#87 カロスの力
遅れました八十七話です、よろしくお願いします!
おいらは目の前の圧倒的な存在に対して何故か危機感を覚えなかった。
空から飛来した時には確かな危険を感じたのに、今はひどく落ち着いている。
「『六仙』のカロス………だと?」
バン君の怪しむ声にカロスはその笑顔をさらに明るくしていく。
「そうそう!なんと、あのラディちゃんと同僚なの!ビックリでしょ?」
笑いかけてくるカロスにバン君は若干引く。
それも仕方がないのかもしれない。
おいらも落ち着いてはいるけんど、さっきからカロスから感じる雰囲気は異質に感じる。
「まぁいいや、僕もちゃぁんと戦わないとダメだし…………」
カロスがそう呟いたかと思うとカロスの周りの空間が一気に爆ぜた。
「レンさん!おいらの後ろに隠れて!!」
「は、はい!」
レンさんをおいらの後ろに移動させるとおいらは腰からショートソードを抜く。
「さぁ、遊ぼうよ」
爆煙の中からカロスが飛び出て、おいらに向かって戦斧を振り下ろす。
おいらはショートソードでそれを受け止めて、耐える。
「へぇ、やるじゃん。キミ雑魚だと思ってたけど意外と出来るんだね」
「褒めてくれてあんがとね!!」
おいらは脚に力をいれて戦斧を弾き返す。
カロスは少し驚いた顔をすると大きく後ろに跳躍して距離を取る。
「いいねぇいいねぇ」
二言発するとカロスはすぐに戦斧を構えてまたおいらに突進してくる。
「っ!?」
おいらがその場から飛び退くと、そこにカロスの戦斧が突き刺さって砂埃が舞う。
カロスはまた戦斧を構え直すとおいらに突撃してくる。
今のおいらではパワー負けするからなんとか戦斧を弾いていなす。
さらにカロスのスピードが増して、おいらは戦斧を弾くので精一杯になってとうとうその場から動けなくなる。
攻撃の感覚は一秒にも満たない。
おいらの体に浅い傷が増えていく。
「アニキ!」
「邪魔」
「キャァァ!!」
「レンさん!!」
駆け寄ろうとしたレンさんがカロスに戦斧で弾き飛ばされる。
「他人の心配をしている場合かい?」
「しまった!」
気を抜いた一瞬の内に距離を詰められ、おいらも戦斧で弾き飛ばされる。
「追撃ー!」
「っ!!」
宙を舞うおいらの上からカロスの戦斧の先端が迫る。
おいらはなんとかショートソードで防御する。
が、空中で強い衝撃を受けたおいらは地面に激突する。
「カハッ!!」
肺が圧迫されて息がしづらくなる。
「捕まえた」
カロスがおいらの頬の真横に戦斧を突き刺してそう宣言した。
「キミ、雑魚にしては結構面白かったよ」
カロスはそう言ってケタケタ笑う。
「でもね、あんまりオイシクなかったよ。死ぬときくらいは綺麗な赤色を見せてね!」
カロスがそう言うと突き刺してあった戦斧を抜くと、おいらの首めがけて振り下ろす。
「クッ!!」
もうダメだ。おいらはそう確信して目を瞑った。
キンッと金属が弾かれる音が響く。
いつまでも途切れない意識に疑問を覚えたおいらは恐る恐る目を開ける。
そこには。
「随分と私の後輩を苛めてくれたようね。アガリアレプトのカロス様?」
今までにない覇気を放つクレア先輩が立っていた。
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