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悪魔使いの落第者  作者: Bros
第三章 白の陰謀と黒の愚策
71/201

#70 伯爵家

大遅刻して大変申し訳ありません!


70話です、よろしくお願いします!

ブンッブンッと木刀を振る音が静かな庭に響く。


振っているのは先日から姿を消していたクレアだった。

手はマメだらけになっていて髪もボサボサで汗だくだ、普段の彼女からは考えられないほど酷い様相である。


「………………っ!」


マメが潰れた痛みで思わず木刀を落としてしまう。

カランカランと軽い音が静かな庭に寂しく響く。


「一度休憩を入れたらどうだ」


「お父様」


庭の奥から屈強な男性が現れる。

セアリアス伯爵家の当主でありクレアの父のセアリアス・アルフレッドだ。


右頬に大きな傷がある。

この傷は魔物の大量発生が起こった時に高位の者でありながら先陣を斬り、特攻したときに付いた傷だそうだ。


「お前はまだ若い。それにこんなに綺麗に育ったのに何もマメなど作らなくても………お前は令嬢だぞ?」


「お父様こそ、伯爵でありながら一般兵と混じって訓練したり戦闘に出たりするではありませんか」


止めるようにいったと思ったら直ぐに切り返されてしまったアルフレッドは肩を落として落ち込む。


「そんなこと言っても………パパは皆と仲良く訓練すれば信頼してもらえるかなっ?て………」


「一緒に訓練したかっただけでしょう」


今度はパパ全開で行ったが呆気なく散るアルフレッド。


「嗚呼神よ、私の愛娘は反抗期とやらに為ってしまったのでしょうか」


「木刀で殴りますわよ?」


あまりのしつこさにとうとう貴族向けの言葉遣いが出てしまうクレア。


そして諦めたように溜め息をつくと木刀を近くのテーブルに立て掛けて椅子にすわった。


椅子に座るとどこからかメイドが現れ、紅茶を置いて去っていく。


「確かに少し集中しすぎたわね………休憩するわ」


そう言いながらクレアは紅茶を飲む。

その所作さ確かに高位の貴族の令嬢と伺える程綺麗だ。


「何をそこまでお前を駆り立てるんだ?今まではそんなにきついメニューを敷いて来なかっただろう?」


そう、彼女はあの戦いの後から今日までほとんど休まずに訓練をしていた。

学校には家の用事と理由を付けて休んでいた。

成績が優秀なので特にお咎めは無かったようだ。


「あぁ、お父様は昨日帰っていらしたから知らないのね………」


クレアは紅茶の入ったカップを置く。


「先日、学園に三度目の襲撃がありました」


「最近噂の強い魔物が出るという?」


「えぇ、私はその魔物達を退治するチームの副官なのです」


あえてモストロの事は伏せるクレア。


何故かというと


「なんだと!?学園め!うちの娘を戦場にだすとは!成敗してくれる!」


アルフレッドがかなりの親バカだからである。

もし強力な魔物ではなく未知なる敵、それもかなりの強さだと知ったら本当に学園を壊しかねない。


「静かにして」


「アッハイ」


豪傑も娘には弱いようだ。


「話を戻しますと、私はその三度目の襲撃で現れた敵に惨敗しました…………!」


クレアの瞳が潤み始める。


「何も出来なかった!大事な後輩(レイン君)の助けにすらなれず!」


大粒の涙がテーブルの上にポツリポツリと落ちる。


「私は自分が情けなかった…………力の無い自分が…………あれを恐ろしいと思ってしまった自分が…………!!」


普段はめったに泣かないのだろう、クレアは不器用に泣く。

顔はくしゃくしゃになって涙は止まらず、どういった顔をして良いのかが解っていないようだった。


そしてアルフレッドは先程までの挙動とは打ってかわって優しい目でクレアの頭を撫でた。

コメント、評価を頂けると作者が舞い上がってオドルヨルでヨルタノシイナをします

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