#97 牢
少し短いです。
ここから二、三話は戦闘がないので、少し退屈かもしれません。
九十七話です、よろしくお願いします!
「貴様の裁判は明日の正午から行う。無駄な抵抗をするんじゃないぞ」
威圧感たっぷりに台詞を放った兵士がおいらを蹴る。
手枷をつけられているおいらは倒れながら牢の中に入る。
体の節々が痛い。
つい数時間前、おいらはクレア先輩達の役に立つどころか、危害を加えてしまった事が情けなくて、申し訳なくて、また同じ過ちを犯しそうな自分に怖くなって保健室から逃げた。
中庭まで走っていってようやく落ち着いたと思ったらいきなり兵士に捕まり、過度な暴行を加えられて今に至る。
「…………天罰って言うのかなぁ………」
おいらの独り言が、薄暗い廊下に響いた。
レインが牢に入れられた頃、騎士団本部では揉め事が起きていた。
「出てこい!騎士団のクソ団長!!テメェは誰を牢にぶちこんだか分かってンのかァ!?」
「リーダーの言う通りだぜ!とっとと頭出してこいや!!」
主にカフとテリアが揉めている。
カフなんかはまだギブスがついているのにそんなのお構いなしに騎士団員達にガンを飛ばしている。
そして、二人と同じくらいの熱量でレイン組が押し寄せているので、騎士団は対応に困っていた。
一応彼らは自ら暴力を振るったりはしない。
ただ、騎士団本部の門の前で訴えているだけだ。
しかし、声が大きい上に今までの戦闘の賜物なのか、一回目の襲撃からレイン組に所属していた組員は覇気が凄いので人が近づけないほどに近くの魔力が暴れまくっている。
騎士団の団員も何名かが、抑えにいこうとしたが、その覇気に追い返された。
個々では良い勝負かもしれないが、集団になるとまた違う。
キッチリ作戦を守り、規則正しく行動する騎士団と各々が判断してある意味臨機応変なレイン組では根本的に相性が悪い。
「オラオラどうした!手を出せねェヤツにしか威張れねェのか!?」
レイン組も段々ヒートアップしている。
このままだと、戦闘になりかねない。
しかし、それは杞憂に終わる。
「いい加減に出てきやが…………?!この感覚は………!」
なにかを感じ取ったのか、カフの顔面から汗がダラダラと出始める。
組員達も段々気づいたのか、急に静まり返り、汗を流す。
コツ、コツ、コツと彼らの後方から足音が聞こえる。
組員全員が錆びた人形のようにゆっくり後ろを向くとそこには。
「少し………うるさいね」
そこには実質レイン組のNo.3と謂われるリファ・バージンとその部隊の組員が不敵な笑顔を浮かべて並んでいた。
「帰ったらお説教ね♡」
「「「「ひぇぇぇぇええ!!」」」」
そして、騎士団に押し掛けた組員は漏れなくリファの部隊に確保され、連れていかれた。
そして、騎士団は終始ぽかんと口を開けながらその様子を見ていたのだった。
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