第十二話
barがオープンしてから早一月。最も危惧していた来店客数についてだが、杞憂に終わった。正直な話広告や宣伝もせず口コミだけで人が来るはずが無いと思っていたが、俺はこの世界の男性に対する飢餓感を舐めていた。何処でどういう風に話が回ったのかは分からないが、開店翌日からチラホラとお客様が来るようになり、一週間もすれば開店から閉店まで常にお客様が居る状態になった。これは嬉しい誤算であり、仕事にも更に気合が入るってもんである。あぁ、誤算と言えば客層については当初想定していたのとは大分違う形になっている。最初は仕事帰りの社会人や夜遊びをしている大学生が来るだろうと見込んでいたのだが、蓋を開けてみると身なりの整ったキャリアウーマンやどこぞのご令嬢を思わせる雰囲気と佇まいをした女性が殆どなのだ。服装もインフォーマルに近い形だがやや露出が多め&スカート丈が膝上二十~二十五㎝なので、正確にはインフォーマルとカジュアルの中間くらいだろうか。男性諸氏に分かり易く説明するならミニ丈のスカートを履いていて、胸元が少し見える感じだ。海外ドラマに出てくる色気がある女性を想像して貰えるといいだろう。……そう、割と目のやり場に困る服装なのだ。服装に関してはうちの店は特にドレスコードは定めていないので、好きな格好で構わない――ジャージやスウェットはNG――のだが何時の間にやらお客様の間で暗黙のルール的なものが制定されたみたいで先に挙げた服装がデフォルトになっている。あとは、泥酔するまで飲む人が居ないと言うのも特徴かな。自分がどれだけ飲めるのかをしっかり把握しているのと、引き際を弁えているからこそだろう。俺が居た世界では酔っぱらってグダを巻く人や、延々と愚痴を言い続ける人等がいたし、なんなら寝落ちして閉店時間までカウンターに突っ伏している人もいたからなぁ……。『お客様。閉店時間なので起きて下さい』って起こしたら寝起きの不機嫌さ大爆発で絡まれて大変だったことは一度や二度ではない。
その点こっちの女性達は品よくお酒を楽しむし、ほろ酔いで飲むのを止めるので本当にいいお客様だと思うよ。――長々と話した上最後の方は愚痴みたいになってしまったが、結論としてはお店は順調という事だ。このまま何事もなく経営していけたらなぁと思いつつ開店時間になったので入口へ向かいドアプレートをopenへと変える。
さて、今日も一日仕事を頑張りますか!
幾ら来店客が増えたと言ってもOPENしてすぐにお客様が来るという事は滅多に無い。十八時といえば大抵の人はようやく仕事が終わったか、終業時間までもう少しと言った所だからだ。なので最近は開店時間を十九時に変更しようかななんて考えてもいるが、経営的にどの程度影響が出るかが分からないので躊躇している次第である。まあ、別にやる事が無くて暇を持て余すという事は無いのでそこは問題無いのだが……。こういう経営に関する事は中々に難しいし、経営コンサルタントに相談してみるのが一番かななんて考えている内に本日最初のお客さんがやって来た。
三人組だったのでボックス席へとご案内する。そして注文を取り、お酒を作り提供。そうして仕事をしている内に一人、また一人とお客様が来店し気付けば店内の七割ほどの席が埋まっている状態なった。当然カウンター席は一番人気で座りたがる人が多いが、基本的には先着順なので座れなかった人は残念そうな顔を浮かべてテーブル席に座る事になるのでこちらとしても少々心苦しい。じゃあカウンター席を増やせばいいじゃないかと言うとそう簡単にはいかない。お店の広さもあるし、全体のバランスや同線も意識しなければいけないのでじゃあ増やしましょうかとはいかないのだ。
そのように色々と考える事や問題も多いが、俺に出来る事を精一杯やるのみと喝を入れた所でお客様に提供するお酒を作る。今作っているのはカシスオレンジで口当たりが軽く、飲みやすい定番のカクテルだ。作り方はとても簡単だが、だからこそバーテンダーの腕が試される一品となっている。
氷の入ったタンブラーにカシスを入れ、オレンジジュースで満たし良くステアした後グラスに注ぎコースターの上にそっと置く。その様子を見ていたお客様がうっとりとした表情で口を開く。
「とても美味しそう。――では頂きます」
コクリと喉を微かに鳴らしながら一口飲む。お口に合うだろうか?と少し緊張しながら続く言葉を待っていると微笑みを浮かべながらこう言ってくれた。
「美味しい。オレンジの甘さとカシスリキュールの微かな渋みが絶妙なバランスで飲みやすいです」
「有難うございます」
「こんなに美味しいお酒を出してくれるお店で飲むと他の店では飲めなくなってしまいますね。それに佐藤さんのお姿も目の前で拝見出来ますし」
「そう言って貰えるとバーテンダー冥利に尽きます。――私の姿を見ても特に何かあるという訳ではありませんが」
「ふふっ、お酒が美味しくなります。それにこうしてお話しているととっても幸せな気分になるんですよ」
うーむ、そう言われても全く実感がない。俺を見て酒が上手いと感じるのはまあ……人それぞれだとして幸せな気分になるって麻薬成分でも身体から分泌されているのかな?
まあ、言われて悪い気分になるものでもないし、楽しい時間を過ごすスパイスになっているのなら問題は無いだろう。そう結論付けてカウンターキッチンの清掃をしていると目の前に座っている女性が再び声を掛けてきた。
「あっ、そういえば佐藤さんにお渡ししたい物があったんです」
「なんでしょうか?」
「今朝クッキーを焼いたのですが、もしよろしければどうぞ」
「いつも有難うございます。ですが貰ってばかりでまだお返しが出来てないので申し訳ないです」
「気になさる必要はありませんよ。見返りが欲しくてしている訳では無いので」
そう言ってくれるが、何かしらの形でお礼を返さねばならない。だが、そうしなければいけない人はこのお客様だけでは無いのがまた難しい。何故かと言えばこうして偶に手作りのお菓子を貰ったり、珍しいお酒を手に入れたので良かったらどうぞと渡されたり、お夕飯のおかずにどうぞと料理を頂いたりと色々なお客様から手渡されるのだ。こちらとしても大変有り難いので喜んで受け取っているが、このままじゃヒモになるんじゃないか?と内心恐怖を感じてもいる。でも、頂いた物は滅茶苦茶美味しいし感想を伝えると凄く喜んでくれるので安易に受け取りを拒否して良いものかとも思うんだよな。
なにより、美人&可愛い女性の手作りお菓子や料理を食べられるって言うのは余りにも魅力的過ぎる。暫くは悩むことになるだろうが、幸せの代償だと思えば安いものか。取り合えず頂いたクッキーはカウンターキッチンの下にあるミニ冷蔵庫に仕舞っておこう。
「そういえば、最近何か困った事や不便だなと思った出来事はありますか?」
「そうですね……ジムに通いたいなと思っているんですが、この辺りに深夜に営業している所が無いので不便だなとは思っています。自宅で出来るトレーニングは限られていますし」
「ジムですか……。確かにこの辺には二十四時間営業している店舗はありませんね。立地的にも中型~大型店舗は厳しいでしょうし、深夜はお客さんも殆ど来ないから採算を取るのが難しいわね。でも、拓真さんが困っているんだし、なんとかしなきゃ」
「お金と時間が掛かる上色々と難しい問題ですし、伊藤さんのお気持ちだけで結構ですよ」
「でも……」
ここで俺がじゃあお願いします!と言えば彼女はどんな手段を使ってでもお店の近くにジムを開業するだろう。俺が困っているというだけで。流石にそれは限度を超えているし、動くお金も莫大な金額になるのでやんわりと遠慮する事にした。だが、それで伊藤さんが納得できるかと言えば――まあ、彼女の表情を見れば分かる。なのでもう少し言葉を付け加えることにしよう。
「絶対にジムに通いたいわけでもありませんし、近所にあれば楽だなぁ程度ですから。自宅でのトレーニングと近所の散歩でも十分効果はありますしね」
「佐藤さんがそうおっしゃるなら、はい。分かりました」
どうやら一応納得してくれたみたいだな。伊藤さんの様子を見てそう判断した後、他のお客様からオーダーが来たのでお酒を作り始める。
そうして、時間は過ぎ時刻は二十二時を少し過ぎた頃。カランとドアベルが音を立てたのでそちらの方を見ると昨日も来店して頂いたお客様の姿が見える。お一人だったのでカウンター席へと案内した後注文を取り、提供する。彼女が最初に選んだのはモッキンバード。テキーラ・ミントリキュール・ライムジュースをシェイクして作る緑色が特徴的なお酒だ。テキーラのライムの酸味、ミントの香りが爽やかな一品だ。最初の一杯なのでテキーラの分量はやや少なめにして、次のお酒も楽しめるように調整している。こういった配慮もバーテンダーとしてやっていくには重要な要素となる。
シェイクしたカクテルをグラスに注ぎ、コースターの上に置く。すると、すぐに感想が返ってきた。
「綺麗な緑色ですね。香りもとても良いです」
「ミントリキュールを使っているので、飲み口もスッキリしているのでお勧めです」
「では頂きます」
そう言ってからグラスを持ち一口。
「とても美味しいです。ライムの酸味が良いアクセントになっていて癖になりそう」
「お口に合ったようで何よりです」
気に入ってもらえたようで良かった。とても美味しいお酒なんだけどミントが嫌いな人にとっては絶対に飲みたくない一品だからなぁ。歯磨き粉みたいで嫌という人が多い事多い事。チョコミントアイスとか美味しいのに勿体ないと思うし、一度で良いから食べてみろと言いたい。まあ、目の前に座るお客様――小林さんは好きみたいでよかったけど。
なんて思っていると小林さんが口を開く。
「はぁ~。今日はもう少し早くお店に来る予定だったんですけど、急ぎの仕事を任されてしまって遅くなってしまいました」
「遅くまでお疲れ様です」
「有難うございます。――定時に帰れるように段取りを組んで仕事をしていたのに上司のせいで台無しです。おかげで佐藤さんと過ごす時間が減っちゃうんですからなんだかなぁ」
「事前に仕事を振るかもと言ってくれればスケジュールも立てやすいんですが、難しいんでしょうか?上司の仕事の一環に部下に仕事を割り振るというのも含まれるのでそこら辺も確りしていると思ったんですけど」
「本来ならそうなんですが、私の上司は自分が忙しい時は適当に右から左に流してしまうんです。お蔭でこちらが割を食う羽目になるんですよ」
「うーん……、あまり他人の事を悪く言いたくはありませんが職務怠慢では?」
「ですよね。私もそう思います。でも、入社三年目の下っ端が文句も言えるはずが無く……。って、愚痴ばかりでごめんなさい」
「いえ、お気になさらず。自分の裡に抱え込むより誰かに話した方がスッキリしますし、楽になりますから。私でよければ何時でも愚痴をこぼして良いですからね」
「本当に佐藤さんはお優しいですね。男性からそんな風に言われたら勘違いしちゃいますよ?」
コテンと小首を傾げながら流し目でそんな事を言ってくる。深窓の令嬢を彷彿とさせる女性からそんなアクションをされたら大抵の男は堕ちるだろう。美人で清楚。胸も大きくスタイルも良い。更に残業終わりとは思えない程身形が整っており、仄かに甘い香りが鼻孔を擽る。また、お酒を飲んだ事で微かに頬が赤らみ、瞳は少し潤んでいる。最強の武装を施した歴戦の兵士に新兵が勝てるわけもなく、あと少しの所で俺も『勘違い』してしまう所だった。バーテンダーの矜持と今まで培ってきた経験が無ければ即堕ち間違い無しだったぜ。ふぅ……女性とは恐ろしい生き物だ。
取り合えず窮地を脱した所でホッと一息つく。このままだと、流れが危ない方向に行きそうなのでさり気無く方向転換するべくこちらから話を振ってみる事にした。
「小林さんはお酒に強いんですか?昨日もお店にいらしていましたし、今日も来ていただいたのでふと気になりまして」
「普通の人よりは強いと思います。ワインボトルを六割ほど空けてもほろ酔い程度なので」
「それはかなりお強いですね。私だったらそこまで飲めませんし、確実に泥酔していますよ」
「ふふっ、でもお酒は楽しく飲むのが一番だと思いますしたくさん飲んでも醜態を晒さないのは利点ですね。あっ、佐藤さんの酔ったお姿なら見たいですけど♡」
「恥ずかしいのであまりお見せしたくは無いですね。それに小林さんにみっともない姿を見せたくは無いですから」
「あら、嬉しい。それって私の事を少なくとも女として見て頂けているという事ですよね?」
「そうですね。綺麗な女性だなと思いますし、とても魅力的だと思います」
客観的に見て美人で魅力溢れる女性なのは間違いない。俺の居た世界だったら男なんて選り取り見取りだし、イケメンが腐る程言い寄って来るだろう。だから決して嘘は言っていない。
「佐藤さんからその様な事を言われるとは思っても見ませんでした。嬉しい」
うん、可愛い……んだけど瞳の奥に獲物を狙う肉食獣のような鋭さがあるのがちょっと怖い。一瞬でも気を抜いたら瞬く間に食い殺される様なそんな気配を感じるんだ。菫さんや雪音さんはゆっくりと距離を縮めながら信頼関係を築いていくタイプだから尚更小林さんからは獰猛さを感じるのだろう。
勿論小林さんのような内に秘めた肉食系女子が好きな男性もいるだろうし、危険な香りのする人というのはどうにも魅力的に見えるのも確かだ。だけど、一度喰われてしまえば最後、骨の髄までしゃぶられてしまう。だからこそ一線を引いて彼女とは接するようにしているんだ。
こういう駆け引きもバーテンダーの仕事をしていく上で重要となる。実際俺も何度もお客様からの思わせぶりな態度に痛い目を見たからな。などと過去を振り返っていると、件の小林さんが次のお酒を注文してきたので作る事に。二杯目はマルガリータ。テキーラ、ホワイトキュラソー、ライムジュースで作るお酒だ。テキーラの濃厚な味わいに、柑橘系の爽やかさとリキュールの甘さが絶妙にマッチしたカクテルとなっている。ちなみにカクテル言葉は、「悲恋」「無言の愛」。彼女がカクテル言葉を知っているかは分からないが、先の遣り取りを考えると中々に鋭いチョイスをしてくるなと唸ってしまう。
とはいえ、真相は分からないしオーダーされた品を作るのみ。シェイクしたカクテルをグラスに注ぎ、コースターの上に置く。
「綺麗な乳白色ですね。まるで真珠の様」
「仰る通りで、マルガリータはギリシャ語で真珠を意味するんですよ」
「そうなんですね。このまま眺めていたいですけど、一口頂きますね」
「どうぞお召し上がりください」
俺がそう言った後カクテルグラスを持ち上げて微かに喉を鳴らす。さて、お口に合っただろうか?
「んっ、とても美味しいです。口当たりも良いし、甘くて飲みやすいのでつい飲み過ぎてしまいそう」
「テキーラを使っているのでアルコール度数は高めです。気を付けないとすぐに酔いが回ってしまうのでご注意を」
「有難うございます。――はぁ~、佐藤さんのお店のお酒ってなんでこんなに美味しいんでしょう?」
「使うお酒の品質や、氷の削り方、分量などもカクテル作りの要素として大事ですが一番はバーテンダーの腕ですね。技術が低い人が作るとどうしても味は悪くなりますから」
「成程。その点で言うと佐藤さんは一流……ううん、超一流という事ですね」
「そう言って貰えてとても嬉しいですが、私はまだまだです。師匠の足元にも及びませんし、いつかは同じ頂に立つために努力している最中ですから」
「お師匠様がいらっしゃるんですね。初めて聞きました」
そう言えばお客様に俺自身の事を喋る事は余り無かったな。別段秘密にしている訳でも無いんだが、聞かれても居ないのにペラペラと自分語りする必要も無いしな。勿論俺が異世界から転移した事は極秘事項であり、極一部の関係者以外は知らない。当然他言は無用だしもし口を滑らせてしまえば男性であろうとも厳罰が下るのだ。だから、俺がお客様と話す中で開示できる個人情報はある程度限られている。とはいえ踏み込んで聞いてくる人は今の所居ないし、もし聞かれてもやんわりと誤魔化せば良いだけなんだけど。……っと師匠についてはまあ触りだけ話すとしよう。
「師匠は私にとって憧れの人であり、バーテンダーとしてのイロハを教えてくれた人でもあります。こうして今の自分が居るのも全部師匠のおかげです」
「素晴らしい方なんですね。そういう師弟関係というのは創作の中だけだと思っていましたが、現実にもあるなんて。私も一度佐藤さんのお師匠様に会ってみたいです」
「あー……、それはちょっと難しいです。今は遠く離れた場所に居て会いたくても会えない状況なので」
「あら、それは残念です」
寂しそうな顔でそういう小林さんだが、異世界に行く手段が無い以上どうしたって会う事は不可能だ。下手をするともう二度と家族や友人に会えないかもしれないし、こんな形で別れる事になるならもっと親孝行しておけばよかったと心から思う。孫の顔を生きている内に見せてくれと言われていたが、今となっては俺に子供が出来ても見せる事すらできない。改めて現実を叩きつけられて目尻に涙が浮かびそうになるがグッと堪える。今は仕事中であり、お客様の前で泣くなんて出来るはずが無い。
だからこの感情は胸の裡に仕舞い込んで笑顔で居なければ。
「佐藤さん。悲しそうなお顔をしていますが大丈夫ですか?」
「ご心配頂き有難うございます。ちょっと師匠の事を思い出しただけですので」
「そうですか。お辛い時はいつでも私の胸をお貸ししますので仰って下さいね」
「はい」
小林さんの心からの言葉に思わず胸がジーンとなる。普段は色気たっぷりで裡に肉食獣を潜ませているような人だけど、今は慈愛に満ちた聖母のような表情と雰囲気を纏い俺を見つめている。思わずカウンターから身を乗り出し豊満なおっぱいに顔を埋めたくなる。もしそうしても彼女は怒るどころか、よしよしと頭を撫でてながら優しい言葉を掛けてくれるだろう。甘く蕩ける様な魅惑的な衝動に突き動かされそうになるが鋼の精神で耐える。もし、彼女に甘えてしまったら雪音さんや菫さんが悲しむだろうし二人が寂しそうな表情をしているのを見たくはない。だからここは耐えの一手だ。
心に喝を入れながらなんとか耐え忍んだ所で、まるで状況を見計らったかのように小林さんが言葉を紡ぐ。
「ふふっ、もういい時間ですしそろそろお暇しますね」
「分かりました。では、お会計はあちらでお願い致します」
「はい」
キャッシャーで会計を済ませた後、ドアを開けて小林さんを見送る。
その後は新たにお客様が来ることも無く閉店時間となり本日の営業は終了。毎日多くのお客様が来店して下さるが、大体こんな感じで時間は過ぎていく感じだ。小林さん程では無いが誘惑してくる女性も多いし結構精神的に辛いんだよ。このままじゃ遅かれ早かれ堤防が決壊して誰かと一夜の関係を築くことになりかねない。一度そうなってしまえば絶対に歯止めが利かなくなるし、処女を貰う以上責任を取る事になる。一夫多妻が認められているとはいえ僅かな好意しか抱いていない相手と結婚はしたくない。だからこの悶々とした気持ちを少しでも発散する為に今日も自家発電を頑張らねば!目標は四回だ。それだけ搾り取れば二・三日は平気なはず……たぶん、きっと、おそらく。
てか、彼女が居れば全ての問題が解決するんだけどそれが一番難しいって言うね。人生とはままならないものである。