だ。

「こんにちは。中へどうぞ」

「「「「こんにちは。――失礼します」」」」

 声を揃えて返事をした後に家の中に入ってくる。そこまで広くはない部屋なので流石に五人も居ると結構狭く感じてしまうな。こういう状況になるのならもっと広い部屋に引っ越すべきだったかと今更ながらに少し後悔をしてしまうが、今は棚に上げておこう。

「どうぞ座って下さい。飲み物を持ってきますが何が良いですか?」

「私がご用意しますので拓真さんはお座りになってお待ち下さい」

「良いんですか?」

「はい」

 雪音さんが良い笑顔で自分に任せてくれと言ってくれたのでお任せしよう。勝手知ったる他人の家と言う感じですぐに人数分の飲み物を持って来てくれた。もう俺よりもこの家の事を知っているのではないだろうかとつい思ってしまう。

 一先ず持って来て貰って飲み物で喉を潤してから本題に入る。

「今日はわざわざお時間を取って頂き有難うございます。まずは初めましての人も居るので紹介しますね。俺から見て右側から静川雪音さん、倉敷菫さん、九条小百合さんです。そしてこちらの方が清川千歳さんです」

「「「えっ!?」」」

 千歳さんの紹介をした時に三人が驚いた声を上げる。何か気になる事でもあったんだろうか?

「どうかしましたか?」

「えっと……、千歳さんは覚えているか分かりませんが中学生の時お会いした事があるんです」

「そうなんですか?という事は菫さんも小百合さんも同じですか?」

「「はい」」

 おっと、これは何たる偶然だろうか。千歳さんが中学生の時という事は小百合さんは同じく中学生だし雪音さんと菫さんは高校生か。普通に考えれば通う学校も違うだろうし縁が無いように思えるが何があったんだろう。というか三人は知っているみたいだけど千歳さんはどうかな?と思いチラリと顔を伺うと驚いた表情をしていた。という事は三人を千歳さんも知っているという事か。

「まさかこういう風に再会するとは思っても見ませんでした。皆さんお綺麗になられていたので全然気が付きませんでした」

「それは私もですよ。とても素敵な女性になっていたので拓真さんに紹介いただくまで気が付きませんでしたから」

 千歳さんと雪音さんが和やかに談笑している。まあ成長期に会ったきりという事なら見違える程変わっていてもなんらおかしくない。それに女性の場合メイクや服装でガラッと変わるから尚更だろう。そんな事を思っているといつの間にか話に菫さんと小百合さんも加わって楽しそうに話している。こういう時男が割って入るのは野暮ってもんなので黙って飲み物を飲んで空気になるのが最善だ。

 無になりながら四人の話に聞き耳を立てていると色々と分かった事がある。どうにも四人が知り合ったのはとあるパーティーらしく馬が合ったのかすぐに意気投合して仲良くなったらしい。とはいえ連絡先は交換していなかったみたいでその後再会する事もなく今に至ると。という事はだ。三人は千歳さんの秘密を知らないとみて良いだろう。ウチのお店の従業員として雇うのだから恐らく菫さんには知られるだろうし、雪音さんや小百合さんもほぼ毎日のように家に来ているのでひょんな事からバレてしまう可能性がある。露見する可能性が高い以上早めに真実を伝えておくのも手だがそこは千歳さんの判断に任せるしかないだろう。

 などと色々と考えている内に四人の談笑は終わったみたいで、チラリと俺に視線を送ってくる。

「もうお話はすみましたか?」

「はい。すみません、お時間を頂いてしまって」

「いえお気になさらずに。では早速本題に入ろうと思います。今日皆さんに集まって頂いたのは新しく従業員を雇う事を決めたのでその報告をする為です。新しく雇う人はここにいる千歳さんです」

「改めまして拓真さんのお店で働くことになりました清川千歳です。宜しくお願い致します」

 千歳さんが挨拶をした後丁寧に頭を下げて、再び前を向いたのを見計らって再び口を開く。

「千歳さんを雇うのは決まっているのですが、俺のお店は男が経営、接客をしているので女性を雇用する上で何か問題があったり確認しなければいけない事があれば教えて下さい」

「前提として拓真さんのお店なので誰を雇おうが自由ですのでお好きな人を選んで頂いて構いません。ですが拓真さんは特別警護対象になっているので私達の方で従業員の方の身元は調べさせて頂きます。その上であまりよろしくない人物であれば資料と共にご説明の上別の人にするよう進言致します。また情報は軍警察と国で共有する事になりますのでご了承ください」

 菫さんが軍警察の対応を説明してくれたが想定の範囲内だったので特に問題は無い。ただ軍警察と国が従業員の個人情報を共有するとの事なので確実に千歳さんの性別が知られてしまうのは悩ましい所だ。そこら辺を突っついてくる輩が居るかもしれないし不安だな。

 内心でどう対応しようかと悩んでいるとそんな俺の心を見透かしたかのように千歳さんが真剣な表情で菫さんに話しかける。

「――あの、これを見て貰っても宜しいでしょうか?」

「端末ですか。……えっと、見た所身分証明書の様ですかこれがなにか?」

「性別の欄を見て下さい」

「…………!!千歳さんって男性だったんですか?」

「「えっ!?」」

 菫さんの驚いた声とその内容に雪音さんと小百合さんも驚いた表情を浮かべる。そして急いで菫さんが持つ端末を覗き込んだかと思えば固まってしまった。うん、気持ちは分かる。どこからどう見ても美人な女性なのに実は男でしたって言われても信じられないよね。自分の中で咀嚼して理解するまで少し時間が掛かるだろう。という事で待つ事暫し。

 無事再起動を果たした後じっと千歳さんを見ている。そんな中菫さんが重い口調で話し出す。

「女性にしか見えませんが確かに身分証明書には男性と書かれていましたし間違いは無いでしょう。一つ質問なのですが千歳さんは性同一性障害なのでしょうか?それとも単に女装しているだけですか?」

「どちらも違います。私は生まれた時から生成閉塞無精子症と女性ホルモン過剰分泌症候群を患っておりその為――」

 以前俺に説明してくれた内容を菫さん達にも伝えていく。かなり珍しい病気だし女性には実感しずらい部分も多い上、精神的な部分も絡んで来るためかなり難しい問題なんだよな。俺は同じ男だからこそ分かる所もあるし、早い段階で納得できたが果たしで女性である彼女達はどうなのだろうか……。そんな心配をしつつも千歳さんの話に耳を傾ける。

 全て話し終えた後室内には静寂の帳が降りている。誰も話そうとしないのは自分の中で考えを纏めているからだろう。そうして五分程経った頃静かに雪音さんが言葉を紡ぐ。

「これはあくまで医師としての意見なのですが、肉体を構成する男女比率が七割~八割程女性と同じという事であれば病院で検査を受けた上で行政に申請を出せば女性として認められる可能性がありますがそれはもう試しましたか?」

「はい、それは高校を卒業してすぐに申請を出しましたが却下されました。国としては数字上一人でも男性の数を減らしたくない様です。例えほぼ女性と同じ体を持っていたとしても生物学上は男性ですから認められないという事でした」

「確かに国としてはそう思うのかもしれないけれど、それは千歳さんの人生を何も考えていないし余りにも馬鹿げているわ」

「雪音の言う事も分かるけど男性がどれだけ国に居るかはとても重要よ。国力に直結する要因だし男性が多ければ多い程お金も人も集まってくるんだからたとえ一人であろうとも数が減るのは避けられるなら避けるのは当然だと思うわ」

 確かに菫さんの言う通りだ。男と言う存在は国益や国力に多大な影響を与えるし、人類存続の危機にある現在においてその価値は計り知れないのは言うまでもない。例え男としての役割を一切熟せないとしても価値は落ちるがそれでも零になるわけではないのだから。

 少し話が逸れたが重要なのはうちの従業員として雇った際に問題が起こるのかどうかだ。その点について千歳さんの秘密を知った上でどうなのか聞いてみよう。

「改めて菫さんにお聞きしますが、千歳さんを雇用した後に軍警察や国から横槍を入れられる可能性はありますか?」

「少なくとも軍警察から何かをするという事はありません。ただ政治家連中――特に男性の保護を掲げている人達から何かしらのアクションがある可能性は捨てきれません。私もお母様に協力をお願いしますがどうしても政治関係ですと難しい部分もありまして完全にお守りする事は出来ないと思います」

「確か菫さんのお母さんは軍警察長官でしたよね」

「はい。なので軍警察に関しては千歳さんの件について何かしようと言う輩が居ればすぐに分かりますし、それ相応の対応が出来ます。ただ先程も言いましたが政治関係になると……」

「独立した組織だから難しいと。となるとそっち関係に強い人が必要になりますね。とは言え俺に強い権力を持った政治家の知り合いなんて居ませんしね」

 そもそもの話ただのバーテンダーが有力政治家と繋がりが有る方なんて有り得ないしな。お店に来るお客様の顔を思い浮かべてみるが、経営者や名家・旧家の人が多い。その辺から伝手を辿っていけば最終的には繋がりは出来そうだがリスクが高いのがなぁ……。と思考を巡らせていると『はい』と小さく手を挙げてから小百合さんが話し始めた。

「そう言う事でしたら私も拓真さんのお店で雇って頂けないでしょうか?」

「えーと……」

「私のお母様は日本王国の女王をしていますので、先程菫さんが仰っていた政治家達を黙らせることが出来ます。また、私が拓真さんのお店で働くことにより女王の一人娘と懇意にしていると思われる為多方面に牽制する事も可能です。菫さんのお母様と私のお母様が協力すれば万が一にも問題は起こらないかと」

「それは良い案ですね。軍警察と国の両方に強い圧力を掛けられますし、その状態で馬鹿な真似を仕出かす輩もそうそういないでしょう。私は小百合さんの提案に賛成します」

 菫さんがすぐに小百合さんの提案に賛成の意を表明する。それに続くように雪音さんも口を開く。

「私も賛成ですね。お二人のお母様が協力してくれるというのなら改めて千歳さんの診断書を作成して女性として性別変更の手続きをしたいです。一回では無理でも二、三回繰り返せば通りそうですし」

 まあ、かなり裏口的な手法だが国のトップが味方に付くのであればそれも不可能な話ではない。それに雪音さんは優秀なお医者様だし付け入る隙のない完璧な診断書を出すだろう。となればそう遠くない未来に正式に千歳さんの性別が変わるかもしれないのか。今から楽しみ……んんっ。じゃなくて俺も頑張らないとな。

「小百合さんを雇うという話ですが、まず幾つか確認させて下さい。一つ目は昼夜逆転生活になりますが大学生活に支障は出ないでしょうか?二つ目はお給料や福利厚生について要望があれば教えて下さい。最後に三っ目ですが俺の店で働くと女性達から妬み、嫉み、嫉妬等の負の感情をぶつけられる事もあると思います。それでも働きたいと思いますか?」

「一つ目に関しては卒業に必要な単位はもう取ってありますので卒業まで大学に行かなくてもいいので問題ありません。二つ目については特に私から要望はありません。三っ目に関してですが男性と懇意にしている以上必ず受けるものですから気になりません」

「分かりました。では採用という事で。身分証明書は今お持ちですか?」

「はい、用意しています」

 おぉう、なんとも準備が良いな。もしかしたらこうなる事を見越して用意してたのだろうか?もしそうだとしたら相当な策士であるし、物事に対する視野が信じられない程広いという事になる。でもまあ小百合さんだしな。こういう事もあるだろう。なんにしても手間が省けて助かる。

「それじゃあこちらで雇用契約書を用意しているので、内容をよく読んでもらってからサインをお願いします。また、不明点や要望があれば教えて下さい」

「「分かりました」」

 俺の端末から千歳さんと小百合さんの端末へとデータを送る。この世界では各種契約書等も全て電子化しており紙を使う事は皆無だ。そしてサインも電子署名となっておりタッチペンで自分の名前を書けば終わりだ。本当に楽だしなにより紙の書類の場合濡らしたり、汚したり、最悪破れたりする可能性があるがデジタルだとそういった事が一切無いので安心できる。また、データも安全性の高いサーバーに保存しておけば良いので保管場所を用意する必要が無いのも有難い。デジタル社会万歳だな。

 なんて益体の無い事を考えている内に契約書を読み終わった様でサラサラとサインをした後二人揃って俺の方へと顔を向けてくる。

「確認が終わった様ですが問題はありませんでしたか?」

「はい。記載している内容で問題ありません」

「私も小百合さんと同じく問題ありません」

「分かりました。ではデータをこちらに送ってもらえますか」

 送られてきたデータを確認したが不備は無いと。これで雇用契約は締結されたわけだけどこの書類を役所に提出するのはもう少し先になる。軍警察と国への根回しが済んでから提出してよくやく正式に雇用という形になるので少し面倒なんだよ。まあその間は準備期間として色々とやる事があるから良いんだけどね。

「はい、大丈夫ですね。では実際にお店で働く時期ですが小百合さんと菫さんのお母さんが各方面への根回しが済んでからになると思います。それまでは準備期間という事でOJT研修等を週に二回くらいのペースで実施予定です。――あとは制服ですね。ベスト・スカート・シャツ・ネクタイはこちらで用意しますがパンプスは自前でご用意ください」

「パンプスの色に指定はありますか?」

「基本的には黒ですね。あとはローヒールからミドルヒールの物を選んでください。立ち仕事なのでハイヒールだとかなり辛いと思うので」

「分かりました」

 千歳さんからの質問に答えたがお店によってはダーク系の色でなくても問題無い場合もある。あまり派手な色は駄目だがブラウンやベージュといった色のパンプスを履いている人も見た事があるので一概に黒がベストだとは言えない。が、barという場所を考えると黒が正道では無いかと個人的には思う。

「あっ、そうだ。制服を発注する為に必要なのでスリーサイズを教えて貰っても良いですか?」

「分かりました。――B:89 Eカップ・W:55・H:88です」

「私はB:87 Cカップ・W:54・H:86です」

 ふむふむ、小百合さんはB:89 Eカップ・W:55・H:88。千歳さんはB:87 Cカップ・W:54・H:86なのか。…………はぁ!?服の上からでも物凄くスタイルが良いのは分かっていたがまさかここまでとは。実際に数字で言われるととんでもなさが際立つな。グラビアアイドル顔負けどころの話じゃないぞこれは。二人とも華奢なのに出る所は出て、引っ込むところは引っ込んでいる。まさにメリハリボディというやつだし、栄養がおっぱいとお尻に集中したとしか思えないパーフェクトな身体。思わず二人の身体をチラ見してごくりと生唾を飲み込んでしまうのは仕方ないと思う。だって男なんだもん。

 そしてなによりも小百合さんのおっぱいの大きさよ。Eカップと一口に言っても体型で見た目やサイズが大きく違うので本当にEカップなの?と疑いたくなるような人も居るのが事実だ。ではそれを前提に小百合さんはどうかと言うとデカい。かなり細身の体型なのにおっぱいがブルンブルンしているし、服の上からでもたわわな膨らみが確認できる。という事は紛れもない巨乳と言う訳だ!おっぱいに貴賤は無いが大は小を兼ねるともいうし、大きければ色々なプレイも出来るから個人的には巨乳の方が好きだ。まあちっぱいでも出来る行為は限られるが悪くはないんじゃないだろうか。

 ――長々と語ってしまったがいい加減妄想から帰らないとマズい事になりそうだ。一度コホンと咳払いをしてから改めて今後について話をする。

「有難うございます。では制服は届き次第お渡ししますね。それと更衣室なのですが一つしかないので千歳さんと小百合さんで使って下さい。俺はこの部屋で着替えますので」

「私としては拓真さんと一緒に使用しても問題はありません。小百合さんはどうでしょうか?」

「そうですね。下着姿を見られたからと言って特に困る様な事はありませんし私も一緒で大丈夫です」

「お気持ちは有難いのですが、社会通念上男女の更衣室が一緒と言うのは色々と問題になりますので別々でお願いします」

「「分かりました」」

 素直に納得してくれたが、小百合さんの発言が少し引っ掛かる。俺に下着姿を見れられても特に困らないというのは男として認識されていないか、路傍の石適度にしか見られていないかのどちらかだろう。もしくは見られて困る様な下着は身に付けていないし、恥ずかしいような身体をしていないので見られても問題無いという事なのだろうか?後者だと有難いがだからと言って本人に直接聞くわけにもいかないしな。取り敢えずは頭の片隅にでも置いておけばいいだろう。

「ではこれで今できる事は全て終わりました。お疲れ様です」

 時計を見ると時刻は十八時に差し掛かろうかと言う所。時間的にはこのまま解散でもいいんだが、皆にこの後どうするか聞いてみるか。

「皆さんはこの後どうするんですか?」

「もう少し拓真さんと一緒に居たいのでこのままお邪魔しても宜しいですか?」

「構いませんよ。今日はこの後何も予定が入っていないので実は結構暇なんです。菫さんと小百合さん、千歳さんも良かったら一緒にこの後過ごしませんか?」

「「「勿論です」」」

 という事で引き続きこの面子で過ごす事が決定した。さてと、普通であればもうそろそろ夕ご飯の準備に取り掛かる頃合いだろう。だが今回は人数も多いし外食でも良いかもしれないな。家で食べるか外食にするか意見を募ろう。

「もうそろそろ夕ご飯の時間ですが家で食べますか?それとも外食にしますか?」

「冷蔵庫に食材もありますし、お家で食べませんか?一時間もあれば料理も出来上がると思うので」

「今回は人数も多いからカレーとかがいいかしら?」

「良いと思うわ。後はサラダとスープを用意すれば十分ね」

 菫さんがカレーと言う案を出し、雪音さんがすぐに副菜を決めていく。こういう風にササッと作る料理を決められるのは流石だな。

 しかしカレーとか随分と久し振りに食べる事になるな。外で食べる場合はわざわざ選ばないし、かと言って自分で作る事もしないから当然といえばそうなのだが。なんにせよ当たりはずれが無いカレーだが彼女達の料理の腕前を考えると滅茶苦茶美味しいのが出てくるんだろうな。想像しただけで涎が出そうになってしまう。

 そんな期待を胸に抱きながらゆったりとした時間が流れていくのだった。

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