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星座は巡る その動力は回し車

作者: こだれ

 ある時、星座の巡りが遅くなった。


 空を見上げてもあまり変わりない星々。夜がなかなか明けず、昼は長い。

 地球を含めた星々の自転、公転共に緩やかになってしまっていたのだった。


 自転公転速度が変わると星々への影響が大きく、勿論生物が住めたものではない。惑星そのものの危機、ひいては宇宙全体の危機とも言えたが、原因不明のまま、その動きは遅くなる一方であったが……



 カラカラカラカラ


「博士!せ、星座の巡りが戻っています!」


 カラカラカラカラ


「博士!こ、これは地球は救われるのでは!!」


 ピタッ


『ふう……久しぶりじゃあ身体鈍ってるハム』


「博士!!全惑星の自転公転共に、と、止まりました!!宇宙は、終わりだああ!!」


『ここは、少しハムギア上げてみるかっ!』


 ダンッ!カラカラカラカラ!!


「博士ええ!!今度は自転公転が、は、早すぎる!!ど、どうなってるの?!」





 宇宙の存亡握る何かがあると知った人々は、大いに戸惑い、それを探り、一つの可能性にたどり着いた。


 それは


【ハムスターの回し車が星々の自転、公転の動力源になっている】



 という、世界の学者が驚くモノだった。


 しかし、そんな事実に肝心のハムスター達は目を背けた。小さな生物には余りにも重責だったのだ。何より回し車にそんな事実要らない。


 そんな中、立ち上がった一匹のハムスターが居た。



『俺は、おがくずの中でグッスリ寝ててえハムが……ま、ヒマワリの種食えなくなるのも困るし。仕方ねえハムか』


 その名は、ハム助。

 ビルの屋上、月夜に佇む、その小さくも愛らしい後ろ姿に、宇宙の命運は預けられた。


『やれやれ、ちょっくら宇宙救って……くるハムか』


 カラカラ……

 カラカラカラカラ!!


『見てろよ、全宇宙(おまえら)! ハムスターのハムは、運命に歯向(ハム)かうの()()だって事、見せてやるハムッ!』


 ブワッ!トドンッ!!


 ガラッ! ガラガラガラ!!!!


 

『あっ』



!?




コケッ



 グルングルングルン


 ポーン


 ハム助は回し車を回し過ぎて、外に投げ出されたのであった。



 そして宇宙は滅亡した。



『いってー。よし次は本気(マジ)のハムギア行くぜ! って全宇宙(おまえら)どこ行った?! さては、俺の勇姿(マジなすがた)に照れやがったハムな。へへっ、待ってろよ……全宇宙(おまえら)。』


 ハム助は消滅しなかった。

 何故なら、彼は消滅の運命にすら歯向(ハム)かうハムスターなのだから。


 これが、ハム助が全てに歯向かい、伝説のスターになっていく始まりであった。


 頑張れハム助。負けるなハム助。お前の勇姿を見届ける星も生物も居ない。

お読みいただきありがとうございました。一体何を見せられたのかとお思いの方、奇遇ですね私もです。いいねやご評価など良ければお願いいたします。

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[良い点] >一体何を見せられたのかとお思いの方、奇遇ですね私もです。 →お腹がwwwwww痛いwww あとがきで一番笑わせに来るのはズルいですわっ!www
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