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第十三話

 本日は定休日なのでいつもより少し遅めに起きて、コーヒーと完全栄養食を流し込みボケーとしている。仕事がある時は開店準備をする為忙しなく動いているが何もせずにダラダラと出来るのは幸せだ。こう……無駄に時間を浪費しているのは分かっているんだけど、こういう時間も大切だと思う。

 そうして暫くの間ソファで何をするでもなくグデ~としていたが、変な姿勢でいた為か身体が凝り固まってきたので解す為に少し散歩をしようか。幸い俺が住んでいる店舗兼住居の近くに街区公園――古い言い方をするなら児童公園――があるのでそこまで行こうと思っている。服装は近所だしジーンズに薄手のUネックセーターで十分かな。ざっと考えが纏まった所で自室へ行きササッと着替える。準備が出来た所で早速出発です。


 さて、やってきました街区公園。規模は小学生の頃に遊んでいた公園を想像して貰えればと思う。そんなまあまあの広さの公園には児童が遊具で楽しそうに遊んでおり、近くにはお母さん方が微笑ましい表情で見守っている。そんな中二十代半ばの男性が一人でベンチに座っていたらどう思われるだろうか?

 ①不審者として通報される

 ②幼女趣味の男性が居るとして事案発生となる

 ③無職のニートだと思われてゴミを見るような視線を向けられる

 以上①~③のどれかだろう。どれか一つだけ選べるならば③だろうか。①と②に関しては警察のお世話になるし、二度と公園に近寄れなくなる上に社会的に死ぬので絶対に避けるべしだ。大体俺が居た世界の場合はこんな感じになる。昔は知らないお兄さんやお姉さんと遊ぶなんて当たり前だったし、そこから学べることも沢山あった。それを見て大人があれやこれやと言う事は無く、当然の事としていたんだけど現代ではすぐに事案発生となってしまう。確かに子供の安全確保や犯罪に巻き込まれる危険性を排除するという点で見れば理に適っている。だが、果たしてそれが本当に子供の成長のためになるのかと言われればう~んと言わざるを得ない。勿論人によって考えや価値観、意見は違うので先に言った言葉はあくまで『俺の見解』でありそれ以上でも以下でもない。

 少し話が逸れたが翻って男女比一:二百の世界ではどうなるのか?というと……どうなるんだろう?通報や事案になる可能性は限りなく低いとは思うが、分からん。まあなるようになるだろうし、最悪の場合は軍警察に勤務している菫さんに助力をお願いすれば良いだけだ。権力万歳だぜ!

 強力な後ろ盾が居る事を思い出したので、大手を振ってこのままベンチで公園の景色を眺めていられるぜ。ホッと一安心した所で、さっきからこちらをじぃーーと見ていた幼女三人組がトテトテとこちらに歩いてくるではないか。はて、俺の近くに子供が興味を示すようなものがあっただろうか?と疑問に思っていると幼女達は俺の目の前で止まった。そして、開口一番とんでもない事を言ってきた。

「「「おとうさん?」」」

「えっ!?」

 まてまてまて!俺は未婚だし、そもそも彼女も居た事が無い童貞野郎だぞ。処女妊娠ならぬ童貞種付けとかありえないだろ。……いや、待てよ。月五回精子提供をしているから、もしかしたらこの子は俺の精子を使って人工授精した結果生まれた子なのか?――だとしても数ヶ月で妊娠から出産とはならないだろう。いくらこの世界の科学技術が凄まじいと言っても人間の摂理を捻じ曲げる事は不可能なはず。ではなぜこの幼女達は俺を『お父さん』なんて勘違いしているんだろう?

 理由は不明だが取り敢えずは否定しておこう。

「あー、悪いけど俺は君たちのお父さんじゃないよ」

「でも、おとこのひとだしおとうさんだよ」

「男の人=お父さんにはならないんだよ。君のお母さんと結婚して、愛を育んだ結果生まれた子供が居たら初めて父親になるんだ。ちょっと難しい話だけど分かるかな?」

「うーー、よくわかんない。おとうさんはおとうさんだよ!」

 上手くぼかしながら説明したけど幼稚園くらいの子にはまだ難しかったか。さて、このままじゃ埒が明かないなと思考の迷路に迷い込みそうになった所で、こちらに駆け寄ってくる三人の美女。恐らく母親だろう。これでこの状況は解決だなと安心していると、近くまで来た母親が開口一番謝罪をしてきた。

「うちの子がご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

「いえ、礼儀正しい子達で迷惑だなんて思っていませんよ」

 などとありきたりの返事を返す。まあ、いきなりお父さん呼びされて驚きはしたがそれだけだ。それにこうして母親も来た事だし幼女達とはこれでお別れだし問題は無い――はずだったんだけど……。

「あのね、おかあさん。このひとがおとうさんだよね?」

「えっとね、お父さんは遠い所に行っていて会えないの。だからこの男性は貴方の父親じゃないわよ」

「おかあさんのうそつき。めのまえにおとうさんがいるじゃない」

「………………」

 うーん、四、五歳位の幼児だと大人が説明しても納得はしないよな。今まで男の人を見た事が無い上に父親という存在は知っているだけ。そんな状況下で俺に出くわしたら勘違いしてもおかしくはないのかもしれない。だからと言って否定してばかりだと幼少期の人格形成に多大な影響を与えるだろうし、初めて見た男から何度もお前は間違っていると言われたら歪むよなぁ。

 それにお母さん達からとても申し訳なさそうな顔で見られているし、子供達は泣きそうな顔をしているしでカオスな状況になりつつある。だが打開する術はある。俺の心に猛烈なダメージを負う事になるし最悪取り返しのつかない事態に陥る可能性を孕んでいるがやるしかない……か。腹を決めてお母さん達と子供達から少し離れた場所へと移動する。

「あの、もしご迷惑でなければ私が父親役をやりましょうか?」

「お気持ちはとても嬉しいのですが、流石に初対面男性にお願いする訳にはいきません」

「あくまでロールプレイの一環です。私としても幼い子が泣きそうな顔でこちらを見ている姿は心が痛むので。子供達の為にもお願いできませんか?」

「分かりました、お願い致します。ですが、本当に宜しいのですか?」

「はい。袖振り合うも多生の縁と言いますし」

「そうですね。では、宜しくお願い致します。あっ、私達も子供が粗相をしない様注意して見ていますが何かありましたらすぐに言って下さいね」

「はい。その時は遠慮なくお伝えします」

 こうして幼女達の泣き顔に屈した俺は父親役を演じる事となった。演技経験なんて無いし、子供もいないので完全に手探りだし想像でやるしかなから粗もあるだろう。だが、やると決めたからには全力投球だぜ。決意も新たに幼女達の元へと戻り早速演技開始。

「お待たせ。良い子にしていたかな?」

「うん!ねぇ、おとうさんとおかあさんでなにをはなしていたの?」

「皆と何をして遊ぶか話し合っていたんだよ」

「そうなんだ。わたし、ブランコであそびたい」

「おっ、いいよ。それじゃあ行こうか」

 幼女三人とお母さん達と並んでブランコへと移動する。その際そう言えば名前を聞いていなかったと思い訊ねてみた。

「俺は佐藤拓真って言うんだけど君たちの名前はなんて言うの?」

「わたしはたかはしみほだよ」

「こうえんじりん」

「みやもとともかです」

 ふむふむ。高橋美穂、高円寺凛、宮本友香ね。三人とも幼児でありながらとても顔が整っているし、間違いなく将来は美人になるだろう。それは母親を見ても一目瞭然だ。というかマジでパッチリ二重でくりくりとした大きい目、スッと通った鼻梁、小さくてぷりぷりとした瑞々しい唇、子供らしい丸顔ながらも小さくてバランスの取れた顔立ち。この世界の顔面偏差値の高さは重々承知していたが幼女時代から完璧な造形とは恐れ入る。こんな可愛らしい子だったら例えペドフィリアやロリコンでも手を出すのを躊躇するだろう。あっ、俺は別に小児性愛者ではないし、大人の色気が漂う女性が好きなので誤解のない様に。ただし、女子高生は除く。ブラックホール並みの男の性癖を刺激する吸引力と途轍もない魅力を持った上に制服という最強の武器を手にしている青い果実には誰も叶うはずが無いのだから。

 少々話が逸れてしまったので元に戻すが、名前を聞きつつブランコへと到着。見た所踏み板式ブランコで設置数は二台で一台につき二人が遊べるようになっている。子供達は三人なのでだれか一人があぶれることになるが、果たしてすんなり乗る順番が決まるのだろうか?

「じゃあ、最初に乗る人は誰にする?」

「「「わたし!!」」」

「三人同時には乗れないからジャンケンで決めようか。負けちゃった人は俺と一緒に居ようね」

「おとうさんといっしょにいたいからまけでいいよ」

「ううん、わたしはあとでいいからみほちゃんがのって」

「みほちゃんとりんちゃんがさきでいいよ。おとうさんといっしょにみているから」

 バチバチと火花を散らしあう三人の幼女。こういう時って普通親といるのは嫌がるし、遊びたいって気持ちが前面に出ると思うんだけど……。なぜに俺と一緒に居る方を選ぶのか。ただまあ、このままだと口喧嘩からのキャットファイトになりそうなので俺が勝手に決める事にした。

「最初は美穂と凛で。友香は俺と一緒ね」

「う~、おとうさんがいうならわかった」

「こんかいはともかちゃんにゆずるけどつぎはわたしのばんだからね」

 なんだかんだ文句を言いつつ俺の言う事に従ってくれて良かった。内心安堵しつつ、二人をブランコへと乗せて後ろから軽く押してあげる。最初に勢いをつけてあげたので、スムーズに振り子動作をしてはしゃいでいる。うーん、実に微笑ましい光景だなんて眺めていると不意に裾を引っ張られる。

「んっ?どうしたの?」

「おとうさん、だっこして~」

「いいよ。じゃあ持ち上げるね。よいしょっと」

 子供の抱き方なんて分からないので適当にお姫様抱っこをしてみた。この態勢であれば友達の方も見れるし、抱えている俺としても大分楽なので正解だったかな。しかし幼児って思ったよりも軽いんだな。体感的には十㎏前後で普段トレーニングをしていない人でも十数分程度なら抱えていられる重さだ。果たしてこれが四~五歳児の平均なのかはわからないが随分軽いように思う。まあ、太っていて持ち上げるのにも一苦労するよりかは断然いいんだけど等と考えていると友香が俺の顔をじぃーーと見ている事に気付いた。

「俺の顔に何かついているのかな?」

「ううん。おとうさんかっこういいなっておもってみてたの」

「そうかそうか。格好良いか。ありがとな」

 そう言いながら頭を撫でてあげるとサラサラと髪が流れていく。そして撫でられている友香はうっとりとした表情で頬を緩めながらが撫でられている。うん、可愛い。子供って言うのは無条件で可愛いものだが、なまじっか顔が整い過ぎているせいで可愛さが天元突破している。しかも余程嬉しいのかギュッと抱き付いてくるんだから堪らない。危うくロリコン道に片脚を突っ込みそうになる程だ。しかしすぐ近くに母親が居るのでニヤケヅラなんて浮かべられるはずもない。悪即斬ならぬ悪即通報となり警察の御厄介なる事間違い無しだからキリッとした表情を崩さずにただ無心で頭を撫でるのみ。

 そうやって友香の頭を撫でているとブランコで遊んでいた二人がこちらに向けて凄い勢いで走ってきて開口一番こう言ってきた。

「「ともかちゃんだけずるい!わたしもなでて!」」

「分かったから足にしがみ付くのは止めようね。じゃあ、次は美穂でその後に凛の順番で行こう」

「「わかった~」」

 そうして順番に頭を優しく撫でる事になったが、お母さん達から物凄い視線が飛んでくるんだが。うちの娘を誑かそうとしてる犯罪者を見る感じではなく、嫉妬の視線だ。もじもじと何か言いたそうにしているし、何故に娘に嫉妬しているのか気になった為聞いてみることにしよう。

「あの、大切な娘さんに気安く触ってしまってすみません」

「いえいえ、娘も喜んでいますしこうして男性と接触できる機会なんて人生でもう二度と無いと思うので存分に撫でてあげて下さい」

「分かりました。――ところで先程から何か言いたそうにしていましたが、遠慮なさらずに仰って下さいね」

「……ご迷惑でなければ私の頭もナデナデして欲しいなぁと思いまして。勿論無理にとは言いませんし、こんなおばさんじゃ駄目ですよね」

 うぐっ、うるうるとした瞳で小首を傾げながら言うとかズルすぎるだろ。しかも無意識で両腕をキュッと寄せて胸元を強調するとか完全にアウトです。こんな事をされたら返事なんて決まっている。

「全く問題ありません。子供達が終わったら順番にさせて頂きます。それとおばさんだなんてとんでもない。皆さんとても若くて綺麗ですし、魅力的ですよ」

「まぁ!うふふっ、とても嬉しいです♡」

 さりげなく距離を詰めて俺の目を見ながら微笑む姿はとても美しい。人妻――既婚者では無いし、子供も人工授精で作ったから人妻という表現が正しいかは分からないが――ヤバいです。子供がいるせいか母性が溢れているし、包容力や優しさが凄まじい。こんな母親だったら滅茶苦茶甘えまくるだろうな。夜の営みとかも甘々で蕩ける感じで、存分に甘やかしてくれそうだし。あっ、赤ちゃんプレイはNGね。好きな人は好きなんだろうがどうにも気持ち悪さが勝ってしまって受け入れられないんだ。どうせやるなら母子プレイの方が捗るってもんだぜ。と妄想を膨らませている内に幼女三人のナデナデが終わりお母さんたちの番になった。

「ふぁあぁ~~、気持ち良いです」

「んんっぅ、お腹の奥が疼いちゃう」

「こんなに凄いなんて想像以上。癖になっちゃうわ」

 などなど色っぽい声と表情で言ってくるものだからこちらとしては堪ったもんじゃない。すぐそばに自分の子供がいるにもかかわらず、熱っぽい吐息と発情した女性特有の甘い香りが俺を誘惑してくる。俺だって男だしいつまでもこの状況に耐えられるわけじゃないので一旦クールダウンを取る必要がある。

「あの、お手洗いに行ってきます。すぐに戻ってきますので」

「分かりました。お気をつけて」

「はい」

 子供達は素直に見送ってくれたが、お母さん達は色々と察しているのかスッと目を細めて下腹部を押さえている。うん、これはお互い手早く発散しないと収拾がつかないだろうし彼女達も俺がトイレに行っている間になんとかするのだろう。短時間でスッキリする方法はあるからな。


 というわけで戻ってきました。今の俺は賢者タイムで無敵だぜ。えっ?街区公園に男性用トイレがあるのかだって?国営の施設だからそこら辺は確りと完備されています。例え一度も使われる事が無いとしても、法律で設置する事が決まっているからだ。これが私営だと話は別なんだがそこは割愛させてもらう。……それで、俺は良い感じになったがお母さん達はと言うとスッキリした顔をしていました。はい、これ以上は言えませんが満足そうな顔を見る限り問題無いでしょう。

 そんなこんなで子供達との遊びを再開です。

「ブランコで遊んだし次は何かしたい事はあるかな?」

「てつぼうでさかあがりがしたい!」

「おっ、鉄棒か。いいよ、じゃあ移動しようか」

 鉄棒と言えば小さい頃によく遊んだ遊具だ。基本的な逆上がりから始まり前回り等々色々とあるが、俺が小さい時は逆上がりに大層苦戦した覚えがある。鉄棒の途中まで足は上がるんだけどそこからクルッと回る事が出来ないのだ。誰かに足が上がったタイミングで後ろに回してもらえれば何とかなるんだけど自力ではどうにも無理で何度も挑戦したっけか。つい懐かしい思い出に浸ってしまったが、子供が鉄棒遊びをする際は十二分に注意しなければいけない。一番の危険は落下からの身体の強打だ。頭をぶつけてしまえば大怪我するし、最悪なんらかの後遺症が残る可能性もあるので大人が注意深く見守る必要がある。更に付け加えれば子供――四~五歳児――で体重が軽いとはいえ落下の際は勢いと重力が加算されるので女性の腕力では厳しい面がある。なるべくなら男性が傍に付いているべきだろう。幸い今回は俺が居るのでその点はクリアできているが。

 さて、安全面について考えを巡らせている内に鉄棒が並ぶ場所へと着いた。

「じゃあ、最初は誰にしようか?」

「わたし!」

「凛か。逆上がりは出来るの?」

「う~ん、すこしだけ」

「少しだけかぁ。それなら途中から俺が手伝うね」

「うん」

 元気よく返事をした後凛が背伸びをして鉄棒を掴む。そして『んっ!』という掛け声と共に足を上へと蹴り上げる。が、天辺の半分くらいで止まってしまったので手を伸ばして足を掴んだらそのままゆっくりと後ろへと回してあげる。その際凛のスカートがベロンと捲れ上がり子供パンツが丸見えになるが無視して回転動作の補佐を続ける。補助もあってかクルッと一回転して地面に着地。

「おとうさん、さかあがりできた~」

「おおっ、よかったね」

 脚に抱き付いてきた凛の頭を優しく撫でてあげるとえへへっと可愛らしい表情を見せてくれる。恐らく今まで成功した事は殆ど無かったのだろうと表情を見ていると思う。運動が得意な子ならサクッと出来てしまうので、子供ながらに劣等感を抱いていたのかもしれない。だからこそ、ここまで喜んでいるのかもしれない。そんな考察をしつつ、次は友香、美穂と順番に補助しながら逆上がりをしていく。そうして一巡した所で友香が口を開く。

「おとうさん、つぎはまえからまわるのしたい」

「前回りか。よし、やろうか」

「やった~」

 逆上がりと前回りは前に回転するか、後ろに回転するかの違いでしかないので一度コツを掴めば案外簡単にできてしまうものだ。なので三人ともさっきよりもスムーズな動作で熟していたので、あと何回かやれば俺の補助無しでも出来るようになるだろう。子供は素直に言う事を聞くし、思考も柔軟なので兎角覚えが早い。大人になると凝り固まって他人の意見をすんなり受け入れることが出来なくなるし、それが自身の成長の足枷になる。それは分かっているんだけど、長い時間を掛けて培ってきたものを簡単に捨て去る事が難しいのも事実なんだよな。それが大人になるって事かもしれないけど子供達を見ていると俺も思考の柔軟性を持たないとなと痛感させられる。こうして子供から何かを教わる事もあると知れたのは僥倖だ。新たな気付きを齎してくれた天使のような幼女達に感謝も込めて抱っこしてあげようかな。

「抱っこしてあげるからこっちおいで」

「「「やったー!おとうさんのだっこ~」」」

「ほら、高い高い~」

「きゃーー、たのしい~!」

 滅茶苦茶喜んでくれているんだが。ここまで嬉しそうにしてくれるなら、クルクル回っちゃおうかな。

「わー、まわってるー。クルクルすき~!」

 張り切って抱っこしたまま回ったり、上げ下げしたりとついつい俺もはしゃいでしまった。……そう、この後二人にも同じ事をしないといけないという点をすっかり忘れていたんだ。

 子供三人を抱きかかえて色々と動くとどうなるか?答えはこうなる。

「はぁ、はぁ、はぁ……。ちょ、ちょっと休憩。はぁ、はぁ、はぁ……」

「大丈夫ですか?」

「少し休憩すれば……何とかなるので大丈夫です」

「分かりました。――喉も乾いていると思いますし、買ってきますね。スポーツドリンクで宜しいですか?」

「はい。すみません、お気を使わせてしまって」

「いえいえ、お気になさらないで下さい。それでは行ってきます」

 自販機へと歩いて行く後姿を見つつ、芝生に座りながら戻ってくるまで待つことする。

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