#82 入り乱れた戦場
八十二話です、よろしくお願いします!
「副総長!第一作戦班は限界です!!」
傷だらけの組員がふらふらと走ってくる。
倒れそうな組員をテリアは腕で支え、倒れないようにする。
「よくやってくれた、第一作戦班は一旦撤退!!本部で体を休めろ!」
テリアの号令に何人かの組員が撤退していく。
虫型のモストロは未だに増えている。
組員が何とか倒せてはいるものの、敵の増加量が半端ではない。
「ここが耐え時だ!気合いを入れろ!!」
「「「応!!!!」」」
戦闘に立ったテリアはそう鼓舞するとモストロの集団に飛び込んで、敵をなぎ倒していく。
「(妙だな…………いくら何でもこの数は異常だ…………)」
テリアの頬を不穏な汗が伝った。
「転移完了☆」
「リオンの姐御!」
魔法陣が光ったと思うとそこにはリオン達が立っていた。
「ごめんねぇ☆ちょっと手間取っちゃった☆それよりも………レンちゃん、通信魔法をお願いしてもいーい?☆」
「はい!今すぐに用意します!」
レンが呪文を唱えた魔法陣を足元に展開すると、その魔法陣をリオンの足元に移動させる。
「あざまる水産~☆」
リオンもまた呪文を唱えると、空中に魔法陣が幾つも現れて、そこに各地の戦闘の光景が写し出される。
「さーてと☆本職に勤しみますかね☆」
リオンはその魔法陣に写し出された光景をさらりと読むと、通信魔法で各々に指示を出していく。
参謀のタマゴの名は伊達ではない。
「レン、テリアはどこに?」
レインを地面に寝かせたカフはレンに近づきそう聞く。
「前線に行って敵を抑えています。副総長が総長が戻ってきたらそう伝えろと」
「………分かった。俺も加勢する」
「カフ」
大剣を抜いて前線に向かおうとしたカフをリオンが止める。
「なんですかい?」
「今回の前線は気をつけて、恐らくさっき戦ったラディはフェイクだわ。奴はここに来る」
「俺たちと戦ったのはこの襲撃に俺たちを参戦させないため……………ってことですかい?」
「うん、『リオン☆キャッチ☆』とあたしの転移魔法を知らないのなら十分にあり得るわ、きっとラディはやってくる………気をつけて」
「了解しやした!じゃ、行っていやす!」
片手を上げてカフは走り去る。
「ごめんレンちゃん後輩くんの介抱を頼めるかな☆」
「は、はい!」
いきなりいつもの調子に戻ったリオンに驚きつつもレンはレインの方に向かう。
「ヴァイス様、アニキは………」
「体の酷使したせいで眠っているだけだと思うわ…………ふぁぁあでも、アタシももう限界だわ………後は頼むわね………」
ヴァイスはそう言うとレインの体内に入っていった。
「取り敢えず外傷はないか見ないと………アニキ、失礼します」
レンはレインの服をめくり、体に外傷がないか確認する。
「!?」
レインの体を見たレンの目が見開かれる。
「酷い傷…………どうしたらこんな………」
レンの目に飛び込んだのは肩から腰にかけて付けられた大きな傷と腹部に出来た幾つものアザだった。
「と、取り敢えず治療しないと………!」
レンは回復魔法をレインにかける。
「え!?回復しない!?」
かけたはずの回復魔法は全く効かず、レインの傷は治らない。
驚きで固まっていると、さっきまで死んだように眠っていたレインが体を起こした。
「ア、アニキ体調は………」
「…………何か来る………!」
「え?」
レインは空を見上げ、焦ったように呟く。
「レンさん、ごめんねぇ」
「え?え?」
レインがレンを軽く抱き、その場から飛び退く。
直後、レインにめがけたかのように何かが落ちてきて、爆発が起こる。
リオンの近くに護るようにバンとポットが寄って、落ちてきた何かを警戒する。
レインはレンから離れると、腰のショートソードを抜いて警戒する。
それを見たレンは初めはポカンとしていたが、頭を横に振ると、手のひらから炎の玉を出して、いつでも打てるように構える。
そして、全員の警戒を受けている煙の中からパチパチと乾いた拍手の音が鳴る。
「流石『ファントムサモナー』の使い手だ」
煙が晴れ、その姿が見える。
見たことのある黒服を着ていて、煙が晴れると同時にソレはフードを取った
そこには中性的な顔立ちのニンゲンがいた。
「こんにちは、僕は『六仙』のカロスでーす!よろしくね!」
軽い言葉とは裏腹に発せられた覇気は凄まじく、その場にいる全員に緊張が走った。
バン
種族:人間
年齢:12歳
性別:男
階級:平民
推定戦力:C+
適性:騎士
主な職業:学生、レイン組第三作戦班副班長
主な能力:技能 テレパシー
主な使用武器:盾、ランス
特技:肉を焼くこと
趣味:レインの写真集め、声の録音




