#93タイムオーバー
よ、ようやく区切りがついた………長かったよう……
九十三話です、よろしくお願いします!
そういえば新しい仮○ライダーはヴァイスという悪魔の名前やファントムサモナーという変化媒体の設定が似ていますが作者は断じてパクったりなどしていない(発表前にこの小説はあった)のでご了承下さい
「“ぜぇあ!″」
ニセモンが俺の腹に拳をねじ込んで、俺を吹き飛ばす。
それと同時に悲鳴を上げた喉の血管が切れて、吐血しちまう。
ちくしょう………煽ってみたはいいが、このままじゃ、冗談抜きで死んじまう……………
「“威勢の割には手応えがないぞ、まさか…………もう戦えないなんて、言わないよな?″」
ニセモンが俺の真っ赤に濡れた額を掴んで顔を無理やり持ち上げる。
確かにもう俺の体は限界だが、俺がここで諦めたら、他の奴らは確実に殺されちまう………!
「“ふん、やはり貴様もつまらんな。そろそろ終らせてやるとしようか″」
ニセモンが拳を構えて至近距離で俺の顔面に向かって振り抜く。
俺はとうとう死を覚悟して、目をつむった。
「“ぬ?!体が動かん………!″」
拳が俺の眼前で止まり、ニセモンの動きが止まる。
あ、危ねぇ~~~~!なんかしんねぇが、もう少しで確実に死んでたぜェ
「“く、とうとう時間切れか………まぁいい、随分と楽しめた………″」
ニセモンがそう言い終わると同時にヤツの武装が解けて、アニキが現れる。
「アニキ!」
体に力が入っていないアニキを受け止める。
凄まじい痛みが走るが、そんなことに構っている余裕はない。
息はしているみてぇだが、体のあちこちに大きな傷が幾つもついている。
「アニキ!無事ですかかい!アニキ!」
俺がアニキに声をかけていると、校舎の方からテリアが走ってくる。
「リーダー!これは一体どういう状況だ?!」
「テリアか!今すぐ回復魔法の使える奴と治療ができる奴を連れてきてくれ!もうみんな瀕死状態だからよ!それと………」
俺は姉御から聞いた『六仙』とカガリの事を警戒させようと、奴らを探すが、いつの間にかいなくなっていた。
「リーダー?」
「いや、何でもない。それより救援を頼む」
「分かった」
テリアが走り出そうとして、ふと俺の方に振り向く。
「後は俺に任せてくれ、リーダー」
「………おう!」
襲撃から1日が経った。
今回あれだけのモストロが押し寄せたにも関わらず、被害は予想よりも多くなかった。
死者0人、重傷者8人、軽傷者多数。
魔法や治療による回復で戦線で重傷を負っても回復出来たという事もあったが、それ以上にレイン組全体の能力が日々の特訓によって強化されていたのが大きかった。
反面、重傷と分類されたもののダメージは大きかった。
一番怪我が酷かったカフはあばら骨が5本、右足の骨が完全に折れ、両腕も骨にヒビが入っていた。
喉の血管が1ヵ所切れて、胸には大きなアザが出来ていた。
戦闘中はアドレナリンが出ていたから痛みに鈍かったようだが、学校の保健室に運ばれたところで痛みがきたらしく、カフの絶叫が学校に響き渡ったようだ。
しかも他の重傷者は魔法でほとんど治ったのに対し、カフはダメージが大きすぎて魔法では完治しなかったのだ。
「いっだだだだ!おい、もうちょっとやさ~しくやってくれよォ」
「我慢なさい、カフは重傷なんだから」
あんまりにも酷い傷なので、レイン組の治療係を務めているリファ・バージンが看病に当たっていた。
常に制服をピシリと着ており、静かに読書をすることの多い彼女は物静かな人物と思われがちだが、カフとは生まれながらの幼なじみでありテリアよりも長くカフと接していたのでレイン組の中でも一番気が強い。
カフ達がレインに慕うようになってからカフのサポートとして協力しているため、本人はいたって常識人だがその気の強さ故かレイン組の中で一番恐れられている。
「でも痛ェもんは痛ェって!」
「我慢しなさい」
リファがカフの背中を叩く。
「いっでェ!!!」
「騒がしいわね………」
クレアは隣の喧騒に少し笑いながらすぐそばのベッドで寝ているレインに視線を落とす。
「それにしてもあれは何だったのかしら………」
禍々しい鎧を纏ったレイン。
その姿はあまりにも恐ろしく、クレアが足を震えさせたほどだった。
「分からないわね………全くなにも分からないわな」
クレアの周りでふわふわ浮いていたヴァイスが肩を竦める。
「あんな気持ちの悪い魔力、初めてみたわ。思い出すだけで………うげぇぇ」
「ヴァイスちゃんにも分からないってなると厄介ね」
「まあ、今はリオンが色々調べてくれているか。それを待ちましょ。」
「そうね………」
クレアはまたレインの方に視線を落とす。
静かな寝息をたてるレインの頬には深い傷がある。
昨日、モストロと六仙による大襲撃は幕を閉じた。
普通に考えればそれでおしまいだ。
反省会をすることはあっても、基本はみんな喜び
しかし、何とも言えないような違和感がクレアの奥底にあった。
夏の風が保健室を吹き抜けた。
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