第二十五話
飲食店と言うものは時間帯によって客層が変わる。昼~夕方までは主婦や学生、夕方~夜にかけては学生から社会人。夜~深夜にかけては社会人というのが基本になるだろう。では、barではどうかというとお酒を出すので基本的に社会人が九割を占める。残りは成人している大学生が少しと言った所だ。時間帯による客層の変化は無いが、遅い時間に来る人は大抵残業終わりかフレックスタイム制で働いている人になる。二件目として訪れる人はうちのお店の場合は皆無と言って良いだろう。
なぜこんな話をしているかと言えば現在時刻が二十三時を過ぎた頃だからだ。店内にいるお客様もまばらで時間から見てもこれから来る人は数人と言った感じかな。一応営業時間深夜二時までとなっているが、これからの三時間は割と暇だったりする。とはいえやる事はあるので、黙々と仕事をしているわけだが。
グラスを磨いたり、キッチンカウンターの下にある冷蔵庫に入れてある果物の状態を確認したりしているとカランとドアベルが響く。
「いらっしゃいませ。こちらのお席にどうぞ」
お一人だったのでカウンター席へとご案内する。来店されたのは常連さんで、いつもなら二十時過ぎにきているのだが今回は随分と遅いんだなと思いつつも注文を聞くことに。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「テキーラのショットをお願いします」
「畏まりました」
一杯目からかなり度数が高いお酒を注文されたが、特に問題はない。一見さんであればアルコール度数が高いので酔いやすいですが大丈夫ですか?とお聞きするのだが、何度もお店に通っている常連さんなのでどの程度お酒に強いかは分かっている為聞くようなことはしない。
テキーラのショットの作り方は簡単でグラスにテキーラを注ぎ、グラスの口に塩を付けてライムを添えれば出来上がり。一分もかからずに出来上がるお手軽なレシピだ。
「お待たせいたしました。テキーラのショットになります」
「有難うございます。んっ…………はぁ」
一気に飲み干した後僅かな息を零す。その際にどことなく疲れが感じられたのは気のせいでは無いだろう。顔色もあまり良くなさそうだし、飲み過ぎないように注意しないといけないな。時間も遅いしあまり飲み過ぎると明日に響くというのもあるしね。そんな事を思いつつ仕事をしていると梶田さん――目の前に座る常連さん――から声を掛けられた。
「ようやく人心地が付けました。疲れた時は強いお酒を流し込むのが一番ですね」
「随分とお疲れのご様子ですがなにかトラブルでもあったのですか?」
「うぅ、そうなんです。実は今日大口の取引先に我が社の新商品のプレゼンに行ったのですが、その際同行した後輩が大ポカをやらかしまして……」
「それは大変でしたね。重要な顧客相手にやらかしたとなれば後始末に追われたのでは?」
「それもあるのですが、ポカの内容が酷くてですね。顧客に渡した自社商品のデータが別の物だったんです。プレゼンを始めて少ししてから発覚したのですが、すぐに間違っていたデータを削除して貰って該当商品のデータをお渡ししようとしたんです。ですが、プレゼンをしていた後輩が用意していないと言い出したんです。すぐに会社にデータを送ってもらうように頼んだのですが、共用サーバーがメンテナンス中でアクセス不可なので無理と言われてしまって……。結果お開きになり、プレゼンも大失敗で顧客にも悪印象を持たれた上に社内情報を見られてしまうという最悪の事態になってしまいまして」
「それは……踏んだり蹴ったりでしたね。――因みにその後輩の人は新人だったりしますか?」
「入社四年目になります。仕事も今まで大きなミスも無く熟していて優秀だったのですが」
「そうなると単純に間違えてしまったのか、何かしらの理由があってミスしてしまったのかが気になりますね」
「仰る通りです。今までの仕事ぶりを考えると有り得ない事でしたので本人に確認したのですが前日に確認した時には確かにデータは今回のプレゼンに使うものだったと言っていまして」
「うーん……」
前日の確認時点では間違いなく正しいデータだった。だが当日蓋を開けてみると全く別物になっていた……か。本人はかなり優秀で上司である目の前に座る梶田さんからの評価も高い。まさに順風満帆だし、エリート街道を進んでいると言えるだろう。――以上の点を踏まえて考えるとある最悪の答えに行きついてしまう。俺は赤の他人だし相手を疑心暗鬼にさせたいわけではないが、一つの可能性として提示するべきだろうか。思わずカウンター席に座る梶田さんに目を向けてしまう。
「是非佐藤さんの忌憚のない意見をお聞かせください」
「分かりました。今から言う事はあくまで私の一意見という前提で聞いて下さい。今まで聞いたお話を自分なりに考えた結果第三者がデータを差し替えた可能性があります。優秀で入社四年目で顧客との大口取引を任されるような人です。嫉妬や妬みは確実に買っているでしょう。もしかしたら仕事上で一方的に恨みを持たれているかもしれません。結果蹴落としてやろうという悪意の元行われたのではないかと愚考します」
「確かに現状の情報をもとに判断すると社内の誰かがデータを差し替えたという線が濃厚ですね。社外の人間が犯行を行うのはほぼ不可能ですし。はぁ~、思ったよりも大事になりそうで今から気が滅入りそうです」
「まだ社内に犯人が居ると決まった訳では無いですし、そう気を落とさずに」
「有難うございます。そう言って頂けて少し気持ちが楽になりました」
こういう問題が発生した場合内部監査部門が社内にある場合と無い場合で変わってくるからな。調査の結果身内の不祥事でしたとなったらそれを隠蔽したり、内々に処分して終わりと出来るのが内部に部署がある場合だけど今回みたいな顧客絡みで更に目の前でやらかした場合はどうなるのだろうか?勿論犯人は厳罰に処されるだろうが、ミスした本人や上司も減給や降格処分を受けるのかな?もしそうならとんだとばっちりだし迷惑千万極まりない。
当然損害も相当な物だろうし、取引の規模を縮小されたり最悪打ち切りなんて事になったら機会損失も含めて確実に億単位の損害を被る事になるだろう。中小企業だったら倒産してもおかしくないレベルだし俺みたいな自営業だったら一瞬で終わって借金を背負って生きて行く事になる。……考えただけで背筋が寒くなるぜ。
あー駄目だ。なんか雰囲気が重くなって気持ちも沈んでくる。ここは一つ気分を変える為にも話題を変えよう。
「話は変わるのですがいつか機会があれば海外旅行をしたいと思っていまして。梶田さんはどこか行きたい国とかありますか?」
「すみません。話の腰を折ってしまって申し訳ないのですが男性が海外に行く事はほぼ不可能だと思いますよ」
「えっ?普通にパスポート申請をすれば行けるのではないのですか?」
「女性であればそうですね。男性の場合は国外で何かトラブルがあった場合対応が難しいのと、年々減少している男性を他国へと行かせるのは国にとってリスクが大きすぎるので特別な事情があり、国からの決まり事を承諾した場合のみ可能になるはずです。ただその条件が非常に厳しく現実的では無いのでクリアする事はほぼ不可能かと」
「あー……言われてみればその通りですね。男が気安く海外に行くなんて相手からしてみれば鴨が葱を背負って来るようなものですから、その様な厳しい条件があるのも納得です」
「ただ、日本王国の友好国であればほんの少しですが行ける可能性は高いかもしれません」
んっ?友好国?この世界に来た時にざっとネットで調べたけどそこら辺は見ていなかったな。男性を巡って水面下で殺伐とした情報戦をしている世界情勢の中友好国があるというのは少し驚きだ。そこら辺を梶田さんに聞いてみようか。
「すみません。日本王国の友好国というのは初耳なのですが、その辺りを教えてもらっても宜しいですか?」
「分かりました。まず友好国がある場所ですが北大西洋にあります。国名はアルメカ国となります。国土は日本王国の約一.五倍で人口は一.八倍と非常に大きい国です。また、農業が盛んで輸出大国として名が知られていますね。ただ、ここ数十年は男児の出生率が著しく低下しており様々な政策を打っていますが未だに改善が見られず厳しい状況が続いているというのが現状です」
「成程。そういう状況であれば男性が渡航するのはリスクが高いかな」
「はい。行ける可能性がほんの少しだけ高くなるかもという話ですが、今は時期が悪いのでお勧めは出来ません」
「そうなりますよね。――ところで男児の出生率が著しく下がっているという話ですが、それはアルメカ国に限らず全世界的にではないのですか?」
「そうでもないのです。男児の出生率低下は世界共通なのですが、低下幅は大きく違っていまして十年で数パーセントの国もあれば数十パーセントの国もあります。特に顕著なのが先程述べたアルメカ国ですね」
いやいや、アルメカ国滅亡待った無しじゃないか。男性が少ないから精子提供も少なくなる。女性が妊娠する機会が減る。子供が生まれなくなり労働力が減少。結果として国力が下がり、ジワジワと真綿で首を締めるが如く崩壊していくとか笑えない話だ。もし、そんな所に男がポンッと現れたらどんな手段を取ろうが確保して厳重に管理されるだろう。……うーん、正直あまり関わりを持ちたくはないな。
「お話を聞く限り友好国と言えどもあまり近づきたくはないですね。それと海外は無理と分かったのですが、国内旅行はどうでしょうか?自国であれば安全も保障されると思いますし」
「国内であれば申請をすれば問題無いはずです。ただ、お一人で旅行するのは認められていないので必ず同伴者が二人以上必要になります。それと軍警察から護衛が派遣されて二十四時間傍に居るので結構息苦しいかもしれません」
「あー……、成程」
ぶらり男の一人旅は無理だろうとは思っていたからいいんだけど同伴者か。恋人が居たり、結婚していたら大丈夫だけど一人身だから条件をクリア出来ない。それと護衛については今現在も特別警護対象保護課の人が近くで様子を見ているし気にならないからOK。やはり問題は同伴者だ。菫さん、雪音さん、小百合さんに声を掛ければ二つ返事で了承してくれるだろうけど未婚の女性を旅行に誘うのはちょっとな……。古い考えだというのは分かっているし、そんなんだから何時まで経っても童貞なんだよ!と言われても仕方ないけどSEXするのは交際してからor結婚してからと決めているんだ。処女を男性に捧げられるのは一生に一度だけ。それを軽い気持ちで貰う訳にはいかないし、童貞と処女では価値がまるで違うからな。それに女性側は身体の負担もあるし、どうしても慎重になってしまうんだ。悶々と悩んでいると梶田さんから声を掛けられた。
「佐藤さんは今お付き合いされている方はおられないのですか?」
「彼女はいないですね。別に理想が高いとか、女性に求める条件が厳しいとかは無いのですが」
「意外です。佐藤さんは格好良いですし、女性とも普通に話したり接してくれるのでモテるのだろうなぁと思っていたので」
「個人的に仲良くさせてもらっている方はいますが、特にこれと言った事もなく友達関係で落ち着いていますね」
「それは意外ですね。一般的な女性であればあらゆる手段を使って佐藤さんとの距離を縮めようとするはずなのですが……。女性側からアプローチは無いのですか?」
「うーん、ほとんどないですね。ですが、あまりガツガツ来られても困るので今くらいの距離感が丁度良いです」
流石に雪音さんからおっぱいを揉ませてもらう約束をしているとか、毎日ご飯を作りに家に来てもらっているとかは言えない。プライバシーに関わるのもそうだし、なんとなく藪蛇になりそうな気がするからね。あと、あまり女性の方からアプローチされる事が少ないのは確かだし。
「ふむふむ。参考になります。――因みになのですが、男性と関係を深めるにあたって有効な手段はあるのでしょうか?」
「人によって感じ方や受け取り方が違うので一概には言えませんが、適度な距離を保ちつつ優しく接してくれるというのが安牌だと思います」
「ではがっつくのはNGという事ですね。優しくするというのは例えば食事の際に料理を取り分けたり、話をする際には聞き上手になると言う感じでしょうか」
「概ねそうですね。そういうさり気無い優しさというのは分かりますし、男性側からしたら好印象ですね。個人的な意見としては古いかもしれませんが男性を立ててくれる女性が好きです」
「いやはや、これは目から鱗が落ちる思いです。多くの女性は男性との出会いが無いので奇跡的に掴んだチャンスを逃すまいと鬼気迫る思いで男性との縁を深めようとしますが逆効果なのですね。それと男性を立てる事に関しては全ての女性が当たり前に出来ますが、もっと男性がどう思うかも含めて勉強し直さなければいけませんね」
確かに梶田さんの言う通り男性と出会う事なんて皆無であり、もしそう言った縁があれば逃すまいと躍起になる気持ちは痛いほど分かる。けど、女性に対して忌避感や嫌悪感を持っている男からすれば恐怖以外の何ものでもないからね。結果としてただでさえ嫌っている女性に対して更に悪印象を持ってしまうという悪循環が出来上がってしまう。――そう考えると雪音さん、菫さん、小百合さんは絶妙な間合いを保ったまま俺に接してくれているよな。基本的には一歩引いた所で色々してくれて、ここぞという時に距離を詰めてくるっていうのは男心を擽るし、もしかして俺の事好きなんじゃね?と思わせる。しかも無意識で一切の打算なくしているというのがもうね……ズルいです。しかもルックスは抜群、スタイルも最高、おっぱいもでかい!と非の打ち所がない女性からそういう事をされたら堪らない物がある。
改めて考えると俺って凄い恵まれているよなと考えつつも、あれ?そういえば旅行の話をしていたのに何で脱線したんだろうと疑問が湧いてくる。
ちょっと変な方向に進んでいるし、一度話を元に戻そう。
「そういえば国内旅行でお勧めの場所とかありますか?」
「日本三大名泉の有馬温泉、草津温泉、下呂温泉がお勧めです。仕事を忘れてのんびり出来ますし、なによりお肌がツルツルになって気分が上がりますから」
「温泉ですか。時期的にはまだ先ですが冬に雪見風呂とか良いですね」
「秋と冬は人気ですから今の時点で結構予約が埋まっていると思いますよ」
「あちゃ~。じゃあ確実に予約する為にはかなり早い段階で動かないと駄目ですね」
「女性の場合はそうなりますね。男性が利用するとなれば旅館側も最優先で対応してくれますから例え前日に予約したとしても問題無いかと」
「えぇ、そうなんですか?部屋とか埋まっていると思うのですが何とかなるものなんでしょうか?」
「基本的には男性が利用する可能性を考えて二部屋~三部屋は空けているはずですの大丈夫ですよ。それに男性が来るとなれば宿の方も箔が付きますし、もし好評であればまた来て貰えるかもしれませんから全力で対応するはずです」
なんというか凄まじいまでの男性特権だな。男というだけで様々な優遇措置や特権を得られるというのは分かってはいたが改めて実感したよ。でも世の中の男は基本引き籠っていて外に出る事は無いし、宝の持ち腐れだよな。旅館にとっても限りなく0に近い男性利用客の為に常に部屋を空けておくとか無駄以外の何ものでも無いだろうに。それでも一縷の望みに掛けて用意しているのだろうがなんだかなぁと思わなくもない。それに男は働かないから生産性皆無だし、これといって社会の役に立っている訳でも無い。一言でいえば穀潰しであり、女性が汗水たらして働いたお金で生きているクズ野郎だ。
――結構キツイ言葉を使ってしまったが、どうしても俺が居た世界と比べるとこれでいいのか?と思ってしまうんだ。一応俺もバーテンダーとして働いているが、果たして社会の役に立っているかと問われれば疑問を抱かざるを得ない。この女性社会で俺に出来る事はなんだろうか?
気が付けば思考の海に沈み込んで無言の時間が流れる。
「あの、佐藤さん。大丈夫ですか?」
「あっ、すみません。少し考え事をしていたもので。――グラスが空いていますがお飲み物はどうしますか?」
「それじゃあ、ガルフストリームをお願いします」
「畏まりました」
梶田さんの言葉でふと我に返ったが、お客様を前にして考えに耽るなんてバーテンダー失格だよ。俺の悪い癖だし直そうと思っているのだがこれが中々に難しくてね。でも前に比べたら結構改善はしているし引き続き頑張っていこう。
さて、オーダーはガルフストリームだったな。ウオッカ・ピーチリキュール・ブルーキュラソー・グレープフルーツジュース・パインジュースを使ったカクテルでさっぱりとしていて飲みやすいく、アルコール度数も十六度前後なので最初の一杯としてもお勧めだ。特徴はその色合いで俺が作るのは青色となる。バーテンダーによっては緑色だったり、グラデーションを付けたりするがまあそれは作り手の好みになるので一概にどれが良いとは言えない。
とまあ、そんな感じでササッと作り梶田さんの前に置かれているコースターの上にガルフストリームを置く。
「お待たせ致しました。ガルフストリームになります」
「有難うございます。頂きます」
しかし旅行か。今はまだお店を開いてから一年も経ってないし、軌道に乗せる為にも頑張らないといけないから当面は無理だけど二年目か三年目辺りで行けたらいいな。その頃には彼女が出来ている……はずだし、なんなら結婚している可能性すらある。この世界は一夫多妻制で国が推奨しているし複数のお嫁さんがいるというウハウハな展開も無きにしも非ず。未来の俺には是非頑張ってもらいたい!
努力を全て未来の自分に丸投げするという怠惰極まりない事を考えていると梶田さんから声を掛けられた。
「そういえば来月に大型連休がありますが、佐藤さんはもう予定が入っているのですか?」
「平日の祝日は仕事ですね。土日はお休みですが特にこれと言って予定は入っていません」
「あら、そうなんですね。てっきりお友達と遊ぶのかなと思っていたのですが」
「んー、彼女達も忙しいですし大型連休ともなれば予定もあるでしょうから私と遊ぶのは難しいのではないかなと」
「成程。多忙な人たちなのですね」
「そうですね。なので自宅でダラダラと過ごそうかなと思っています。ベッドに寝ながらお菓子を食べつつネットサーフィンをしたり」
「ふふっ、佐藤さんがベッドの上でコロコロしている姿を想像してみたのですが可愛いです」
「えー、そんな事ありませんよ。いい歳した大人が自堕落に過ごしているだけですから可愛さよりも駄目人間だなって感じになりませんか?」
「なりませんよ。もう目一杯お世話をしてあげて、沢山甘やかしてあげたいです。眠たくなったら頭を撫でてねんねしましょうね~って言ってあげたいですし、お着替えとかも手伝ってみたいです」
「そこまで至れり尽くせりだと本当に人間として駄目になりそうで怖いです。もうこのまま仕事もせずにベッドで暮らすわってなりそうで……」
「私はそれでも構いませんよ。男性を養うくらいの収入はありますし、なにより家に帰ったら佐藤さんが居るなんて最高ですから」
なんとなく話の方向が怪しくなってきたぞ。俺の本能がこのまま行くと取り返しのつかない事になると告げているのでここら辺で上手い事話しを打ち切ろう。
この世界の女性との会話は一歩間違うとある意味で天国への片道切符を手にする事になるから注意が必要なんだよね。何も考えずに話していると沢山の女性にお世話される――様々な意味で――羽目になる。人によってはご褒美かも知れないが俺はそういうのは望んでいないのでね。という訳で当たり障りの無い話題を振るか。
「そういえば――」
こうしてbarでの夜は更けていくのだった。




